社交界の狼たち
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楽しんでいただけると幸いです。
キャロラインはバーナーズ大公爵夫人によるサロンに招待されて飛び上がって喜んだ。招待客は母のセシリアと自分のみ。アリーは除外されている。キャロラインはそれにも喜び、当日なにを着ていくかクローゼットを開き選んでいた。そしてピンクの襟もとに白いレースのついたドレスを選び、意気揚々と母と共にバーナーズ家に向かった。
そこにはバーナーズ家の夫人のアイリーンとコーデリア、コーデリアの友人の令嬢たち、そしてオールストン公爵家の夫人のリリーと娘のプレシャス、様々な貴族がいて、彼女たちは笑顔でキャロラインとセシリアを迎えてくれた。2人は音楽家の音楽を聴き、お菓子を食べて、特にキャロラインは夢心地だった。そこにコーデリアがやってきてキャロラインに挨拶をした。
「はじめまして、わたくし、バーナーズ大公爵家の長女のコーデリア・ブリジット・バーナーズと申します」
「は、はじめまして。わたくしノエル侯爵家の次女のキャロライン・アビゲイル・ノエルと申します」
「いまはおいくつですの?」
「16ですわ」
「あら、わたくしは18歳ですの。今は大学に通っておりますわ。良かったらわたくしたちとお話になりませんこと?」
「よろこんで」
キャロラインは緊張しつつもコーデリアの友達がいる席に参加した。そこにはいかにもインテリというか、頭の良さそうな令嬢たちが笑顔でキャロラインを迎えた。
「わたくし法科ですの」
「わたくしは経済学科ですわ」
「わたくしは文学科ですのーーーキャロライン嬢は将来は大学へ進学なさいますの?」
「え、ええと...」
彼女たちの笑顔の質問にキャロラインは正直困っていた。大学へ行くつもりはない。勉強など大嫌いだからだ。そういうことを考えているとコーデリアが口を開いた。
「大学に進むのでしたらクリスティアナ様にお聞きになられるとよろしいわ。あの方は陛下に直談判して女子の大学進学をお許しにさせてくださった方ですもの」
「あら、そのような素晴らしい方がおりますの?お会いしたいですわ」
キャロラインのその言葉にコーデリアたちは微笑みを向けた。近くで話を聞いていたプレシャスはそっと席を外した。
セシリアもまたオールストン公爵家夫人のリリーと仲良く話していた。主に詩についてだ。詩の解釈について話している時にリリー夫人はセシリアに言った。
「知り合いにアリソン嬢という方がいまして、その方はまだ若いのですけど詩の造詣が深いのですわ。今度聞いてみましょう」
「あら嬉しいですわ。アリソン嬢にお会いするのも楽しみ。どのような方ですの?」
「とても頭がよく、教養高い方ですわ。もしかすればお会いになったことがあるかも」
「そうですの?わたくしアリソン嬢なんて名前のお友達はおりませんけれど...」
セシリアの言葉にリリー夫人はホホ、と扇で口元を隠し上品に笑った。
そのようにしてコーデリアやアイリーン、リリーにプレシャスはあれは事実であったことを確認し、サロンが終わった後、セシリアとキャロラインを帰し、皆で相談した。
「いかがしましょう?」
「あまりに分かりやすいとかえってアリーが迷惑してしますわ」
「ここは淑女らしくなさったら?」
「ああそう、そうね」
「淑女らしく、上品に、優雅に、正義の鉄槌を下しますのよ」
「アリーに言いまして?」
「手紙を送ってはいかが?アリーの判断に任せましょう」
「そうね、どんな家族でも子は家族を愛するものですわ。アリーが嫌がったり、手を抜くようでしたらやめておきましょう」
「嫌がらなかったら?」
彼女たちは顔を見合わせ、微笑んだ。
「わたくしたちは下民のようにキャンキャン吼えませんわ。常に気高く、美しく、優雅であらねばなりません。優雅な狼になるのですわ」




