046_未羽の告白
街中にクリスマスツリーが飾られたりイルミネーションが施されたりと、キラキラしてくる今日この頃。
クリスマスまであと2週間を切った。
相変わらず俺らは月に3回ほどデートしている。多めな方なのかな?
「ひゃーっ、転ぶ転ぶ転ぶっ」
今日は地元のスケートリンクに来ている。地元とはいえそれなりにちゃんとしたリンクだ。
「ほら、俺に捕まって」
未羽は、俺が超ゆっくり滑っているはずのスピードにも追いつけないらしく、
「ひゃっ!!」
俺の袖をつまむ未羽が転んだからつられて、
「うおっ!!」
二人して転んでしまった。
まあこんな風にほのぼのと二人過ごしている訳なのだが。
「全然滑れなかった~~っ」
未羽は頰を膨らまして不満を伝えている。
「また来れば上手くなれるよ、3月くらいまでリンクはやってるんだから。また来ような」
俺は普通のことを言ったつもりだったのだが。
未羽の目が潤んでいた。
「ど、どうした!?」
「え、えへへ、大丈夫だよっ!……そうそう、滑れなくて悔しいだけっ」
そうか、それなら別に良いのだけどな。
未羽は目尻を指で拭って笑った。
「そうだ、夏休みに観た映画、続編出るんだって。来年の春なんだけどさ、観に行こうな」
また、未羽は涙を浮かべた。
「体調でも悪いのか!?」
「う、ううん……それは、大丈夫だけどっ」
未羽は本当にどうしたのだろう。
「何かあるなら言って?」
未羽は口を開いた。
「あたし、一週間くらい後……翔と、別れなきゃいけないの」
は??
この際俺の気持ちは置いておくとして、だ。
別れたい、ではなく、別れないといけない?
「どういうことだよ!?」
「あたし、今年いっぱいでここからいなくなるの」
ここからいなくなる。
引っ越し?
別に、遠距離恋愛になっても俺は構わないのに。
まあ、未羽がケータイ持ってないとなると連絡とりづらくて辛いけどな。
それでも手紙とかあるし。未羽のためなら毎日3通くらい送っても苦じゃない。
「遠距離でも、俺は付き合っていたい。待ってさえくれれば未羽を迎えに行く」
焦りか、我ながら大胆なことを言ってしまった。プロポーズかよって自分でも思った。
「違うの」
震える声を振り絞って未羽は言った。
「信じてくれなくても良いけど……あたし……あたしっ……本当は」
「未来から来たんです」
現代日本にSF的要素盛り込まれてもリアリティに欠けるんだけどなぁ。
「もし本当だとするなら、だけど……早く言えよ……」
「……未来人がいるなんて知られたら困るから、今まで上から許可がおりなかった。上の判断を無視すると強制送還されちゃうし」
「翔と一緒にいられるのは、24日の午前11時まで。正午までに研究所の中にいないといけない」
今でも俺は信じられないけれど。仮に嘘ついてでも別れたかったとかなら、それはそれでデート中泣くかもしれないけれど。
未羽を信じるとして、いつ別れないといけないか知っているのに俺が別れてしまう時より先の話をしていたら、そりゃ泣くわ。
未羽は一体いつの人?
もう生まれてる?まだ生まれていない?俺が生きているうちに生まれる?俺が死んでずっとずっと経ってから生まれる?
俺が生きているうちに会えるとして、また未羽に会うことは出来る?
俺の頭の中は疑問でいっぱいだった。
お読み頂きありがとうございました。
次回も読んでいただけると幸いです。
次回予告☞未羽×翔、最後のデート。何話かに分ける予定。
次回はとにかくイチャイチャさせます。その次とかは少しシリアスになるかもしれないので。




