表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第14章 初めてのBOSS戦!
112/199

第4話 ついにBOSS戦!

ついにBOSS戦開始です。

さて、どうなることやら……。

 朝起きたら、まずはポチとタマの様子を確認する。

 砦の樹の家では、リーフさんが出迎えてくれて、ちびっ子達の部屋に入る。

 狐っ娘姉妹は、一緒にスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていたが、ポチとタマは痛そうに呻いている。

 痛み止めとかの処方も、良くないって話だったので、とにかく耐えるしかないのだそうだ。

 

「痛み以外には、特に異常は無さそうですね」

「はい、今の所、問題なさそうです」


 俺は念の為、拠点のコアから俺に連絡する方法をリーフさんに教えて、M&Mに戻る。

 これなら、今日はBOSS戦に行けそうだ。

 早速準備にかかろう。





「準備完了だよ~~BOSS戦に、れっつごー! なんだよ!」

「BOSS……楽しみです!」


 朝食とBOSS戦の準備を追えた後、俺たちはM&Mの前で馬車に乗り込んでいた。

 本当は、「馬車を使うほどの距離じゃない」とか言われそうな近さではあるんだけど、馬車の中は簡易のシェルターになるぐらいには防御力があるからな。

 どっちかというと、そっちの方がメインかもしれない。

 昨日は、ちびっ子達の安全確保のためだったしな。


「BOSS戦なんだからもう少し、緊張感とかもてないの?」


 見送りに出て来ていたシーナが少しあきれ混じりに呟いている。


「レナは絶対守ります!」

「ありがとうミルファ」


 レナさん達は、何時も通りか……まあ、緊張で硬くなるよりはいいか。


 マユさんはと見てみると、馬車の中でアイテム類の最終チェック中か。


「じゃ、何かあったらギルドコアで連絡しろよ~権限は設定してあるか」

「あんた達の方こそ、昨日みたいにオーガの素材を取り忘れるなんて事するんじゃないわよ!」


 そうなのだ、昨日はオーガを蹂躙したはいいけど、次から次へと襲ってくるオーガと戦う事にかまけて、殆どアイテムを拾ってこなかったのだ。

 拾っている暇があれば戦うって感じのノリになってたしな……。

 ちょこっと拾った、角や牙が数匹分程度だったので、シーナにこっぴどく叱られた。

 曰く「何のためにモンスターを狩ってるのよ!」とか「お金に困って無くても、ギルドコアに使えばいいでしょう!」とか……。

 まあ、今日はBOSS戦だから倒した後に忘れないようにすればいいか。

 

 俺たちは、そんな感じで朝から渓谷に……もうオーガの渓谷でいいや……に向かったのだった。






 オーガの渓谷についた俺たちは、早速行動を開始する。

 まず問題なのが、BOSSまでたどり着くまでに沸く、大量のオーガだ。

 昨日、蹂躙して数を大きく減らしてる事を少し期待したのだが、どうやら無理だった様だ。

 本当に、何処から沸いて来るんだこんな数……この渓谷の途中のどこかに洞窟型のダンジョンとかあるのかもしれない。

 まあ、それは今はいいか。

 昨日帰ってきた時点で、この状況も想定していたので、予定通りに動く。


「ティナ、昨日みたいなの頼む。ただし、火と風だと熱くて進めないから、風と土で」

「え~~~。土だと強い感じがしないよ~」

「火傷するよりは良い、サンドストームみたいな感じでやってくれ」

「さんどストーム! おお~なんかかっこいいよ~。解ったやってみるよ!」


 うん、いまいちティナの感覚が解らんがまあいいや。


「じゃあ、渓谷に入って、ティナの準備が終わるまで向かってくるオーガを倒していくぞ!」

「「「「はい!」」」」


 渓谷の外でティナに準備を完了させてからとかの方が楽かもしれないのだが、それだとオーガがあまり出てこないので諦めた。

 まあ、戦闘でオーガを倒したり、ティナの攻撃準備そのものがオーガを大量に引き付ける事になってるっぽいので、一網打尽にするにはこっちの方がよかったのだ。

 

