072_私が高校に入るまで 【綾目線】
綾の過去編最後。
次からまた本編が進みます。
ギャルにはなったけれど、勉強は真面目にやった。
全ては翔と同じ高校に入ってJKライフを翔とともに満喫するため。
翔の成績は、中の中の中くらい。偏差値50前後の公立高校を受験するらしい。
なら私は、その学校に余裕で受かれる程度の学力にならないといけない。
「下倉さん、本当に南高でいいんですか」
「うん。そこがいいの」
何度も先生と面談を繰り返した。
「下倉さんなら、公立高校志望でもまだ上を狙えるはず。2つ上の、偏差値で言えば62くらいの花岡三条高校でもほぼ確実に合格できる成績です。それに今のところ三年になってからずっと無遅刻・無欠席・無早退。見た目だけチャラついているけれど、授業態度だって悪くない。内申だって40もあるじゃない」
「偏差値で選んでるんぢゃないデース」
翔の通う高校、に行きたかった。お母さんより若干年齢が上かな、ってくらい年齢のオバチャン先生はいつも溜め息。
「もっと先の話をするとね、高校のランクによって授業のレベルも変わるの。だから、南高だといわゆる中堅大に進む人がほとんどなの。でも、こっちの高校は大抵の人が有名私大って呼ばれるところに受かっていて、国公立だって2割くらいいるのよ。受験をサポートする体制も違って……」
「大学に行く勉強は自分でやる。そもそも、私が行きたい大学は花岡三条でも合格者数名しかいないし」
東浜大学。
私立で難しい方から片手で数えられるであろう、私立最難関大学の一つ。(どっかの偏差値80とかいうレベルの国立大学をもじったような名前をしているけれど、東浜大は私立)
南高からはたま~~~~に合格者が出る。たま~~~~に、だけど。
さすがに自分でも高すぎる目標かもしれないと思っている。それでも。
「じゃあなおさら花岡三条行った方がいいんじゃないの?」
「やだよ~、花岡三条って自称進学校でしょー?自称進学校とか無駄に課題多くてダルいぢゃん。学校の課題やってる暇あったら自分のやりたい勉強したいってーの」
「あとさ、花岡三条遠いぢゃん。私、もーそろそろ港橋に引っ越すんだよねー。港橋だと花岡三条とか通学に1時間以上かかるし」
先生の花岡三条高校推しをなんとかそれっぽい理由をつけて押し切り、翔と同じ高校を受験し、お互いに同じ高校に進むことが出来た。嬉しいのは私だけだったと思うけれど。
ちなみに、高二現在は港橋(翔の家からだと20キロくらい離れているかな?)に住んでいるけれど、中学生の頃までは翔の家から3キロくらい離れたところに住んでいた。
コミュ力もメイク方法も綺麗に髪を巻く方法も、中3時代にしっかりと培った。
スーパーギャルとして(?)この学校に入学した。
しかし、学力真ん中レベルのこの学校に、ギャルはほとんど存在しなかった。
少なくとも1年生の頃のクラスの中でチャラそうな人というと、私と駿くらいだった。
思い返せば、最終的に私といつもつるんでいたカースト頂点ギャル達は、ほとんどが偏差値30台の、小学生でも合格しそうな底辺高校に行った。
それでも、ギャルみたいな見た目してるくせに、緊張でそわそわして落ち着きのないクラスを最初にまとめたのは私だった。
この学校の生徒たちは、見た感じではあるけれど、かつてのランクに当てはめればAが3割、Bが6割、Cが1割といったところだ。
つまり、リーダーシップを発揮するような生徒はほとんどいなかった。
中3の時、私はSランクの仲間入りをするとともに、いつの間にか統率力まで身につけていたらしい。
入学して1週間も経たぬうちに、全然知らない人にまで私の存在が知れ渡り、私はクラスどころか学年の頂点に立っていた。
中二の時みたいな思いを二度としないために。誰にもさせないために。
最高の高校生活だったってみんなが笑ってくれるように。
私は、女王になった。
そうだ、肝心の翔はというと、クラスは違った。
でもそんなこと気にしない!
「翔~~!高校同じだね!!よろしくっ!」
翔には全力ダッシュで逃げられたけれど。
お読みいただきありがとうございました。
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