第7話 誰のせいですか?
王宮管理部との会議には、八人が集まっていた。宮殿設備責任者。整備会社。光晶石メーカー。王立魔導事故調査局。そして救助記録確認のため、レオンも同席している。
「つまり」
宮殿設備責任者が言った。
「新型光晶石に欠陥があったということですか?」
メーカー担当者がすぐ反論した。
「当社製品は規格を満たしております」
「では古い制御器が悪かった?」
「ARCANA社はすでに存在しません」
「整備会社は?」
「三か月前の点検では正常でした」
言葉が飛び交う。誰もが、自分ではない誰かへ原因を渡そうとしている。
「クロフォード調査官」
設備責任者がエレナを見る。
「結局、誰の責任なのです?」
エレナは資料を閉じた。
「その質問には答えられません」
「なぜ?」
「私たちは責任を決める機関ではないからです」
「しかし事故が起きた」
「はい」
「原因があるでしょう」
「あります」
エレナは試験結果を示した。
「新型光晶石そのものに、今回の事故へ直結する欠陥は確認されませんでした」
メーカー担当者が息を吐く。
「ARCANA製制御器も、旧規格の光晶石を使用した場合には正常です」
今度は設備責任者が眉を寄せる。
「では?」
「組み合わせです」
エレナは説明した。新型光晶石。旧型制御器。高負荷。長時間使用。その条件が重なった。
「誰か一人が何かを間違えたから起きた事故ではありません」
部屋が静かになる。
「では誰も悪くないと?」
「それも私の仕事ではありません」
エレナは答えた。
「私が知りたいのは、誰が悪いかではありません」
少し間を置く。
「その事故が、なぜ起きたかです」
レオンが黙ってエレナを見ていた。




