小林弥生①
隣で隼人くんが寝ている。
僕のことを思って泊まってくれた。
「……隼人くん……」
隼人くんの手を握る。
「ん……和……?」
寝ぼけてるのか起きてるのか分からないけど、手を握り返してくれた。
「……ごめんね、隼人くん……」
僕は隼人くんにキスをした。軽く触れる程度の。
「気持ち、悪いよね……」
同性を好きになるなんて……気持ち悪いよね。
僕は隼人くんから手を離し、携帯を開いた。
「……こんなの……おかしいよね……同性好きになるとか……気持ち悪いよね……」
隼人くんにバレないようにしないと……。
隼人くんに背を向けるようにして僕も眠った。
****
次の日の朝僕らは一緒に登校した。
ほとんど、無言で。
学校に付くとルーム長に声をかけられた。
「仁科くん、ちょっといい?」
「え、あ、うん……」
僕らは廊下に出た。
「仁科くん、今日は遅刻しなかったんだね。
あと2回遅刻したら反省文で、あと5回遅刻したら保護者呼び出しだから、気を付けてね?」
「保護者……呼び出し……」
僕は両親がいないのに……?
「仁科くん?」
「あ、いえ……教えてくれてありがとう。ルーム長さん……」
「ふふふ。私の名前は小林弥生よ。改めてよろしくね。」
「……あ、はい……」
「それと……これは個人的なことなんだけど……」
「はい?」
「秋山くんと仲いい……よね?」
「え、ま、まぁ?」
「私、秋山くんのことが好きなの。だから……協力してくれない、?」
「協力……?」
ルーム長が、隼人くんのことが好き……?
これは……………チャンス、かも、?
「い、いいよ……協力するよっ!」
「ほんと!?ありがとう仁科くん!」
僕らは教室に戻った。
「おかえり和。話長かったけど何かあったの?」
「え、あ、うん。もう何回も遅刻出来ないって言われてさ。」
「あー、お前相当遅刻してるもんな。」
「えへへ……」
これで隼人くんは……………幸せになれる。




