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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第14章 初めてのBOSS戦!
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第5話 予想外

何とか今日も更新できました。

さて、オーガキングとの戦闘が続きます。

彼らが思ってた以上に……。



明日は、忙しいのでもしかしたらお休みになるかもしれません。

申し訳ありません。

 マユさんの『マジックアロー』と、ティナの妖精達の色々ごちゃ混ぜな攻撃が、オーガキングに着弾する。

 

「GYUGAGAGAAAAAA」


 オーガキングの絶叫が響き渡る。

 体のいたるところから赤黒い血を流している。

 ただ、ダメージは与えているようでは有るが、ティナの炎の玉を打ち込んだ時と違って戦闘続行には支障がなさそうだ。


「効いてるよ!」

「でも、あれでは、また直ぐに回復されるんじゃ……」


 マユさんの言う通りだ、さっきのティナの攻撃でも直ぐに回復されたしな。

 それとティナお前はさっきの攻撃の事もう忘れたのか!?

 

「あれ? 回復しないよ?」


 ティナが不思議そうに声を上げるのが聞こえる。

 よく見ると、今度の攻撃でついた傷は直ぐに回復してるわけではないみたいだ。


「何でだ?」

「でも、これなら直ぐに倒せるよ!」


 そうだといいんだけどな。


「あ、オーガキングが!」


 マユさんが声を上げる、立ち止まったまま何をするかと思ったら……。


「GYAAAAAAAAAAAAAAAA」


 オーガキングは怒りに満ちた表情で雄叫びを上げる、これはさっきの『取り巻き召喚』か!

 思ったとおり、オーガキングの周囲には剣やこんぼうなどを持った前衛のオーガが20匹ほどと、弓や投石用の石なんかをもったオーガが10匹ほど呼び出された。

 WMOのゲーム内ではありふれた光景なんだが、この世界だと何処から呼び出してきているんだ?


「きます! 師匠」


 弓や石を持ったオーガが遠距離から攻撃を始め、オーガキングや前衛のオーガ達はその援護を利用して距離をつめてくる。

 

「ティナ! 風の力で飛び道具から皆を守ってくれ!」

「飛び道具?」

「矢や石なんかの飛ばして攻撃する武器だ!」

「ああ! 解ったよ! シーちゃんお願い! フーちゃんとルーちゃんはあいつらに攻撃だよ!」


 ビュンビュン飛んでくる矢や……なんか妙に太い気がするのだが……。

 凄い勢いの石……もう半分岩というんじゃないかと思うのだが……。

 なんかをティナが風の妖精の力でそらしていく。

 そらすといっても、近くに突き刺さったり、着弾するのを見ると肝が冷えるな。


「ひゃあ!」

「レナ大丈夫ですか?」


 驚いたレナさんを心配げに振り返るミルファさん。


「ミルファさん、今は戦闘中だから敵を!」

「わたくしは大丈夫ですから!」

「解りましたレナ」


 そうこうしているうちに、セリカと前衛のオーガ達がセリカと接触する。

 

