040_修学旅行二日目 【翔目線】
修学旅行はまだまだ続きます。グアムに3泊。
二日目の昼間は現地の高校生と交流したって設定になっています。一切話の流れに関係がないです。
なぜか駿に連れてこられた。
お菓子パーティー・イン・下倉たちの部屋。
一応言っておくが、本来ならば女子の部屋に入るのはアウト。
ちなみに佐藤やコースケが来なかったのは、昨日の夜ハメを外しすぎたらしく二日目の夜の自由時間を全て剥奪されるの刑に処されたらしい。
俺は消灯後すぐに寝ちゃったからわかんないんだけど。
「ねー駿ごめん、パーカー借りっぱなしだった」
「全然いいよ」
最早クラスメート全員が知っていることだが、駿は下倉のことが好きである。先月盛大に振られてたけどな。
「綾ー喉乾いたんだけど飲み物持ってないー?」
「あるけど飲みかけだよー、コップはあるけど」
「飲みかけでいいよー」
鈴谷のセリフを修正しよう。『飲みかけがいい』。下心が透けて見えるぜ。
鈴谷はひたすら下倉とイチャつこうとする。
下倉もまんざらではなさそうだ。
俺いなくて良くない?
その後もそんな感じが続いていく。
鈴谷は女子とイチャつくのに慣れているのだろうけど、下倉は本気で照れている。
下倉と同室の奴らは囃し立てたり端で笑ったり。
俺は無言でポテチの袋を開封していく。
……うーん、イケメンに撫で撫でされたら誰でも照れるか。
しかし段々見ていて苛々してきた。
人がイチャイチャしているを見ているのは別に平気なのだ。
なのにこいつらが仲良さそうにしているのを見ると妙にムカつく。
「俺帰る」
ポテチ5袋目を食い終えた所だ。なんか見ていられなくなった。
時間的にも、そろそろ風呂に入らないと消灯に間に合わなくなる。
いや、それは言い訳か。まだ消灯まで20分はある。最悪風呂なんか5分もあれば済むし。
「翔、待って」
鈴谷は十数秒遅れて俺を追いかけてきた。
走っても無駄だ。どうせ同室だし、そもそも鈴谷の方が足が速いだろうし。
とりあえず女子の部屋のフロアからは離れた。
「どうかしたの?」
「どうもしない」
「なんか怒ってる?」
俺は無意識のうちに声を荒げていたのだろうか。
「怒ってない」
「嘘だ。怒ってる」
「綾とオレが仲良くしてちゃダメなの?」
「は?」
「綾が……翔のことを好きだったはずの綾がオレにデレてるから怒ってるんじゃないの?」
「な、なんだそれ」
しかし、心の底から否定できるかと問われると、そうでもないような気がしてしまう。
「そういうの、なんて言うのか知ってるよ」
「独占欲」
「綾が自分のこと好きでいてくれる、ってどこかで安心してるんでしょ」
「そんな相手が離れてっちゃう。焦ってるの?寂しいの?」
なんなんだよ。翔のこと分かってますよーとでも言わんばかりに。
「顔が怖いよ。図星?」
ずっとヘラヘラしやがって。
「何も話さないならなんでもいいけど。じゃあ、綾のことほんとに貰ってっちゃうよ?」
「誰と仲良くしようと下倉の勝手だろ」
やっと口を開いた俺に鈴谷はニヤリと笑った。
「翔、後悔しない?」
「俺には関係ない」
「りょーかいっ」
なぜか駿は再び女子の部屋のフロアへと向かった。
バレても知らないぞ。
消灯まであと15分を切った。急いで体だけでも洗わないとな。
お読みいただきありがとうございました。
次回も読んで頂けると幸いです。
次回予告☞修学旅行三日目。綾目線。
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