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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

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78話 アースウルフα



 ナイトウルフキングを倒してから三日。


 俺たちは再び冒険者ギルドへ来ていた。


 受付には、いつもより多くの冒険者が集まっている。


「北西方面で、また魔物の異常行動が確認されたそうです」


 エリスが掲示板を見る。


「この前の黒い結晶と関係あるのかな」


 レティシアが尋ねる。


「可能性は高いと思う」


 俺は北西を示す地図を見る。


 そこには、小さな鉱山と森が記されていた。



---




「ちょうど皆さんにお願いしたい依頼があります」


 受付嬢が依頼書を差し出した。


『北西鉱山周辺・魔物調査』


 討伐対象は、


ストーンゴブリン


ロックリザード


アースウルフ



 そして備考欄には――


「夜間に巨大な魔物の咆哮を確認」


「またですか……」


 レティシアが苦笑する。


「でも、今回は調査が中心です」


 受付嬢が説明する。


「無理に強い魔物と戦う必要はありません」


 俺は依頼書を受け取った。


「受けます」



---




 昼過ぎ。


 俺たちは鉱山へ到着した。


 以前の鉱山とは違い、こちらはすでに閉鎖されている。


「中から魔力を感じます」


 エリスが言う。


「黒い魔力?」


「……少しだけ」


 俺も魔力感知を使う。


 確かに、奥から微かな異質な魔力を感じる。


「でも、今は入らない」


 俺たちはまず周囲を調べることにした。



---




 岩陰から魔物が現れる。


 灰色の皮膚。


 通常のゴブリンより身体が大きく、岩のような皮膚を持っている。


「ストーンゴブリン!」


 レティシアが剣を構える。


 三匹が一斉に襲ってくる。


「エリス!」


「はい!」


 《ウィンドステップ》が三人を包む。


 レティシアが一匹を引きつける。


 俺は魔力を集めた。


「硬そうだから……」


 炎を渦巻かせる。


「《フレイムスパイラル》!」


 ――ゴォォォッ!!


 炎の渦がストーンゴブリンを包む。


 岩のような皮膚が赤く熱せられる。


「今です!」


 エリスの矢が飛ぶ。


 ――シュッ!


 レティシアが一気に距離を詰める。


 ――ザンッ!


 一匹を倒した。


「やっぱり《フレイムスパイラル》は硬い相手に使いやすいね」


 俺は残った二匹を見る。


 炎で動きが鈍くなっている。


「うん。かなり有効だ」


 残りも三人の連携で倒した。



---




 討伐後。


 俺は地面に残った足跡を調べる。


「アースウルフ……」


 大きな足跡がいくつもある。


 しかし、普通のアースウルフより明らかに大きい。


「この大きさだと、かなり成長した個体かも」


 エリスが周囲を見る。


「それだけじゃありません」


「何かある?」


「この足跡……」


 彼女が指差す。


 足跡の近くに、黒い粉のようなものが落ちていた。


 俺は魔力を確認する。


「黒い魔力だ」



---




 依頼内容は夜間の調査も含まれていた。


 俺たちは鉱山から少し離れた場所で待機する。


 月が昇る。


 森が静かになる。


 ――ゴォォォ……。


 遠くから風の音。


「……来る」


 俺は立ち上がる。


 魔力感知に、大きな反応が入った。


「北側」


 エリスが弓を構える。


「一体ですか?」


「……一体」


 レティシアが剣を抜く。


 木々の間から巨大な影が現れた。



---




 姿を見せたのは、巨大な狼だった。


 通常のアースウルフより一回り以上大きい。


「アースウルフ・アルファ……」


 レティシアが呟く。


 その胸元には――


 小さな黒い結晶。


「また黒い結晶……」


 俺は杖を構える。


「今回は逃げた方がいい?」


 レティシアが聞く。


 俺は魔力を探る。


「……昨日までのナイトウルフキングほどじゃない」


 それでも強い。


「三人なら、戦える」


「分かった!」



---


アースウルフ・アルファとの戦い


 アルファが突進する。


「《ウィンドステップ》!」


 エリスの補助魔法。


 レティシアが横へ避ける。


 俺は炎を集める。


「《フレイムスパイラル》!」


 ――ゴォォォッ!!


 炎の渦がアルファを包む。


「グルァァッ!」


 アルファが炎の中から飛び出す。


「まだ動ける!」


「なら、もう一度!」


 俺は魔力を集める。


 しかし――


 魔力の消耗が大きい。


「……連発は無理だ」


 俺は一度距離を取る。


 エリスの矢がアルファの足を狙う。


 ――シュッ!


 命中。


「レティシア!」


「任せて!」


 レティシアが走る。


 ――ザンッ!


 アルファの肩を斬る。


 黒い魔力が傷口から噴き出す。


「キラ!」


「分かってる!」


 今度は《ウィンドバレット》。


 ――ドンッ!


 黒い結晶のすぐ横へ命中。


 アルファが怯む。


「今!」


 レティシアの剣が胸元へ振り下ろされる。


 ――カキィン!


 黒い結晶に亀裂が入った。



---




 ――ピシッ。


 亀裂から黒い魔力が噴き出す。


「危ない!」


 エリスが叫ぶ。


 アルファが暴れ始める。


 俺は《ルミナ・フレア》を使う。


「《ルミナ・フレア》!」


 ――パァァッ!!


 黒い魔力が弱まる。


「今だ!」


 三人の攻撃が同時に入る。


 ――ザンッ!


 ――シュッ!


 ――ドンッ!


 アルファが倒れる。



---




 戦闘を終えた俺たちは、しばらく休憩した。


 宿へ戻ってステータスを確認する。


【ステータス】


名前:キラ

年齢:12歳

冒険者ランク:D

レベル:45


「45……」


 少しずつだが、確実に強くなっている。


 そして今回、久しぶりに《フレイムスパイラル》を主力として使った。


 やっぱりこの魔法は強い。


 ただ、消費魔力も大きい。


「もっと魔力を増やしたいな」


 俺は呟いた。



---


 翌朝。


 ギルドへ報告すると、調査員が黒い結晶を見て青ざめた。


「……これは」


「何か分かりましたか?」


「この結晶……」


 調査員が地図を広げる。


「前に見つかったものより、ずっと新しい」


「新しい?」


「つまり――」


 黒き核の欠片が、最近になって新たに生み出されている可能性がある。


 俺たちは顔を見合わせた。


 もしそれが本当なら。


 黒き核は、ただ封印が壊れかけているだけではない。


 今もなお――


何かを生み出し続けている。


第78話 終

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