 そんな感じで、ティナの準備が整うまで、オーガの渓谷の入り口で戦う。

 昨日ティナが炎の竜巻をぶっ放した時と違って、後ろからの攻撃の心配が無いので、ミルファさんも前衛に出ていて楽に時間が稼げた。


「準備できたよ~~~皆~下がって~~~」


 ティナのその声と共に、俺は全力で防御魔法を展開する。

 今日は、BOSSが居るあたりまで、出来たら一掃してくれと頼んでいたので、自分達の防御は万全にしたのだ。

 最悪地形を変えることになりかねないが、BOSS戦に疲弊した状態で挑んで犠牲が出るよりはいいと割り切った。

 まあ、当然そうならないようにとティナに言い含めたし、その上実体化した妖精さん達にも直接頼んではいるのだが……。


「ティナいいぞ!」

「いっけ~~~」


 ティナがかざした右手から先ずは昨日のように横向きの竜巻が現れる。

 その後、土の妖精さんの力だろう、砂や尖った石や岩などが竜巻に巻き込まれていく。

 その竜巻は、ある程度長さを延ばした後、渓谷の先へと向かって進んでいった。


「はぁ? 竜巻が進んでいく!?」

「クロちゃん、いってたじゃない! ずっと向こうまで倒しちゃうって」


 確かに、そう頼んだ。やっている事も間違いない。

 ただ……。


「竜巻の進み方絶対におかしいだろう!」

「????」


 ああ、ダメだティナが理解していない。

 妖精さん達に力技でやらせているのだろう。

 もう、細かい事は考えない事にしよう。


「な、なんか凄い事になっていませんか?」


 レナが微妙におびえたように竜巻の通った跡を指差す。

 

「う……」


 見てしまった……できれば見たくなかった。

 赤い色のミックスジュースといったらいいのだろうか?

 そんな感じのものがずっと……。

 ううう、しばらくミックスジュースは飲めないぞ……。


 大分進んでしまった竜巻の方を見ると、うん赤黒い色の竜巻になってるな……なんで色が着いたのかは……あんまり考えたくない。

 なんか凄く極悪な攻撃になってしまったな。ミキサーで……いや、やっぱりやめよう。

 ご飯が喉を通らなくなりそうだ。




「おおお~~~~~」


 ティナが自分の起こした惨劇に、少し驚いてるみたいだ。

 渓谷を赤い川が流れている……たぶんBOSSの所まで……。


「凄い威力です!」


 セリカは、興奮気にそれを見ている。

 自分もあんな必殺技が欲しいとか思って居そうで少し怖い。


「う……」

「大丈夫ですか? レナ!」


 レナさんは少し気分が悪そうだ。

 うん、良くわかる俺も少し気分が……。


「属性の融合で効果を……」


 マユさんは何か考え込んでいる。

 アイテム作りの参考にするとかかもしれない。

 使い捨てアイテムでもこの威力が出たら恐ろしいのだが……。



「じゃあ、また沸いてこないうちにBOSSまで一気に進むか」

「まって~~~」


 ティナがそんな事をいいながら、赤い川に躊躇無く手を突っ込む。

 よく、素手でそんなことが出来るな……。


「おお~~なんかあった~」


 ティナがそこから取り出したのは、赤く染まってはいるがオーガの角っぽかった。

 結構痛んではいるが、原形を止めている。

 あの角ってそんなに丈夫なんだな……。


 その後、BOSSまで進む途中ティナが赤い川の中から幾つもオーガの角や牙を拾っていた。

 結構な量が取れてはいるが、他のメンバーはまねしようとはしていなかった。

 セリカですら躊躇していたからな……。




 そして、オーガの渓谷の出口の先に緑色の森っぽい景色が見えてきた所で、それは姿を現した。

 オーガの1.5倍ぐらい5m弱ぐらいの大きさだろうか?

