3話
「よーし、これでバッチリね」
玉座の間に戻ってきた魔王は玉座の代わりに配置された椅子に座りながら上機嫌につぶやいた。
「さてと、それじゃあ一つずつでいいから改善個所を教えてちょうだい」
「承りました。それでは」
男は自分が手を入れていない、魔王自身が作り上げた部分について質問を始めることにした。
STEP:1 城の長さの調整
「今の城の規模を教えてください」
「えーっとね やっぱ高い方が威厳があるじゃない?100階層よ」
「…その時点でダメです。」
「何でよ!? 最初は100階まで登った後に、そこは偽物で今度は降りていかなきゃいけない実質200階!にしようとしたけど少しやりすぎだと思ってこれでも抑えたつもりなんだけど」
「魔王様基準で考えないでください…。誰が到達できるんですか。」
根本的にずれている魔王に心底ため息をつきながら続ける
「魔物が生息している城の中で1カ月以上かかりそうな構造は辞めてください!そもそも1階層が広すぎるのでそこで常人は脱落します。」
「そんな貧弱だなんて気が付かなかったわ」
「すぐに気づいてください!」
無頓着すぎた魔王は指摘されたことについて本当に分かっておらず、驚きながら聞いていた。
「それじゃあ聞くけど、どの位の階層が適切かしら?」
「5階から10階くらいが適正かと思います。1回の広さも狭くしてください」
「そんなに低いの?そして広さはどの位が適正」
「そうです!広さは最低でも10分の1にしてください」
「随分と小さな城になるわね、まぁ城は中は亜空間で外見は変わんないからいいか」
魔王は手から積み木の玩具のようなものを召喚し、椅子の横にあるテーブルに置いた。
小さな建物の形をしており高く積み上げられている
「苦労して積み上げたんだけどなぁ、ちょいちょいと引っこ抜くとして」
魔王は家の形をした積み木から少しずつ抜いていき10分ほど抜き続けると
「よし出来た!」
5階ほどになった小さな建物が出来上がった。これは魔王城の内装を変更するアイテムである。
「そしてもう一つは…」
今度は手帳を取り出し、開きながらペンを握りながらページを開いた。
「サイズは10分の1、細かい内装は後で考えましょう」
文字を書くと空中に浮かびあがり消えた、これにより効果を発揮する
「こんなんでいいかしら?結構いじくったことだしいいわよね」
「まだあります」
「まだあるの!?」
「魔王様の城は完璧ですので、正直これだけでも全然足りません」
「完璧なのはいいことのはずなんだけどなぁ…」
「それでは次に行きましょう」
理不尽魔王城の改修は当然ながらまだまだ続く
STEP:2 理不尽トラップの配置変更
「次はトラップについてですね」
「今度は何かしら?」
先ほどから書き込んでいる手帳を見ながら魔王は尋ねた。
「こちらをご覧ください」
男は魔王城の入り口にある部屋を見せてきた、実際に罠が発動する様子を解説するような映像となっている。
「これは私が作った自慢のトラップね、どこが落下するかわからない完全ランダムの上落ちたら100m下の地下に真っ逆さま。さらに落ちた先に毒針が張っているから確実に死ぬ完璧な奴よ」
「消してください」
男は即答する。こんなトラップで誰も突破できるわけがないので有無を言わさずに
「えーっ…」
全く理解ができていない魔王は残念そうな表情でつぶやく
「即死トラップはダメです」
まず手始めに手を入れなければならないトラップに進言をした後も様々な理不尽トラップについて指摘をしていく
「迷路とかロマンあるでしょ」
「これ何時間かかったら上の階に行けるんですか」
「上に行く階段を用意して4個ある中で1個が本物、他を選んだら入口に戻される」
「完全運要素はダメですヒントがあれば突破できるように」
…非常に先が思いやられる有様であった




