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ねこ大佐の地図5

にゃん大佐は軍服の詰襟に手をかけ、ホックを外した。


「それは首輪ですね?」

「ああ、私の一番大切なものさ。鈴は音が鳴るからね。

取って埋めてあるのさ、秘密の場所に」(笑)

「彼らとの思い出の品。いつか私に昔話をしてください」

そうR189が言うと、にゃん大佐の表情は微かに翳ったようにみえた。


「急ぎましょ!」

R189はドアへと走り出し、にゃん大佐はその後を追って出た。

廊下には黒い影がうつ伏せで倒れていた。

それを横目で見ながら…

「黒影だね」

と、にゃん大佐が言った。

「そうです。神出鬼没集団の!」


それからの二人は無言になり、木馬亭の裏階段を下り、裏口から出た。

真夜中のロンドンの街は月明かりで仄かに明るく、

浮かび上がる迷路のような路地裏を走り抜け、河の畔を進み

郊外の齢千年を超える杉の巨木の前に来た。

二人とも息が上がっている。

巨木の幹にはぱっくりと大きな渦が開き、中は渦巻いており、

先は見えない。


「間に合ったみたい。あと三分だわ」

「ああ、よかった」

「大佐お先にどうぞ」

「いや、レディーファーストだ…」

と言った瞬間。


暗闇から黒い影が現れた。

「止まりなさい。でなければ、この銃弾が体を貫くことになる」


渦の大きさはどんどん小さくなっている。


「パーン」

一発の銃弾が飛び出し、彼らを狙った。


にゃん大佐はR189を庇い、そして彼女の両肩を強く押した。

彼女の身体は宙を舞い、渦に引き込まれていく。


「待って、大佐。あなたも一緒に行くと約束したではないですか!」

小さな渦の中で遠くなっていく声。


銃弾を背中に負ったにゃん大佐はそのまま前のめりに倒れ、

力の限りで引き千切った首輪を渦の中に投げ入れた。


「これは形見だ。私の愛するものたちへの…」











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