 見ただけで解る。


「おお~~BOSSだ~~~」

「強そうですね!」


 相変わらずの二人は喜びの感情が強い。


「凄い強そうです……大丈夫でしょうか?」

「レナは命に代えても守ります!」

「ダメです! 命に代えてもとか言わないでください!」


 レナさんは結構不安そうだな。

 まあ、当然といえば当然なんだろうが……。


「マユさん大丈夫か?」

「だ、だいじょうぶ、です! ま、まけてなんて、いられ、ません!」


 う~ん、結構一番硬くなってるのはマユさんだったりするかもしれない。

 それなりに戦闘もしてきてるから、あのBOSSの強さを実感しているのかもしれない。

 ティナやセリカも実感出来ていそうではあるが、あっちは……強い事に喜んでいるからな。


 俺は、この世界始めてのBOSS戦を前に少しは緊張しているが……ドラゴンとか上位種族では無いという思いもあり恐怖はしていなかった。

 まずは、『モンスター鑑定(M)』での鑑定だ。



 名前:オーガキング


 種族:オーガ種


 備考:その頭には一本の立派な角が生えており、その角は強靭な硬度で武器や防具の優秀な素材となる。

 体は、茶色がかった色をしているが、HPが一定以下になると全身を真っ赤に染めてパワーアップする。

 オーガ種の統率個体で、オーガ達の指揮を行い組織的に戦ってくるほか、味方のオーガ種の能力を増幅させる。

 スキルは、*****、*****、取り巻き召喚、凶暴化、攻撃力上昇などで、武器や素手などによる直接攻撃が主な攻撃手段である。

    …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

    …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

    …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

    …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………



 予想通り、オーガキングで間違いないみたいだ。

 序盤のボスにはない、HP減少によるパワーアップ、こいつの場合は『凶暴化』のスキルを持ってるのが要注意だな。

 『凶暴化』は確かバーサク状態になって、理性を失って魔法とかが使用不能になる代わりに、攻撃力が大幅に上がったはずだ。

 見た目のままの脳筋のオーガキングにはデメリットの方はほぼ無いと見ていいだろう、もしかしてあるとしたら、指揮能力が喪失するぐらいか?

 あと、他に気になるのは、スキルで”*****”と表示されて読み取れない奴だ。

 能力不足で鑑定不能の時は”????”になっている筈なんだが……。

 少し、頭の隅においておいた方がいいかもしれない。

 それ以降は、マメ知識みたいな物ばかりだから読み飛ばしていいや。



「あれが、オーガキングだ! HPが一定以下になると『凶暴化』を使うから気をつけろ!」

「わかりました!」


 うん、返事をしてくれるのはマユさんだけか、もう皆戦闘モードに入っているか、のまれているかだな。

 そんな事を考えながらオーガキングの方を観察する。

 俺達からの距離は30~50mぐらい離れているだろうか? いまいち距離感がつかめない。

 血にぬれたどす黒い跡が体中にあるが、オーガキング自体はダメージを負っている様子は無いな。

 取り巻きのオーガ達が盾になってティナの竜巻を防いだのだろう。

 