「くらええええ~~『ホーリーアタック』」


 『ホーリーアタック』……神聖属性の攻撃スキルを連発しオーガをそれぞれ一撃で倒していく。

 オーガは特に神聖属性に弱いとかは無かった筈なんだが……。

 しかし、3体ほど倒したあたりで流石に手数で負けそうになり、『ホーリーショック』……神聖属性の吹き飛ばしスキルでオーガ達から距離をとる。


「く、昨日戦った時より強い気がします!」


 それはたぶん正解だろう、オーガキングが同族をパワーアップさせる能力を持っていたはずだ。


「セリカちゃん~どいて~~」


 ティナが上げる大声に、セリカが反応し後ろに飛びのく。

 反応したというより、何か危機感を覚えて下がったという方が正しい気はするのはどうなんだろう……。


「ノーム君達~~~いっけぇぇぇぇぇぇ~~」


 その声と同時に、オーガ達の足元から石で出来た槍が大量に突き出してくる。

 そのまま、グサグサグサグ……っとオーガ達を串刺しにしていく。

 ただ、オーガキングだけは防御姿勢をとったのか、多少突き刺さりはしても、貫通する事はなかった。


「いまだ! セリカまた取り巻きを召喚される前にオーガキングにダメージを与えろ!」

「了解です師匠!」

「マユさん、ティナも援護だ!」

「はい」

「ええええ~~援護~~~」


 不満そうにするなティナとにかく今はダメージを……。


「『ホーリーーーーーーーーーーーーブレイカーーーーーーー』」


 セリカが今使えるスキルの中で一番攻撃力の高い『ホーリーブレイカー』でオーガキングを切り付ける。

 防御体勢ままのオーガキングだったが、それでも右腕一本を切り飛ばす。


「まだまだ~~『ホーリーアターー」


 連続で攻撃を加えようとしたセリカだったが、オーガキングが振り回した左腕に吹き飛ばされる!


「セリカちゃん!」「セリカさん!」「セリカ無事か?」

「なんとか……」


 それなりにダメージを受けてはいたが、重症という事も無く、直ぐに俺は回復魔法で治療する。

 あれぐらいなら、『ハイヒール』で十分だ。


「オ、オーガキングが!!!」


 と、セリカを治療し終わった所でマユさんが声を上げる。

 慌ててオーガキングの方に視線を戻すと……。


「また回復してるよ!!!」


 ティナの言うとおり、先ほどセリカが切り落とした腕がもう生えてきていた。

 最初にティナの攻撃を喰らった時と同様凄い回復力だな。

 でもなんでだ?

 2度目の攻撃は直ぐには回復してなかった気がするが……。

 攻撃方法で違うのかとオーガキングを見直してみるが、2度目の攻撃の傷もすでに回復していた。

 何だ?

 何か条件があるのか?

 一定以上のダメージを食らうと超回復?

 それとも、一定時間毎に超回復とかか?

 どちらでも厄介だぞ……。

 とにかく今は、敵の様子を見て回復の条件を探るしかない。

 本気で、即死ダメージを一撃でやらなくてはならないのか!?


「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」


 うわ、またさっきの雄叫びだ。

 『取り巻き召喚』のスキルで補充するのか!?

 くっ、オーガ達が次々と召喚されていく。


「なんか長くないですか?」


 

「――AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」


 って、まだ続いているのか?

 それ以前に雄叫びを上げ続けている間召喚が止まらないのか!?


「ティナ! マユさん 大口開けて雄叫びを上げてる口の中に攻撃を叩き込んでやれ! これ以上続けさせるとやばい!」


 召喚され続けているオーガ達がもう50匹を超えている。

 渓谷という地形上大群が運用できないとは言っても、ボスを交えてこの距離で相手し続けるのはきつい。

 ティナの大技とかで一掃したくても溜めが必要だからな、そんな余裕がなくなるぞ。


「『マジックアロー』」

「いっけ~~みんな~~~」


 マユさんの『マジックアロー』がオーガキングの口に見事に着弾して、雄叫びが止まる。

 ティナの妖精達による攻撃は、オーガキングとその周辺のオーガ達に降り注ぎ、周りのオーガ達は焼かれ、切り裂かれ、貫かれ、凍らされそれぞれ命を落としていく。

 う~ん、ティナもう少し命中とかを……まあ、結果オーライか。


「師匠! またオーガの傷が回復していってます!」


 な、マユさんの『マジックアロー』で受けた顔の傷が直ぐに回復していく。

 さっきの攻撃からそんなに時間はたって無かったはずだ。

 と言う事は、一定時間毎の超回復ではないのか!?

