究極奥義
悪夢の一夜が開けたあくる日、いつも通り菫が家に迎えに来た。
「泰助~ おっはよう~ 一緒に学校行こ」
菫はかつてない程の上機嫌で朝の挨拶をする。
むっちゃ明るい… 暗殺依頼を反故にしたのにあいつは大丈夫なのか?
ま、あいつが本気を出せば依頼者と揉めても依頼者を瞬殺するだろうが…
だが、暗殺のプロである菫がその約束を破るとは… 秀雄に教えて貰ったあの技の力か?
恐るべし、「あたま撫で撫で」。
も、もしかしてこの技を使えば… 女は何でもいいなりになる… そうなのか!
だったら……… 「もう… おっぱい揉ましてって言う必要なんて… ない」
いかんいかん、どっかの魔法少女のようなセリフになってしまった。
しかしあの威力は凄まじい。
完璧な殺人モードだった菫を恥ずかしがり屋の乙女モードに変えてしまうなんて。
やばい… 俺は秀雄から究極の秘奥義を教わったのかもしれん。
いや、待てよ… よ~く確かめないとな。俺は石橋を1000回叩くと決めたんだ。
もし尾賀さんにやって失敗しようもんなら究極のおっぱいを取り逃がしてしまう。
よ、よし… まずは菫でもう一度確認だ。
「菫、おはよう」
俺はそう言うといきなり菫の頭を胸に抱きかかえて、昨日と同じように菫の頭を撫でてみた。
「え、ええっ…」
菫は最初、急なことに驚いて動揺していたが直ぐにおとなしくなり俺の胸に体を預ける。
そして頭を撫で始めると時折身体をピクッとさせ、だんだん体の力が抜けていくような感じになった。
そして初めはだらっと垂れていた手を俺の背中に回して俺を抱きしめる。
そのまま撫で続けると力が抜けてしまうのか菫の膝はたまにカクッとなり、どこかモジモジしている感じで体をくねらす。
しかし大事なのはここからだ…
俺はそーっと菫の顔を見てみた。俺の胸の中で顔を横向けている菫の頬は綺麗なピンクになり、目はトロンとして虚ろな表情、さらに意識は半分飛んでいるように見えた。
もしかして今ならおっぱい触ってもばれねーんじゃねーか?
さ、触っちゃおうかなー……
俺の手が菫の胸まであと5cm、もうおっぱいは目の前となった時、
「兄ちゃん、菫さん… 玄関前で何やってんの?」
場の空気を読めない愚弟が話しかけてきた。
佑助、いきなり声をかけるな。 危ねーだろ、兄ちゃんの命が。
もう少しで人生初のおっぱい揉み体験ができるところだったのに…
しかも菫のSランクおっぱいを…
それに、いきなり声をかけてきて菫にこれを気付かれたら兄ちゃんの命が無くなるだろーが。
お前は兄を亡き者にする気か? もしかして長男の座を狙ってる?
佑助に声をかけられた菫はとんでもない反射スピードで俺を突き飛ばしてうろたえた。
「ゆ、佑助君… おはよう」
「菫ねえさん、おはよう」
なぜ菫の名前に「姉さん」を付ける? お前には偉大なるこの兄しかいないんだぞ。
ん、… そうか、そういうことか。なかなかの策士よの~
確かに椿と結婚したら菫は姉さんだ。
椿と結婚したいからワザと菫を姉さんと呼ぶ… うぬも悪よの~
菫を味方につけたいんだな…
そう思ったので佑助の耳元でそのことを呟いた。
「そんなに椿と結婚したいのか?」
「何言ってんの? 兄ちゃん…」
「だって菫姉さんってわざと呼んでるだろ?」
そんなにしらばっくれなくてもいいのに… ういやつじゃ。
(兄ちゃん何勘違いしてんの? 父さんと母さんから兄ちゃんと菫さんが結婚するって聞いてるからだよ)
ふと菫の方を見ると未だにあたふたとして落ち着かない様子だった。
………しかし、こいつは凄い効き目だ。菫への効果は覿面だな。
よし、後は最終確認だ。
もしかすると俺は自由に好きなおっぱいをハントできるようになるかもしれん。
「菫、行くぞ」
「う、うん」
それから俺と菫はいつものように学校へ向かったが… 菫は何やってんの?
