↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/271

65話 護衛依頼



 強化されたゴブリンと黒い石の件を報告してから数日。


 俺たちはしばらく、街の近くで依頼をこなしていた。


 洞窟の調査は、俺たちより上のランクの冒険者に任せることになった。


「今日はこれだね」


 レティシアが依頼書を持ってくる。


『商隊の護衛』


「護衛?」


 俺は依頼書を見る。


「Eランク向けの護衛依頼みたいです」


 エリスが説明する。


「街から隣町まで、商隊についていく仕事ですね」


「魔物討伐とは少し違うね」


「うん」


 俺たちは依頼を受けることにした。



---




 翌朝。


 街の門の外に、数台の荷馬車が並んでいた。


「君たちが今回の護衛かい?」


 商隊の代表らしい男性が声をかけてくる。


「はい。よろしくお願いします」


「こちらこそ頼むよ」


 商隊には御者や商人が数人。


 護衛役は俺たち三人だけだった。


「三人だけ?」


 レティシアが周囲を見る。


「今回の道は比較的安全だからね」


 商人が笑う。


「それに、Eランクの冒険者なら十分だと聞いている」


「なるほど」


 俺たちは馬車の周囲を警戒する。



---




 しばらくは何も起きなかった。


 街道を進む。


 魔物の気配も少ない。


「護衛って、思ったより暇だね」


 レティシアが欠伸をする。


「油断しないで」


「分かってるって」


 エリスが周囲を見渡す。


「でも、確かに今日は静かですね」


 俺も魔力感知を使う。


 問題ない。


 このまま何事もなく終わるかもしれない。


 そう思っていた。



---




 昼を過ぎた頃。


 俺は突然、足を止めた。


「……待って」


「どうしたの?」


 レティシアが聞く。


「前方に魔物」


 魔力反応が複数。


「何匹?」


「……八匹」


 木々の間から姿を現した。


フォレストウルフ。


「またこいつらか」


 レティシアが剣を抜く。


「商隊を守るよ!」


「うん!」


 フォレストウルフが一斉に走ってくる。



---




「《ウィンドステップ》!」


 エリスの補助魔法が全員を包む。


 レティシアが先頭へ出る。


「こっちは通さない!」


 ――ザンッ!


 一匹を倒す。


 別の一匹が馬車へ回り込もうとする。


「させない!」


 俺が魔法を放つ。


「《ウィンドカッター》!」


 風の刃が飛ぶ。


 フォレストウルフが倒れる。


 しかし――


「右!」


 エリスが叫ぶ。


 別の一匹が商人へ飛びかかる。


 ――シュッ!


 エリスの矢がその身体を止める。


「助かった!」


 商人が叫ぶ。


「まだです!」


 レティシアが残りの魔物へ突っ込む。


 数分後。


 最後の一匹が倒れた。



---




「終わった……」


 レティシアが息を吐く。


「普通の討伐とは違うね」


 俺も頷く。


「うん」


 魔物を倒すだけなら、自分が危険になってもいい。


 でも護衛では――


 商人や馬車を守りながら戦わなければならない。


「周りを見る必要がありますね」


 エリスが言う。


「一人で戦うより難しいかも」


「だから勉強になるね」


 俺たちは再び歩き始める。



---




 その日の夕方。


 俺は倒したフォレストウルフを確認していた。


「……まただ」


 黒い魔力。


 以前より薄い。


 でも、やはり残っている。


 レティシアが顔をしかめる。


「この辺りにもあるの?」


「うん」


 エリスも確認する。


「でも、昨日までより薄いです」


「つまり、黒い石から離れるほど影響が弱くなるのかも」


 俺は考える。


 もしそうなら――


 あの洞窟の奥には、かなり強い魔力がある。


 それを考えると、少し怖くなった。



---




 夜。


 商隊は街道沿いで野営することになった。


 焚き火を囲みながら、商人が話しかけてくる。


「君たちは三人でパーティーを組んでいるのか?」


「はい」


「若いのにしっかりしているな」


 レティシアが笑う。


「これでも冒険者ですよ」


「そうか」


 商人は笑う。


「冒険者のランクは?」


「Eランクです」


「おお、昇格したばかりか」


 俺たちは顔を見合わせる。


 Fランクだった頃より、少しだけ認められるようになった気がする。


 でも――


 まだEランク。


 上にはD、C、B……と、さらに先がある。


「いつかもっと上に行きたいな」


 レティシアが焚き火を見つめる。


「うん」


 俺も頷いた。



---




 翌朝。


 無事に隣町へ到着した。


 依頼達成。


 報酬を受け取り、俺たちは帰路につく。


 宿へ戻った夜。


 ステータスを確認する。


【ステータス】


名前:キラ

年齢:12歳

冒険者ランク:E

レベル:29


 護衛中の戦闘で、レベルが一つ上がっていた。


「29……」


 あと一つで30。


 でも、レベルが上がることだけを目的にはしない。


 魔法。


 剣。


 弓。


 連携。


 少しずつ全部を伸ばしていく。



---


 そして翌日。


 ギルドへ行くと、洞窟の調査を担当していた冒険者たちが戻ってきていた。


 受付の周囲には、いつもより人が多い。


「何かあったのかな?」


 レティシアが尋ねる。


 俺は冒険者たちの表情を見る。


 誰も笑っていない。


 そして、その一人が口にした。


「……洞窟の奥に、古い遺跡があった」


 俺たちは顔を見合わせた。


 黒い石。


 強化された魔物。


 そして――


 古い遺跡。


 異変の正体へ、少しずつ近づいていた。


第65話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。