 大ダメージってのも違う気がする。

 マユさんの攻撃は口に命中してたけど、そこまで酷いダメージは与えた感じじゃなかった。

 ただ、あの程度のダメージを受けた時点で超回復するとかだと結構やっかいだな。


「セリカ、ティナ、マユさん、とにかくオーガ達を削れ! この数はやばい。ミルファさんも馬車に近づいたのは積極的に倒していってください。馬車とレナさんは俺が守ります」

「わかったよ」

「了解しました」

「わかりました師匠」

「はい!」

 

 く、雄叫びを止められたとはいえ、70~80は居るぞ!

 俺の魔法で一網打尽に……だめか……渓谷なんかだと衝撃波が逃げにくいから、もろ皆を巻き込みかねない。

 かといって防御ができそうなのはティナの妖精達だけだろうし……不安がぬぐえないな。

 

「って、こっちまで!」


 俺は馬車から飛び降りて近寄ってきたオーガを切り捨てる。

 流石に持ち込んだ武器だけあるな、何の抵抗も無く切り裂ける。

 それにしても数が多いな乱戦気味になってきたな。

 これだと皆大技とか範囲攻撃が打ちにくい。


「いっけ~~~みんな~~」


 一人、考え無しが居たようだが……。

 って、まずい!

 俺は慌てて皆に防御魔法を重ね掛けする。


「うわ! ティナさん!」

「あ、危ない!」


 マユさんとセリカさんが範囲に巻き込まれかけたようで文句を言っている。

 俺は、わらわらと近寄ってくるオーガを数匹まとめて切り捨てながら打開策を考える。


「セリカさん!」


 レナさんが鋭く声をあげる。

 いつの間にかセリカの後ろにオーガキングが近寄ってきていた。


「ぐ!」


 セリカはかろうじてオーガキングの豪腕を避ける。

 

「今度はこっちの番だ!『ホーリーレイカー』!」


 彼女は、オーガキングの攻撃直後の硬直時間を利用して反撃に出る。

 だが、それに何とか反応したオーガキングは、攻撃を腕で受け止める。

 

 さっき防御を固めていた時でも腕を切り飛ばせたんだ、今更そんな防御で守れる筈がない。

 俺も、攻撃したセリカ自身もそう思っていた。

 しかし……。


「そ、そんな!?」


 セリカの『ホーリーレイカー』がオーガキングの腕に半分ほど食い込んだ状態のまま止められていた。

 

「セリカ! 戻れ!」


 慌てて俺が声をかけるが、間に合わない。

 腕に切りつけた状態のセリカごと腕を振り地面に叩き付ける。


「ぐはぁあ」


 セリカが口から血を吐き出す。


「まずい、ミルファさん馬車お願いします!」

「わ、わかりました」

「レナさん、薬の準備を」

「はい」

「マユさん、ティナ援護頼む!」

「解りました」

「わかったよ!」


 俺は、『フル・ヒール』の詠唱をしながらセリカのほうに近寄っていく。

 『チャージ(M)』のスキルで一気に距離をつめる。

 『並列思考(M)』のマスタースキルがあるので、魔法詠唱しながらのスキル発動をすることは出来るが、色々ペナルティが重かったりする。

 まあ、今はそんな事を言っている場合じゃない。

 一気にセリカに距離をつめた所で、『体当たり(M)』のスキルでオーガキングをふっ飛ばし、セリカに駆け寄る。

 『体当たり(M)』は、敵を大きく吹き飛ばせる半面自分自身にもダメージを受ける使いにくいスキルだがそうも言ってられない。


「『フル・ヒール』」


 直ぐにセリカの傷が回復していく。

 どうやら間に合ったようだ。

 しかし、セリカの鋼の鎧は殆ど砕け散っている。

 いかにひどいダメージを受けたかわかる。


「ティナ! 妖精さん達にセリカを馬車まで運んでもらってくれ!」

「わかったよ~」


 と、そのままポーンという感じでセリカが馬車の方に飛ばされていく。

 おい、治療したとはいえ、怪我人だったんだぞもうちょっと……。

 なんて突っ込みを入れたくなるが、そんな時間もない。

 オーガキングが俺の方に向けて突っ込んでくる所だった。


「ちっ」


 俺は慌ててそれを避ける。

 ここは一度引いた方がいい。

 起死回生の博打が必要なほど追い込まれる前に逃げるべきだ!