いつもは横並びで歩くのに、今日は何故か3歩下がって俺の後ろを恥かしそうにもじもじと歩いている。
なにが恥ずかしいの? ………もしかして、俺?
とうとう気づいちまったか…
クラスの女子は俺と並んで歩くと人間として恥ずかしと言って歩かない。
菫だけは未だに並んで歩いてくれていたが… とうとう菫もそっち側の人間になっちまったか。
でも俺は気にしない。おっぱいさえ揉めれば女がどこを歩こうと知ったことではない。
それにしても菫の顔… もじもじしてるけど、なんであんなににやけてるの?
おっと、そんなことを気にしてる場合じゃない。
学校でこの奥義の最終確認をせねば。
もし完成できていれば… 俺はいきなりあのSランクおっぱいを揉める!
俺は気合を込めて校舎内へと進んでいった。
教室に入ると秀雄がいたので俺は直ぐに昨日のお礼(というか、この奥義伝承のお礼)をした。
「秀雄、ありがとう… やっぱお前は本当の親友だ。おかげで俺は今日も生きてるぜ」
「い、いや… おおげさすぎるから… でも上手くいったみたいだな」
「ああ、もうバッチリ。 秀雄、お前はあの奥義をどこで学んだんだ?」
「あんなの奥義でも何でもないよ。女の子はああしてあげると落ち着くみたいでね」
さっすが完璧人間… あれぐらいの技は出来て当たり前か。
秀雄、あんたすごいわ… あんたはほんまごっつい人間や。
秀雄には感謝してもしきれねえ。 秀雄、いつでも俺を掘っていいからな。(キャッ)
秀雄に礼を言った俺は急いで席に戻る。
その理由は当然… 俺の隣のSランク保持者、尾賀さんに挨拶するためである。
「おはよう尾賀さん」
「あ、おはよう 柳瀬君」
俺は最初の0.5秒だけ尾賀さんの顔を見てそれ以降は胸を見ていた。
美しい… 美しすぎる。
出来ればブラウスの第二ボタン… いや、贅沢は言いますまい… 第一ボタンだけでいいからはずしてほしい。
尾賀さ~ん、 夏だよ~ 暑くなったね~ ボタンはずしちゃおうか~
もっときばれや太陽、何へこたれてんじゃい!… 気温50℃目指して頑張らんかい。
「クスクスッ 本当におっぱい好きなんだね」
俺の視線に気づいたのか尾賀さんは俺に向かって楽しそうに笑いながらそう言った。
「好きかどうかと聞かれる前に好きだと言うけど… 尾賀さんは怒らないの?」
「柳瀬君があんまりにも必死に見てるのが面白くって…」
尾賀さん、流石だ… それでこそおっぱいクイーンだ!
聞いたか、ヘタレおっぱいをした女達、… ちょっと見てただけでもすぐ怒りやがって。
こんな素晴らしいSランクおっぱいを持っているのに俺にじっくり見られても嫌味の一つも言わない。
これぞ女王の風格だね… お前らとは格が違う、格が。
「私って以前から男の人によく胸をじろじろ見られるのよ。それで、ちょっと慣れてるって言うか…」
誰だ!尾賀さんのおっぱいをじろじろ見るふてーヤローは? 俺がぶっ飛ばしてやる。
「どんな奴なの、尾賀さんの胸をじろじろ見る奴って?」
「…ん~、感じで言うと…」
どんな感じのヤローだ… 早く言ってくれ。
「やっぱ柳瀬君とよく似た雰囲気の人かな」
そうか… やっぱ俺ですか? 類は友を呼ぶもんね。
確かにおっぱい好きには共通の似たような雰囲気がある。
「あ、でも 私は柳瀬君のこと嫌いじゃないよ」
あのー、尾賀さん… 泣いていいすっか? 嬉しすぎて涙が出ちゃいます。
そこでご相談なんですが… 出来れば胸をお借りしたいんですけど…
そんな感じで尾賀さんと楽しく話してると朝のHRの時間となった。
朝から様子が変だった菫の様子を見てみると、何故か天井を向いてにやにやしていた。
しっかりしてくれ、菫… 今日の昼飯、大丈夫なんだろーな?




