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転生2

本日二話目です。

前話タイトルが以前の物と被っていましたので、

修正させて頂きました。


『死者蘇生』

死と生への冒涜であり、この世界で最悪・最大の禁忌とされている。

使用した例や記述が古い文献に残っていたりするらしいが、実際の所はそんな魔法や神の奇跡なんて物は無い。

いや、正確に言うなら『無くなった』と言うのが正しい。

神がまだこの世界を見放していなかった頃、信仰心篤い者や過去の勇者が使用したらしいが、今となっては、その願いが神に届く事は無く、物語の中だけの物に成り下がった。

その為にあの娘を救う為にはベリスの手を借りるほかなかったのだ。


対外的には、な。


なにせ、俺の種族はダンジョンマスターだ。

対価となる魔力さえ用意できれば、不可能な事など殆ど無い。

ただ、肉体的損傷が原因で命を落とした場合、それなりに厄介な事は確かだ。

肉体と魂と言う物は密接に結び付いていて、肉体が傷付けばその度合いに応じて魂も傷付いていくのだ。

ましてや、命を失う程の傷を負った場合においての魂の消耗・損失など推して知るべき、と言うやつだろう。


つまり、何が良いたいかと言うと死者蘇生は面倒な上、その後においても問題しか引き起こさないと考えられるって事だ。

権力者にとって、不死や永遠の命なんてもんは垂涎モノだろうしな。


それもあって、あの姿って訳だ。

イザベルとか言ったかな?あの娘はもはや人間じゃない。

種族的に言えば人工魔法生物になるのかな?ホムンクルスの亜種ってやつだな。

俺やダンジョンに対して敵対する事も出来なければ、これ以上外見的に成長する事も無い。

さらには定期的なメンテナンスも必須となれば、もはや伯爵がこちらに敵対する事は無いだろう。


彼の様な武人であれば、娘の命だろうと国や矜持を秤に掛けて捨てる決断をする事も十分に考えられる。

だが、その為の保険も既に仕込んである。

ブレオベリスが最初に彼の魂を奪った際に、文字通り魂に刻んだらしい。


しかし、あの場で俺とブレオベリスの意志疎通と言えば、二度ほど頷き合っただけなんだがな……。

優秀すぎて恐ろしい。

そして、自らの成果を誇る事無く、むしろ俺の手柄のようにやめて欲しい。


何のことか分からないのに、部下達に絶賛される俺の身にもなってみろ……。

頼むからそんなキラキラした目で、俺を見るのは止めてくれ、カタリナ(・・・・)


死者蘇生は厄介。

この認識は変わらない。

だが、このダンジョン内に限っては違う。

元々が魔力を用いて生み出し、召喚したのだ。

新たに魔力を用意して器さえ用意してしまえば、蘇生は容易だ。

厳密に言えば蘇生では無いか?再召喚と言った方が良いのかもしれない。


だが、無制限に繰り返せるほど便利な物でもなく、ペナルティ的な物も存在している。

ランクと言うべきか、位階と言うべきか。

種族としての力が一段下がってしまう。

再召喚に消費する魔力も新たに召喚する事に比べると、倍近い量を持って行かれるのだ。


能力も下がり、召喚にかかるコストも増える。

普通であれば、新しく呼んだ方がコストパフォーマンスも良いのだが、この件に関しては俺のミスだからな。

甘んじて受け入れよう。

そして、彼女達を見る度に思い知る事になるだろう。

自分の不甲斐なさや、油断。

決して忘れる事は無い。


カタリナ達が戻ったとは言え、あの国を許す理由にはならない。

こっちは人の物に手を出されて、腸が煮えくり返りそうなんだ。

アルスロー王国は徹底的に潰す。

毎日毎日、景気良くダンジョンに向かって魔法をぶち込んでくれるクソ王女。

あっさりと楽になんてさせてなるもんか。

必ず後悔させてやる。



私が目覚めた時、目の前には敬愛してやまない我らが主人が居た。

私の隣には、何やら不思議な気配のする銀髪の娘も居たが、些細な事だ。

しっかりとその御姿をこの目に焼き付けなくては…………。


「俺の事は覚えているか?どうだ?カタリナ。」

「私達が敬愛してやまない御主人様の御尊顔を忘れる事など、天地が逆さまになろうとあり得ません!」

「そ、そうか……。そ、それは良かった……?」

「はい!」

「まぁ、今は少し立て込んでいるからな。後でゆっくりと時間を取る事にしよう。」

「光栄に御座います。」


あぁ……、何と気品あふれる御姿……。

濃い闇色のような黒髪に、全てを見通すかの様なその黒い瞳。

そして一枚の絵画の様に美しく凛々しい立ち姿。

この様な近くに居る事が許されるなど……、もしや夢!?

これが夢でないのであれば、もう死んでも良い……。


そう言えば、何故私は此処に?

あの時確かに私の体は消滅した筈。

デーモンの特性故に、身体が消滅しようと魂まで消える事は無いとは言え、この様に短時間で現世への受肉を果たす事などあり得ない。


私同様に、消滅した筈の者達は皆戸惑っているようだった。

銀髪の娘を親元へ帰す為の移動中に、レオニードから事の顛末を説明された。

何と我が身の不甲斐ない事か……。

あっさりと滅ぼされた挙句、ご主人様の手を煩わせてしまう等……、臣下にあるまじき行い……。


他の者も同じような考えの様で、一様に表情を暗くしている。

何としてもこの雪辱は雪がねば……。


銀髪の娘を白髪の男の元へ送り届け、親子とその一行がダンジョンから出て行った後、ブレオベリス様達へお褒めの言葉を掛けていた。

何と羨ましい事か……。


だが、そんな浅ましい考えを持っていた、私如きに向かってご主人様は仰ったのだ。

「よく戻った。」と。


あぁ……、何とお優しいお言葉……。

不甲斐ない私達ですが、より一層の忠誠を捧げます……。


慈悲深く、心優しき私達のご主人様…………。







読んで頂きありがとうございます。

評価や感想など大変励みになります。


誤字や脱字・矛盾点などありましたら、

教えて頂けると助かります。


遅筆ではありますが、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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