出会い
俺の名前は秋山隼人。
高校2年。普通の高校生。
「秋山くん、まだ、来てない?」
クラスのルーム長に声をかけられる。
「うん、まだ来てない。」
隣の席のやつが1年の時からだけど、ほぼ毎日遅刻している。
「……遅刻遅刻って反省文書きてーのかよ。」
別に隣の席の奴と仲いい訳ではない。
ただ、1年の時からクラスが一緒で、席も隣なだけ。
……ただそれだけ。
2限目の後の休み時間、隣の席の奴が来た。
「お、おはよう。」
「やっと来たのか。ルーム長が心配してたぜ。」
「えっ、あっ、うん。ごめんね……」
「いや、いいけどさ。」
こいつの名前は仁科和。
一応、男。見た目は凄い女みたいだけど。
色白くて、声も高くて、細くて……。
「秋山くん、ノート見せてもらってもいいかな?」
「いいよ。ほら。」
「ありがとう。すぐ書いちゃうね! 」
仁科はノートを書き始めた。
「……ん?」
仁科から少しツン、とした匂いがした。
ぶっちゃけ俺は何度か1人でやったことがある。
だからこの匂いは何の匂いなのかはよく分かってる。
まさか、こいつも?
「なぁ、仁科」
「ん?どうしたの?」
「お前、1人でやってて遅刻してんのか?」
「へ!?」
仁科が凄い勢いで驚いた。的中か?w
「あっ、えと、ち、違うよ!いきなり何言ってるのさ!!」
仁科は顔を真っ赤にしてノートを書き直した。
その手は少し震えていたような気がした。
*****
放課後、俺は仁科の後をつけてみた。
ストーカー行為だってわかってる。でも、気になった。
仁科はポケットから携帯を出し、耳に当てた。
少し会話した後、ホテルの中に入っていった。
「え、ここ!?」
入っていったホテルはがっつりラブホテル。
まさか、女か!?女とここでやるのか!?
俺でさえまだ立派なDTなのに!!!?
「待て仁科ー!!!」
全力で走って仁科を止めた。
「ふぇ!?秋山くん!?どうして!?」
「おま、高校生が何ラブホなんか入ってんだよ!俺だって入ったことねーのに…」
「……お仕事ですよ。」
「仕事、?」
「仕事が終わったら今日はここに泊まるんで、秋山くんも一緒に泊まりますか?」
「……え」
「まぁ、お仕事してる間は別室に居てもらいますが。」
泊まれば……仁科のことが分かるかもしれない。
あれ、そもそも俺、なんでこんなに仁科につきまとってんだ?
「秋山くん?」
「あ、えと、今日は、やめ、と、くよ。」
「いいの?じゃあ僕行くね」
「待って!!」
「どしたの、秋山くん。なんか変だよ?」
「連絡先教えてくれよ」
「いいよ。」
仁科と連絡先を交換した後、仁科はラブホに入っていった。
仕事、ねぇ。もしかしてラブホでアルバイト…!?
そのついでに綺麗なお姉さんと!?
「なんで俺、こんなにも仁科のこと気にしてんだよ…」
俺がこのモヤモヤの原因に気付くのはもう少し先の話。




