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マネージャーと呼ばないで。

優しくした後、怒ったり。

怒った後、優しくしたり。

殴ったり。泣いてたり。抱きしめたり。

「あでっ。」

うりぼーの毛の手触りに似ていると言われた相沢くんに追悼の意を心の中で示していると通りかかったクラスメイトたる三村に頭をぺしっとたたかれながら声をかけられた。

「舞香とマネージャー。そろそろ昼休み終わるよー」


「やべっ。もうそんな時間かよ。つか、マネージャーって言うなし!」

そう言って三村を恨みがましく睨め付けるが、みんなに浸透しているあだ名なので無駄だろう。


「そうだよ。マネージャーじゃないよ。まーちゃんだよ!」

元はと言えばお前が原因でもあるんだけどな……。と思ったがそれも今更の事である。


「はーい。どうでもいいから急ぐ! クラス委員の私まで遅刻したら評価が下がるじゃない!」

三村は眼鏡に三つ編みという少し昔の定番な委員長スタイルだが言葉はかなりキツイ。ちなみに本は漫画しか読まない似非委員長だ。委員長キャラなら中身までいいんちょういいんちょうしとけよな。


「わかったよ。委員長さま。私らは急ぐけど、委員長さまは廊下は走るなよ?」

と言い舞香の手を引いて走り出す。

「私らは悪い子だから走るのだーー」

舞香もノリノリで走ってる。



「走ってるんじゃなくて小走りならいいのよ!」

おい、三村のヤツ私らより早く走ってるじゃねーかよ……。



きりーつ。礼。

「「「よろしくお「願いしまーす」」」」

ガラーと扉を開けて『よろしくお願いします』の声に割り込む。


「なんとかまにあっ――」

「はいそこ二人。間に合ってないから。やり直し」


「はぁ? 間に合ってただろ今の!」

「遅刻扱いにしないだけありがたいと思え」

ちなみに三村は先に着いて知らんぷりをしている。


「浅田先生のケチー」

教師に『はぁ?』と言う私も私だが、『ケチー』と言ってのける舞香も大概だ。


「二人ともいつまでも小学生気分でいるんじゃないぞ。もう夏になってるんだからな、いい加減に慣れてもらわなきゃ困るぞー」

浅田先生は若くまじめだが、融通が利かないわけではないし優しい先生なので私ら二人の発言にも目をつむってくれる。それをわかっているからこその態度でもあるわけだが……。


「はーい。遅れてすみやせんした」

「したー」


「まあいいや、座れー。授業はじめっぞー」

いい担任の先生だと思うよ。割と。




中一の算数ってどうしてこうも退屈なのだろう。

 浅田先生が時折、チョークで黒板にカッカッと音を立て数式を描いていくがちんぷんかんぷんである。比例はまぁかろうじて解るが、反比例に移ってからはワケワカメである。

 先生は好きなんだけどねー。数学は好きくないわー。


「えー。この様にxが大きくなると、相対的にyは小さくなり――」

yの小さくなること私のやる気の様である。

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