和と隼人
俺らはしばらく無言だった。
話しかけたら、話したら、何かが壊れそうで。
(ぐぅ〜……)
朝飯食べてないから腹減った。
「ふふふ……秋山くんお腹空いてるんですか?」
やばい。バレた。聞こえてた。
「簡単な物で良ければ作りますよ?」
「ほんと!?」
「ちょっと待っててください。」
仁科はキッチンに向かった。
しばらくしてお皿を2つ持って戻ってきた。
「こんなものしか出来ないんですが。」
「ありがとー」
俺の好きたらこスパゲティだった。
「お茶持ってきますね」
コップを2つ持ってきて目の前に座った。
『いただきます。』
「あ、うまい……」
「そう言ってもらえて嬉しいです♪」
あまりにも美味しくてすぐなくなった。
ほとんど俺が食べたせいで仁科はあまり食べられなかったと思う(そこはごめん……)
夕方まで俺らは話していた。
「秋山くん、そろそろ名前で呼んだ方がいいかな」
「そうだなー。友達だし。名前なんだっけ?」
「和です。漢字そのまま。」
「俺隼人。」
「隼人くんっ。」
「お前が呼ぶと女みたいだなw」
「馬鹿にしてるの?!」
「してねーよ。ただ、お前女みたいに可愛いからさ。」
「……ありがと。」
「どしたよw」
「あき…隼人くん」
「ん?」
「何でもない。今日はありがとね。」
仁科……和は朝よりも元気になっていた。
よく笑うようになった気がする。
****
結局俺は和の家に泊まった。
帰ろうと思ったんだけど、和を1人にしたくなくて。
心配だったんだ。おばさん達の会話を聞いたから。
「和は、中学生から1人暮らしなんだっけ?」
「そうだよ。その時から、ずっと。」
「自分の体を使ってるってこと?」
「僕は汚れている。心も体も何もかも。」
「そんなことない!!!!」
「……隼人くん……?」
「もし汚れてたとしても和は和だろ。」
「……ありがと。」