 その時、いきなりオーガキングが、


「GYAAAAAAAAAAAAAAAA」


 とすごい雄叫びを上げる。

 それと同時に、オーガ達が召喚されてくる。

 『取り巻き召喚』のスキルだな。



「沢山出てきました。それでこそボス戦というものです!」


 セリカは戦意に満ち溢れている。


「私の攻撃で一気に倒しちゃうよ!」


 ティナがそんな事をいいながら、手のひらを上空に掲げて準備を始める。

 火の妖精の力だろう炎の玉が現れ、その炎の玉を風の妖精達の力で圧縮している。

 あれは、砦の城壁をぶち抜いた攻撃だな。

 BOSS戦だし、環境への多少の被害は目をつぶろう。

 俺は、支援魔法を全員にかけつつ指示を出す。


「ティナの攻撃で取り巻きごとオーガキングにダメージを与えたら、近寄ってくるまでマユさんとティナの遠距離攻撃でダメージを与えて、近づいたらセリカが前衛で戦え!」

「了解です師匠!」

「解りました」


 セリカとマユさんが準備を始める。


「ミルファさんはレナさんの護衛と共に馬車の周囲によってきたオーガの排除を頼む」

「わかりました」


 ミルファさんが頷いて鋼の剣を握り締める。


「わたくしは?」

「馬車の中に積んである回復アイテム類の準備をしておいてくれ」

「はい、解りました」


 本来なら、俺も攻撃に参加したいところではあるのだが……。

 シーナにある指摘をされて動くに動けないで居る。

 それは……。


「あんた、家のメンバーのヒーラーでしょう? 攻撃に参加してどうするの!?」


 確かに言われてみると、家のメンバーにヒーラーが出来るのが俺しか居ない。

 セリカなら、初歩的な回復魔法は使えそうではあるが、ヒーラーとしては心もとない。

 回復アイテムで済ますというのも手ではあるのだが……WMOから持ち込んだ品以外は、いささか効果が心もとない。

 ぶっちゃけていうと、俺の回復魔法を使った方が効果が高いし早いのだ。

 ヒーラーのメンバーを追加もしくは、だれかにやってもらうのが今後の課題かもしれない。

 さすがに、ヒーラーがガンガン戦うのはPT戦、特にBOSS戦では危険すぎるしな。

 俺が大怪我を負った時に治療できるのが、レナさんに預けたWMOから持ち込んだ回復アイテムだけってのもな……。

 魔法で遠距離ってのも手ではあるんだが……味方を巻き込まない自信がないからな。

 あと、暴走した時、ティナのフォローを俺がするみたいな、フォローしてくれる相手が居ないからな。ティナ? 論外だ!




「準備完了~~~はっしゃ~~~~」


 ティナが熱量を上げて赤から白になっている炎の玉をオーガキング達の集団に向かってぶっ放す。

 着弾して火の手が敵を包み込む。

 大分離れていたにもかかわらず、防御魔法で結界を作ってガードしてなかったら結構俺たちもダメージを喰らっていただろう。

 相変わらず何て威力だ。

 まあ、攻城兵器と化してたからなあの魔法は……。


「もしかして、ティナさんの攻撃で倒しちゃいました?」


 レナさんがその威力に慄きながら、ぼそりと呟く。


「だったら良いのだけどな」


 BOSSがそんなに簡単には倒せないだろう。俺のそんな思いのままに炎が消えた場所にオーガキングが立っていた。

 取り巻きの連中は、全部消し炭になったみたいだな。

 オーガキングも顔の前で腕をクロスしてガードでもしていたのだろう、両手の二の腕辺りから下が消滅していて、顔以外の場所も黒く炭化している。

 

「一撃で大ダメージの上、腕2本を奪えたかこれなら簡単に――」


 行けそうだとつなげようとした所で、凄い速度で腕が生えてくるのを目撃する。

 炭化した体も直ぐに元の無傷の状態に戻って行っている。


「そんな~~~」

 

 ティナは落ち込んだ声をあげる。

 

 く、これは思ったよりも厄介なBOSSかもしれない。

 下手をすると1撃で即死を狙わないといけないかもしれないぞ……。

 触媒とかがふんだんに有るのであれば可能かもしれないが……その自信はないぞ……。

 それに、あれはしくじったら硬直時間だなんだで、死に戻りがほぼ確定するリスキーな方法でもあるからな。

 流石にこの世界では、相当に追い込まれて一発逆転の手しかないって時ぐらいしかやりたくは無いぞ。



「『マジックアロー』!!」


 マユさんが攻撃を始める。

 そうだ、考えてる場合じゃないBOSS戦は始まっているんだ!


「ティナとにかく攻撃だ。BOSS戦はもう始まってるんだ!」

「はっそうだよ! まだまだ始まったばかりだよ! ここからがボスとの戦いなんだよ!」


 ティナは一度グッと拳を握り締めたあと、オーガキングの方を指差して叫ぶ。


「みんな~~~やっちゃえ~~~~~~~」



 こうして、俺達の始めてのBOSS戦の幕が切って落とされたのだった。 

凶悪な回復能力をもっていたオーガキング。

クロ達はこのBOSSにどう戦いを挑むのか?

次回をお楽しみに……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