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和の過去

その日の夜、俺は仁科に何かメールを送ろうと思いひたすら悩んでいた。


「何送ろうかなー…」

送る用事もないから余計に。


「仁科……かぁ。」

腕掴んだ時に想ったけど、細かったなぁ。

同じ男なのに、な。


「ってか何で俺こんなにも仁科のことばっか考えてんだ!? 」

仁科のことで頭がいっぱいだった。

自分でも気持ち悪いと思えるほどに。




****



次の日の朝、あのラブホの前を通って学校へ行こうと思い歩いていた。

すると仁科があのラブホから出てきた。


「仁科!」

仁科は少しビクッとしてこっちを見た。


「あ、きやまくん…」

仁科の顔色は悪かった。


「お前、顔色悪いぞ?大丈夫か?」


「大丈夫、だよ。」

ふらついてるようにも見えた。


「仁科、今日学校行くのやめよーぜ。家まで送ってく 」

家、と聞いた瞬間、手を振りほどいた。


「家はイヤだ!」


「仁科……?」


「あ、ごめんなさい…」


「家で、何かあるのか…?」


「ううん、何でもない…」

俺は仁科の案内で、あいつの家に来た。

アパートだった。


「ここが仁科の家?」


「……うん。」

アパートの2階の一番奥が仁科の家らしい。

階段のところでおばさん達が3人くらいで話していた。




「和くんよ。珍しく家に帰ってきたのね。」

「合わない間にまたゲッソリしちゃって。」

「和くんも大変よねぇ。旦那さんは不倫して子供作って逃げられて、奥さんはそれをキッカケに男を探すようになって。」



会話が聞こえたのか、仁科は震え始めた。

「仁科、?」


「行こう、秋山くん。」

仁科は涙を浮かべながら家へ案内してくれた。


「僕の家だよ……狭くてごめんね……」

ひとり暮らしなのか、綺麗に片付いていた。


「なぁ、仁科。さっきの話……………」


「本当だよ。」


「え……!?」


「本当はね、誰にも知られたくなかった。でも、聞かれちゃった以上話さなきゃね。」



*****


3人家族で、昔からこの家に住んでいた。

お父さんは遅くまでサラリーマンとして働いていた。お母さんは朝から夕方までパートとして働いていた。


お父さんが帰り遅いのはいつもの事だった。

でも、それが毎日続いて、しかも帰ってくるのが夜中から朝方だった。

気になったお母さんはそれを問い詰めた。


そしたらお父さんは不倫していた。そして、その相手の人のお腹の中には赤ちゃんがいると。

お母さんは激怒した。お父さんが不倫した理由はお母さんには最近魅力を感じれなかったから、だそう。お父さんはそのまま家を出ていった。



お母さんはしばらくは泣いていた。だから僕が慰めた。お母さんは涙を浮かべながら笑ってくれた。その後お母さんは急変し、色んな男の人を家に連れてくるようになった。

お母さんと男の人は裸で抱き合って、それが終わるとお母さんはお金を持っていた。



小学校高学年の頃、僕にも被害が来た。

無理やり口の中にいれられた。苦しかった。

でもお母さんはこうしないと生活出来ない、って。

僕が中学生になった頃、僕に携帯を買ってくれた。

そしてその後から、お母さんは家に帰ってこなくなった。



中学生の僕はアルバイトが出来ない。

お金を稼ぐ方法は自分の体を使うことしか知らない。だから僕は自分の体を使って、お金を稼いでこの家の家賃などを払っている。



*****



「これが僕の過去だよ。」


「……に、しな……」

俺は、何も言えなかった。

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