小林弥生②
休み時間、僕はずっとトイレにいた。
次の授業が始まるまで、ずっと。
「……僕なんかと一緒に居たら……ダメなんだ…… 」
小林さんと、隼人くんが幸せになれるように…。
《キーンコーンカーンコーン……》
チャイムが鳴った。教室へ戻らなきゃ。
この時間はLHR。
「はい、じゃあLHRの1時間を使って、席替えをします!」
ルーム長が仕切って席替えを始めた。
席替えの提案をしたのは僕。
隼人くんの隣にいたら……協力できないから……。
「なぁ、和。お前休み時間の度にどこ行ってんだ?」
「え、ちょ、ちょっとお腹の調子悪くてね……」
「え、大丈夫か!?それ!?」
「大丈夫だよ……」
「しかも席替えかあ……今の席で充分なのに。」
「そ、なの?」
「だって和が隣だし、一番後ろだし。快適じゃん」
その言葉、嬉しかった。涙が出そうだった。
「隼人くん!僕ね……」
「どうした?」
《協力してくれない、?》
「あ……」
《私、秋山くんのことが好きなの。》
「え……」
「和……!?」
「なんでも、ないよ……」
「はいじゃあ次!秋山くんクジ引いて〜!」
ルーム長に呼ばれて隼人くんが教卓へ向かった。
「小林さん……笑顔だな……」
これで、良かったんだ。これで……。
席替えの結果、僕は窓側の一番後ろ、
隼人くんは廊下側の一番前、
小林さんは隼人くんの後ろの席になった。
「……。」
本当は僕と小林さんの場所逆だったんだ。
でも、変えてもらった。
放課後、HRが終わると僕はすぐに教室を出た。
多分、教室出るのは一番最初だった気がする。
****
近くのスーパーで買い物して家にむかっていた。
「なごちゃん、?」
突然後ろから声をかけられた。
「え……?」
後ろを向くと、うちの学校の制服だった。
「やっぱ、なごちゃんだよね……?」
「え、誰……?」
「あたしだよあたし!幼なじみの篠原栞夏!」
「栞夏ちゃん……か……」
名前を聞いて思い出した。たしかにこの子は幼なじみの栞夏ちゃんである。
「なごちゃん久しぶりだね!元気にしてた?」
「僕、用事思い出したから……帰るね!!!!」
僕は走って家に帰った。