「ティナ、マユさん、ミルファさん、馬車に乗り込め! 一旦引くぞ! あと、援護も頼む!」

「ええええ~~~逃げるの!?」

「わかりました」

「ですが、馬がおびえて……」


 ティナは放って置く、問題は馬か、しょうがないアレを使おう。


「レナさん、馬車に入れておいた薬の中から、赤い薬ビンを馬にかけてください」

「赤、赤、赤……あ、ありましたこれですね!」


 レナさんがそのまま馬に赤い薬をかける。

 変化は直ぐに現れる筈だ。


「ミルファさん、馬が直ぐに走り出すから直ぐにUターンさせて!」

「え? わ、わかりました」


 薬をかけられた馬が少しずつ赤く染まっていく。

 早く戻らないと置いてかる、急がないと。


「こ、こっちです! 来た道を戻りなさい!」

 

 ミルファさんが興奮して暴れだした馬をどうにか制御使用と苦心している。

 いや、制御しなくていい、来た道を戻らせればいい。

 あとは、爆走……暴走させればいい!

 あの薬はそういう薬だ!

 

「制御よりも、とにかく方向転換を!」

「は、はい」


 何か凄い無理やり馬車を方向転換させる周りのオーガも何匹か巻き込んでいるぞ。

 って、そんなこと考えてる場合じゃない!


「クロさん! 急いで!」


 レナさんが手を伸ばしてくる。

 今まさに爆走しそうになる馬車に何とか追いつき手を伸ばす。

 

 パシン


 俺の手とレナさんの手がしっかりと握られ……。


「ああ~~」


 レナさんごと一緒に落っこちそうになる。

 やばい、そう思った時。


「レナちゃん!」


 ティナが妖精の力で、引っ張り上げ……じゃなく馬車の中に俺とレナを叩き込んだ。

 

「うぐぅ」

「痛いです……」


 でもまあ、何とか逃げられそうだ。

 追いすがるオーガ達がどんどん小さくなっていく。

 渓谷の入り口の方向には、来る時に殲滅したためにオーガ達が居ないのも助かったな。




「ところで、どうやったら止まるんですか?」


 あ、そうだバーサクポーション……例の赤い薬の事を忘れるところだった。

 WMOではプレイヤーに使うと、凶暴化させてバーサク状態にする薬だったが、動物系の乗り物に使うと、方向を決めたらひたすら猛ダッシュする薬だったりした。

 ゲーム中では敵陣の真ん中を敵を蹴散らしながら突き進んだり、逆に逃げたりするような使い道をされていたが……。


「安全圏に行ったら、馬を気絶させるか眠らせて止めるしかない!」

「「「「え゛!?」」」」


 皆の顔が青く染まる。

 まあ、ティナだけは凄く楽しそうなんだが……。 


「ティナ、風の力でブレーキをかけろ!」

「ブレーキ???」

「向かい風が吹くと進みにくくなるだろ! アレを強くした感じだ」

「おおお~なるほど~」


 ティナが風の妖精の力でブレーキをかけて速度が緩まったのを見計らい。

 馬に『スリープ』の魔法をかける。

 出来るだけダメージが無い様に防御魔法を馬や馬車にもかける。

 何とか……。


 馬は、眠りに落ちつつふらつき、急に進路を変えたため、馬車ごと横転する事になる。


「ぐぐぐぐ……」

「皆大丈夫ですか?」

「――――」

「何とか生き残れたか?」

「い、いきてます……」


 マユさん、ミルファさん、レナさんは無事のようだ。

 セリカはさっきからずっと気絶したままだったので、もう一度『フル・ヒール』をかけておく。

 最後にティナはと言うと……。


「すっご~~~い。面白かった~~~」


 うん、凄く楽しそうでよかったな……はぁ。


 

 


次回は……反省会? なのか?

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