7 補佐官と部下
日も暮れ始めた頃、また追加がやってきた。
しかも分厚ーい……。
嫌そうにしたのが顔に出てしまったのか、運んできた部下が申し訳なさそうにしている。
すみません。別に、貴方は悪くないんです。
悪いのは溜めに溜めた魔王と、今日の分も放り出させた私ですから。
「本日はこれで最後ですから。リディア様も、少しは休憩をなさって下さい」
「大丈夫ですよ。それより、少しでも進めなくては」
苦笑いを返された。
わかっていますよ。仕事中毒って、言いたいんでしょう。
持ってきた書類を山に加えると、おずおずと部下が声をかけてきた。
「あの……陛下って、何の為に出かけられたのですか?」
「ああ。ちょっと保護をしに、ですよ」
「保護、ですか。 ですが一体何方へ?」
あ。
聞かれて気が付いた。
そういえば、何処に何を保護しに行ったのだろう?
すっかり聞き忘れていた。
森にいたと言っていたし、獣かな。
とりあえず保護して、回復したらまた森に戻すか。
ああでも、
「小型だったら、城でペットにしてもいいかな」
「はい?」
「あっ! いえ、気にしないで下さい。こちらの話です」
おっと、声に出していたとは。
それにしても、メインの残した問題は大きいけれど、使い魔に非はない。
同じ悪魔として、放っておくのも気が引ける。
「リディア様も、ご存知ないのですか?」
「ええ。門番から何か聞いていませんか?」
「えっと……、それが……」
急に言葉が濁った。
何でだ?
メインは、確かに色々な悪魔と契約していたが……。
まさか、変な地域に行っているんじゃ。
「まさか、危険区域、とかですか?」
「いえ……、それが、ですね……」
「はい」
「えー、危険な場所ではないんですよ」
「はあ」
「それで、あの……えー」
歯切れが悪すぎる。
一体何処に行きやがった、あの馬鹿。
「それで、その……」
「はっきり仰って下さい」
「も、申し訳ございません。それが、その……恐らく魔界ではないかと」
「…………は?」
「衛兵が、陛下の陣を見たそうでして」
おいおい、最悪すぎる。
あー、頭痛くなってきた。
「えっと……、つまりまさか」
「はい。陛下の行き先は、人間界かと思われます」
あっっんの大馬鹿魔王ーーーーーー!!!!!!




