転生1
毎回言ってるような気がします……。
更新が遅くなって申し訳ありません。
毎日少しずつ書き溜めているので、整合性の取れていない場所などありましたら、
生温かい目で見て頂けると助かります。
本日中にもう一話投稿出来たら、と考えています。
魂を解き放たれ、自由を取り戻した伯爵と半ば錯乱した優男。
この二人の対決に波乱など起きる筈も無く、優男は細切れの一歩手前辺りまでズタズタにされた。
業物だろうとは思っていたが、恐ろしいまでの切れ味だな。
俺の知識と言うか、持っていたイメージだと西洋剣ってのは、そんなに切れ味鋭いもんじゃなかった気がするんだが……。
まぁ、今更か。
魔法だの何だのが存在する世界なんだし、異常な切れ味の剣があっても変じゃないよな。
…………、思考がずれてるな。
ブレオベリスの行動に俺も少なからず混乱しているんだろう。
娘が刺された瞬間、ブレオベリスに目を向けるとこちらに向かって頷いていた。
それを見て何か考えがあるんだろうとは思ったが……。
まさか、一度は奪った伯爵の魂を開放するとは思わなかった。
面白い見世物ではあったが……。
しかし、どうしたものか。
当初の予定では、伯爵の身代わりに娘が皇国へ戻り、相対的に弱体化するってのが狙いだったんだがな……。
蓋を開けて見れば、伯爵は健在であり。
本来死ぬ筈だった二人が順当に死んだだけ。
このままだと、ただ無駄に時間を浪費しただけって事になる。
まぁ、ブレオベリスにも何か考えがあるのだろうし、任せてみる事にしようか。
特に差し迫っている事なんて無いしな。
相変わらず、王女からとみられる攻撃は散発的に続いているが、それだけだ。
あの程度の攻撃でダンジョンはビクともしないし、攻撃が続いている限り王女本人が侵入してくる
心配も無い。
自分の考えに耽っていると、ブレオベリスがこちらを見ている事に気付いた。
『お前に任せる』
そんな意志を込めて頷いてやると、嬉しそうな表情を見せた。
いや、そんな気がしただけなんだけどな……、髑髏だし……。
娘の亡骸を抱え、呆然とする伯爵に向かいブレオベリスがゆっくりと歩みを進めて行く。
伯爵の周囲には部下達も居たが、近づくブレオベリスに注意を払う者は居ない。
「残念な結果になってしまいましたな。」
ピクリと伯爵の肩が動き、ゆっくりこちらへと体の向きを変える。
「貴殿らには……、感謝しております。一目会う事も、こうして抱き締めてやる事も出来ました。ですが、定命の者の定めとは言え親よりも先に逝くとは親不孝な娘ですな……。」
後半の言葉は呟きに近く、どちらかと言えば俺達に聞かせる為の言葉ではなかったように思う。
「娘の仇をこの手で果たせた事、感謝致します。十二分に別れも済ます事が出来ました。最早、思い残す事も御座いませぬ。契約を履行する事と致しましょう。」
「デルメトス様!それは!」
「いけません!」
伯爵の言葉に部下達が口々に諫めるが、寂しそうな表情のまま首を振る。
「元より、イザベルと私の交換の約束。そしてダンジョン側はその約束を違える事無く娘を連れて来てくれたのだ。その時点で契約は成立しておる。そして、私の魂は一度その対価として差し出された。今、私が動けているのはあちら側の慈悲に依る所が大きいだろう。」
「そ、そんな……。」
「うぅ……。」
多少はゴネるかとも思ったが、思いの外あっさりしているな。
やはり、俺の受けたイメージ通りに『敵に回すと厄介』な人物だ。
皇国や軍を動かせるだけの力があるかは分からないが、少なくとも先程の優男やリヴィアスに居た様な馬鹿貴族なんかとは比べ物にならない影響力を持つだろう。
その脅威が俺に届くかは別の問題としても、アルスローと皇国を同時に相手取るのは得策とは言えない。
今は特に、だな。
どうしたものかと考え込んでいる横で、話は進んで行く。
「ふむ。それは殊勝な心掛け。だが、不可抗力とは言え、余計な異物を連れて来たのはこちらの過失でもある。細やかに契約を交わした訳では無いが、少々こちらとしても面白くないのは確かだ。そこで提案がある。」
「提案……?」
「そう。提案だ。このまま其方の魂を奪っては、我がダンジョンの沽券にも関わる。あのゴミクズを操って娘の命まで奪ったなどと吹聴されるのも困ってしまうのでな。」
「それでは、どうしようと……?」
「簡単な事。それは…………。」
二人組の親子とその配下の者達がダンジョンを出て行こうとしていた。
一人は壮年の男性で、白に近い銀の髪。そして、見事な武具を身に纏った堂々たる姿の武人。
もう一人は無邪気な笑顔を浮かべ、壮年の男性に手を引かれる女の子。
歳は十にも満たないであろうその子は、陽の光を受けてキラキラと輝くプラチナの様に綺麗な銀の髪を持っていた。
「これで、宜しかったでしょうか?」
「良いんじゃないか?あの時にお前に任せたんだ。全てはお前の思う通りにすれば良い。」
「はっ。ありがとうございます。」
「それと、ベリスも苦労掛けたな。」
「勿体無いお言葉で御座います。」
「それから、良く戻った。」
読んで頂いてありがとうございます。
評価・感想など大変励みになります。
また、誤字や脱字・矛盾点の報告など、本当に助かっています。
感想への返信など遅れ気味になっていますが、全て読ませて頂いています。
目から鱗な意見など、とてもタメになります。
勿論、単に「おもしろい」「つまらない」なんて意見も、
嬉しいもんです。
モチベ維持に繋がりますね。




