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3. 再会

三話目です。

よろしくお願いします。

折角、アイスを作ったのだからミリアムさんにも食べて欲しくて、アルト王子に呼んでもらった。


「聖女様!」

「ミリアムさん!元気だった?」

「ええ、聖女様もお変わりなくてよろしゅうございましたわ」


「あれからカイル王子とはどうなったの?」

「半年後に婚姻式を挙げますわ。カイル殿下はダルタン家に婿入りになりますの」 


ミリアムさん、幸せそうだ。


「良かったね。心配してたんだ」

「ありがとうございます。今回、聖女様は何故この世界にお越しになられたのですか?」


「あー、アルト王子に呼び出されちゃってね。ミリアムさんがアルト王子に当たり棒あげちゃったでしょ。あれにそんな力があるなんて知らなかったよ」


「それは申し訳ありません。聖女様が元世界に戻られてから、アルト殿下はお元気がありませんでしたので…。少しでもお慰めになればと聖女様から頂いた物ですが差し上げてしまいました」


「それはいいよ。ミリアムさんにまた会えたしね」

「わたくしも会いたかったですわ。ところで聖女様は今は何をなさっていらっしゃるのですか?」


「…淑女教育…」

「淑女教育ですか?」

「なんかさあ、アルト王子に婚約者になれって言われて、淑女教育とやらを詰め込まれてさ…」


「まあ!アルト殿下とご婚約されるのですね?では聖女様はこちらの世界にお住みになられるのですか?」


「期待させて悪いんだけど、仮初めだから。王子に頼まれた件が片付いたら帰るよ」

「そうなんですのね…残念ですわ」

「ごめんね」


「所で聖女様、アルト殿下から伺いましたけど、来週、隣国の皇女様がいらっしゃるとか。その対応に聖女様が当たられるのですのね」


「そーなんだよ!アルト王子ってば無理難題ばっかり持ってくるんだよ。淑女教育しかり、隣国の皇女様しかり。私はただの女子高生だっつーの」


「婚約者の件も皇女様の来訪と何か関係があるのかしら?」

「かもね。なんかさ〜皇女様が婚約を申し込んで来た本当の理由を知りたいんだって」


「わたくしにお手伝い出来る事がありましたら、遠慮なく申し付けて下さいまし。今度はわたくしが聖女様をお助け致しますわ」

「ありがとう。その時は頼らせて貰うよ」

「ええ是非」


困ったら本当に助けて貰おう、うん。


「そうだ、今日ミリアムさんに来て貰った本来の目的を忘れるとこだった。あのね、アイス作ったんだ。ミリアムさんにも食べて欲しくて」

「『あいす』でございますか?」


「そうこれ。美味しいから食べて食べて」


ミリアムさんに小皿に盛り付けたアイスを渡す。


「まあ、可愛らしい。お菓子ですの?」

「うん」

「頂きますわ」


ミリアムさんはスプーンで一匙掬って口に運ぶ。


「…わ…わぁ…冷たくて口の中でトロけますわ。美味しい…」

「でしょ?私の世界のはもっと美味しいんだよ」



「随分と楽しそうだね聖女様?」


扉の所に腕を組んで立っているアルト王子。なんだ?混ざりたいのか?


「アルト王子、これは女子会ですから男子は遠慮して下さ〜い」

「そういう事では無くて、昼の一刻から私と打ち合わせだと言ってあったでしょう?」


「あれ?そうだっけ」


今は昼の二の刻を少し過ぎた所だ。


「聖女様、行って差し上げて」

「ごめんね、ミリアムさん。またね」


ミリアムさんを部屋に残し、アルト王子に付いていく。王子から不機嫌オーラが出てる。遅れた事そんなに怒ってんのかな?


「アルト王子、遅れてごめん」

「…いーえ、別に」


なんか拗ねてる感、この人私より年上だよな?


「王子、拗ねてる?」

「なっ、そんな事ないですよ。…予定が狂うのが嫌なだけです」


その割に、怒ってるって感じじゃ無くて拗ねてるがぴったりなんだよな。…面倒臭い男子だ…。


「ごめんてば。お詫びに何か私に出来る事なら聞いてあげるからさ?」

「…本当ですね?約束しましたよ」


途端に笑顔になる王子、単純だな。 


「では。早く打ち合わせをしましょう。私にはこの後も予定があるので、これ以上遅れると差し障りがありますので」

「は〜い」


王子の執務室のソファに座る。アルト王子の側近だろうか初めて見る男の人がいた。  


「彼は私の側近のジルベルトだ。今回の件は彼にも手伝ってもらわねば我々だけで手が足りないのでね」

「ジルベルト・ディースタンと申します。お見知りおきを聖女様」

「あ、はい。よろしく」


「ジルベルト、聖女様に資料を」

「はい、聖女様。こちらが隣国の皇女様の情報です。現在の皇国の状態、経済状況なども載せてあります」


うげぇ…大量…学校で貰うプリントみたい。


「これを分析して、皇女殿下の来訪に備えて欲しいんだ」 

「あの〜何度も言いますが、私ただの女子高生なんだってば」

「聖女様の経済学は優秀だと聞いていますよ。期待していますね」


経済学って、今の日本人なら誰でも分かるレベルだよ?期待が重い…。


「はいはい、頑張りますぅ(棒読み)」

「何時ぞやの、宰相に返していた返事みたいですね」


無駄に記憶力良いな王子。


「これ終わらないと帰れないもん。頑張るつもりはあるよ、つもりは」

「まあ、精々頑張ってください」

「は〜い」


だって、これ途中で放って帰ったら、また呼び出されそうなんだもんね。あの当たり棒、何とか取り返せないかなぁ…。




最後まで読んで頂きありがとうございます。

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