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あの日あの時見たものは 後編

どうも 魁です。

だいぶ期間が空きましたが、楽しんでもらえると思います

 国王と魔王は、2人で和解し何とか手をとることが出来た。

 これもまだ誰にも話してないからという理由と、2人が心から自分の国を愛し民を愛しているからだと思う。

 条約を結んでも事態は当然そう簡単では無い。

 例えば、自分の肉親を遊び半分で殺されればその怒りはどうなるだろうか。

 例えば、何も知らない子供を仇と言われ何が何だかわからないまま殺されればどうなるだろうか。  

 例えば、みんなを苦しみから救うために一方を悪として争い続けたらどうなるだろうか・・・


そんな訳だからいきなり2人で「条約を結びました!みんな仲良くね!」なんて言われて誰が納得するだろう。

秘密裏に行われた集まりは、私と王と魔王によって行われることとなった。

何を話しているかと言うとほとんどのないようは民をどう納得させるか。ということだった。

この話がどうやっても解決にならない。それでも2人は平和を信じて手を取ろうとしている。

そんな時、ふとこんな話になった

「吾輩にも、娘がいるのだ。

それはそれは小さい命だった。その頃は魔王とは呼ばれていなかったころだ」

と、ゾルディアがそんなことを言い出した。

内容はなかなか悲しいものだった。

ゾルディアがまだ魔王と呼ばれていない若かりしころ。勇者もいなく自分が強いと確信しなんでも出来ると思っていた頃らしい。

その時愛したゾルディアの妻アイラとの間に出来た子供がフレージュだった。自分に勝てるものもいない。好きなことも出来る。そんな夢のような生活は長く続かなかった。

ゾルディアが最強の座につきすぐのこと、まだ魔王とは呼ばれていなかったためかゾルディアをよく思わないやつが勝負を挑みに来たらしい。

もちろん勝てるわけもなく簡単にやられるのが落ちだった。そんななか、ある魔物がフレージュを攫いゾルディアに最強の座をよこせと言った。

ゾルディアはなによりも娘を愛していたそのため最強の座なんてどうでも良かった。その時は直ぐに頷き「そんなものはくれてやる。だが、娘だけは返してくれ」そういった。

しかし、その魔物は最強の座を貰った途端「俺が最強なら、何をやってもいいよなぁ?こんなチビごときで最強の座を貰ったとなれば俺の最強が霞んじまう・・・なら、ここでこうするんだよ!」

それは一瞬。コンマ1秒にも満たないものだった。

ゾルディアは目の前で愛する娘を殺された。簡単に。道端の石ころを蹴るようにあっさりと。

魔王は絶望した。怒りを止められなかった。その悲しみ故に涙が止まらなかった。

ただ、ただ。目の前の敵が憎かった。なぜ殺した。なぜ守れなかった。なぜ簡単に譲った。

最強なら、なんとか出来ただろう。

憎かった。自分が。相手が。こんな感情を生む身体にした何かが。


その時ゾルディアは、禁呪を犯した。死者の蘇生。

魂の交換(ソウルエクスチェンジ)

それは大量の命と引替えにたったひとつの命を甦らせるもの。対価が大きすぎるので禁呪とされた魔王のみに使える秘術。

ゾルディアはこの時魔王になることを誓い娘のためにその魔物と仲間を全て殺した。

そうして娘は生き返り、ゾルディアは魔王となり、娘を守るために最強の座にい続けると誓った。もう失わないために。



その話は心に響いた。王もそうだろう。 なぜなら自分が勇者としてここに居るのはそういった悲しみを背負った人達のためだからだ。

人間の魔力では、死者の蘇生は出来ない。それは現実であった。

魔王は成功させたが。そのこと自体稀である。いくら生贄を払っても甦らないものは甦らない。

もう失わない。その強い思いは同時に平和のある意味を語っていた。


それと同時に危険を匂わせた。

「なるほど。わしも娘がいるが可愛くて仕方がない。もし娘に何かあったらわしもどうかするかもしれん。というより、既にゾルディアに勇者を送っとる画がの」

そういいその場は少し笑いに包まれた。

「しかし、そうか。魔王であることをよく思わないやつもおる・・・か」

王は考えているのか下を向いて黙ってしまった。

「あぁ。吾輩が魔王とは言え神ではない。全てを統一しているわけではないのだ。現に吾輩が敗れたあとそういった輩も多くいて暴れ回っている。人間のこの国も危うくなるかもしれん」

その話は平和を目指すとして無視できない問題だった。

魔王や国王の一言で終わるならそれは時間を掛けてでも直ぐに行うべきだ。

しかし、反対が絶対出てきてしまう。そこが問題なのだ。

魔物の中にはまだ、魔王を諦めず最強を狙う野心的な者もいるらしい。

それらは言って聞くタイプでは当然ない。

何かをする時に何かを犠牲にしなくてはならない。しかし、何も失いたくないのが当然だ。

だからこそ、何も失わない平和を何かを失ってでも得なければならない。

それは矛盾であり必然のことである。


この会話を境に私の勇者としての役目を終え、オルフェンスとゾルディアとの間で条約が交わされた。

1,新しい勇者と、新しい魔王を誕生させるのはこの日から10年後とする

2,平和を最低条件とする。(それに見合わない行動はしない)

3,この話はここでのみとする

ということだ。

私はこれを聞きしばらくセレナと田舎で過ごすと王に言った。ゾルディアも吾輩の娘が次の王となるのはそれくらいになるということでしばらく家族と過ごすと言っていた。

平和の道のりは長い。自分たちの世代では終わらないかもしれない。

しかしそれは無駄ではない。無駄にしない。

そう誓いこの平和への条約は3人だけに結ばれ同時に国が大きく動くことになったのだった。


暗く湿った洞窟の中で何かが大きく動いたその影は怪しくしかし大胆に動き出す。

「ゾルディアは、やられたか。奴は今力の回復に忙しいだろう

クックック。このベルタ。天下を取るなら今しかない!

行くぞ!!!」


その声は、大きく響いて再び影が動き出した

どうもどうも

どうだったでしょうか。

ここではゾルディアの過去について話してみました。

ゾルディア自身は強くいることがいいのであって最強なんてのに興味はない。そんなやつです。

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