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初めての出会い1
当時、ベートーベンが民衆を魅了していた。
音楽の都オーストリアのウイーンに程近いハンガリーの片田舎に、
中世期に石造りで建てられ、由緒正しい貴族が住んでいたと伝えられている
古い館があった。
その館は長らく放置され、外壁は青々とした蔦で覆われていた。
ところが、いつの頃からか人の気配がし、覆っていた蔦が枯れ、
館の窓や扉が見えるようになっていた。
私は丘の上から、丘の下に建つその館をずっと見ていた。
彼らが出入りするのを…。
ひとり、ふたり、さんにん、よにん…。
遠目で見ると、みんなとても顔も背格好も良く似ている。
全員の顔が判別できた日は嬉しかったなあ、7人だって確信できたから。
よいか…彼らに出くわしたら…
「にゃあーん」だ!
それからというもの私は丘を下りて、館の周りをふらふらするようになった。
時間を調節したり、ルートを変えたりしたが、しかしなかなか出会えない。
なぜ…?出会いたいのかって?
私は、まだ子ねこだ。
私には保護者が今すぐに必要で、そうしないとこの国の寒さと雪に耐えられず、
死がそこに待っている…。
まあ、今日も一声鳴いてみるか。
「みにゃあーん」




