魔王は魔王で頑張ってます!
ども魁です。
今回は魔王の話ですね
魔王の城
「ねぇパパ!私の勇者はいつ来るのよ!
そうじゃないと、私から勇者に会いにいくわ!」
そう叫びながら、金色のツインテールを揺らしながら、真っ赤な目が、こちらに近ずいてきた。
吾輩の前に来たのは娘のフレージュ。
見た目はまだまだ幼い子供のようだが、年は人間で言う25歳。魔族と人間の違いのひとつだろう。
フレージュは、吾輩と勇者の戦いをただ見ているだけだった。娘の前で負けてはいけないと、吾輩も頑張ったのだが、勝てなかった。姫をさらい、その魔力を完全に得ることが出来れば結果は変わっていたかもしれない。しかし、そうなれば、勇者、王とも出会わなかっただろう。
娘は。その時から、勇者に恋をしたらしい。
最強と信じた父が敗れ、その父を倒した勇者は、自分のためではなく、姫のために命を燃やしたときき、見事に恋におちた。
娘には教養。次世代の魔王として成長してもらう為に、多くの本を与えた。
魔導書。歴史書。算数ドリルに絵本。
そのせいなのか、娘はお年頃になると、異性を変な形で意識し始め出会いを信じた。
王子様はいると……
しかし、吾輩の周りに娘と同じぐらいの異性はなく、年老いたごっつい猛者しかいなかった。
そんな中、出会った勇者。恋に落ちるのも分かる。
わかるんだが、わかるんだがな……
「フレージュ。お前は分かっていない。勇者は来ると言っていた。魔王としてこの場に居座るのが義務だろう」
それしか言えない。
人の夫を取ろうとしている娘になんて声をかければいいのだ……誰か教えてくれ……
こんなに可愛い娘が、人夫に恋をしてしまった。
本当にどうしよう。
「ならいいわ。ねぇ、ぱぱ!私と勇者が結婚出来れば、争いは無くなるわよね!そうすればみんなハッピーじゃないかしら!」
人間と魔族。
幾千もの間戦い続け、血を流し、命の日を消し続けた。
誰もそんなのは望んでいない。
それは人間だけでなく、魔族も望むものだ。世界を得たとこで、何になる。吾輩も心の奥でそう思っていた。
もちろん、互いが納得できる形で出来ればそれが一番いい。しかし、吾輩の勝手で人間と協力せよと言ったところで反発が起きないわけがない。
それは、人間の王も言っていた。
しかし、娘が人間と結婚すればあるいは……
オルフェンスも、そう思ったらしい。
そうなると、複雑なのは、勇者とその付近の関係性だ。
勇者は既に結婚をしている。妻もいる。しかも、オルフェンスの娘ときた。
吾輩としては吾輩の娘と、オルフェンスとしてはオルフェンスの娘と結婚させたいだろう。
そんなことを考えながら、フレージュが妙なことを言ってきた。
「あーあ。早く来ないかなぁ……
あ、でも、先にお嫁さんいたらどうしよう。だってお姫様を救いに来たってことは、お姫様と出来てる可能性もあるのよねぇ。
でもいっか!ころしちゃえばいいわ!」
おぉ、我が娘よ、頼むからそんな物騒なこと言わないでおくれ。と心のそこからおもった。
魔王として、物騒と言うセリフを思うなど、考えもしなかったが、やはり生き物は自分たちの生活を守るために争っていたのだな、と気づいた。
それが脅かされるから、戦う。
なら、互いに脅かさない程度に話し合えばよかったのだ。
そう気づけたのも勇者のおかげ、だから、きっと、今回も娘を気づかせてくれるだろう。
吾輩はそう思い娘には、極力傷つけないように話した。
「フレージュ。仮に勇者に妻がいても、それを殺すのはいけない。そんなことをしても、勇者は君を好きにならないと思うぞ」
魔王なんて、こんなもんだろう。負けてしまった今、威厳という言葉はない。民の信頼も失った。
残るのは平和への道だけなのだ。それが、勇者やオルフェンスがいないとはじまらない。できることなら、その仲が、崩れるのは避けたい。
しかも、私の娘のわがままのせいとか、ヤダ。
フレージュは、少し悩んだあと
「うーん。たしかにそうかもしれないわね。
なら!魔法とかで適当に記憶を変えちゃえばいいんだわ!早速魔法の勉強してこなくっちゃ!じゃあねぇ、パパ!」
そう言いながら部屋をでていった。
娘よ。勉強のきっかけはたしかに大事だ。
だがな、それで人を不幸にしてはいけないよ。
そう言えたらどれだけ楽だろうか。
吾輩。心底困っている。
魔王は悩みに悩んで、時は流れていった。
ある日。
「そうだ!困った時はオルフェンスに聞こう!きっと助けてくれる。これも共存のため。吾輩だけでは共存にならない。頼むぞ。オルフェンス」
吾輩は早速手紙を書いた。
吾輩の娘が勇者に恋をしてしまったこと。
この恋が上手く実れば、共存の道も容易いのではと。
しかし、勇者の妻、オルフェンスの娘を不幸にしたくないと。
吾輩も、娘を説得するよう努力すると。
全てを人間の王に伝えた。
「これでは、解決しないだろう。オルフェンスにも、勇者にも申し訳が立たない。しかし、世界はどうにかなるようにできている。神が作ったこの世界。なぜ種族を分けたのかわからんが、きっとどうにかなる。吾輩は信じている。ハッピーエンドはきっとくる」
そう言いながら、魔王は筆を起き、その手紙をしまった。
「今日はもう疲れてしまった。明日もう一度文章を確認したあと、オルフェンスに送ろう」
魔王は、その部屋をあとにし、自室へと向かった。
フレージュが、密かにその部屋に忍び込むとは、誰も思っていなかった。
ハイハイどうも魁です。
魔王はですね、考えるやつではあるんですが、すこーし他力本願なくせがある。
ちょっと癖の強いかんじです。
そして、そんな娘も癖がつよく、魔王とは正反対で。自分のために努力するタイプです。
まあ、今後面白くなると思いますよ、そんなくせの強い奴らですから。
では、また次作で会いましょうバイバイ




