↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/274

58話 自分達にできること



 アーマードボアとの遭遇から数日。


 俺たちは再び冒険者ギルドへ来ていた。


「今日は何にする?」


 レティシアが掲示板を眺める。


 俺も依頼書を確認する。


 俺たちはまだFランク。


 だから受けられる依頼も、基本的には簡単なものばかりだ。


「これにしよう」


 俺が一枚の依頼書を取る。


『薬草採取・街道周辺』


「地味だね」


「仕方ないよ。俺たちはまだFランクだから」


「分かってるけど……」


 レティシアが少し残念そうにする。


 エリスが依頼書を確認する。


「でも、薬草採取なら危険も少なそうです」


「うん。今日はこれにしよう」



---




 街から少し離れた森。


 薬草が生えている場所を探す。


「この辺りだったはず」


 エリスが周囲を見る。


「薬草は日当たりのいい場所に生えることが多いです」


「詳しいね」


「エルフですから」


 エリスが少しだけ笑う。


 レティシアが薬草を見つける。


「あった!」


「それは違う」


「えっ?」


「それ、毒草」


「危なかった……」


 三人で笑う。


 戦闘ではない。


 こういう時間も悪くない。



---




 薬草を集めていると、茂みが揺れた。


「魔物?」


 俺は魔力感知を使う。


「一匹」


 出てきたのは、小さな魔物だった。


 灰色の毛。


 鋭い牙。


「グレイラットです」


 エリスが言う。


「弱そう」


 レティシアが剣を抜く。


 グレイラットが飛びかかってくる。


「任せて!」


 レティシアが剣を振る。


 ――ザンッ。


 一撃。


「終わり!」


 レティシアが剣を戻す。


「これくらいなら楽勝だね」


「うん」


 俺も頷く。


 だが――


 エリスがグレイラットの死体を見つめている。


「どうしたの?」


「……この魔物にも、少しだけ黒い魔力が残っています」


「え?」


 俺も確認する。


 確かに微弱だ。


 ほとんど気づかないほどの量。


「また……」



---




 薬草採取を終えて森を出る。


 俺は考えていた。


 ゴブリン。


 ホーンウルフ。


 アーマードボア。


 そして今回のグレイラット。


 種類は違う。


 でも――


 どの魔物にも黒い魔力の痕跡がある。


「やっぱり偶然じゃない」


 俺が呟く。


「うん」


 レティシアも頷く。


「何かがおかしい」


 エリスが静かに言う。


「でも、私たちはまだFランクです」


「分かってる」


 俺は答える。


「今の俺たちだけで調べるのは危険だ」


 だからこそ、まずは自分たちの力をつける。


 焦ってはいけない。



---




 街へ戻る前。


 俺は少しだけ魔法の練習をすることにした。


「《フレイムスパイラル》」


 炎と風が螺旋を描く。


 ――ゴォッ。


 昨日より安定している。


「おお!」


 レティシアが拍手する。


「前より上手くなってる!」


「まだまだだけどね」


 俺は魔力の流れを確認する。


 以前より少ない魔力で維持できるようになっている。


「魔力操作が上がってるんだと思う」


 エリスが頷く。


「はい。以前より魔力の無駄が少なくなっています」


 俺は炎を消す。


「もっと練習しよう」


 新魔法は、まだ完成したとは言えない。


 でも、少しずつ自分のものになっている。



---




 街へ戻り、依頼を報告する。


「薬草採取、確認しました」


 受付嬢が依頼達成を記録する。


「お疲れ様でした」


「ありがとうございます」


 報酬を受け取る。


 レティシアが小さな袋を見る。


「……これだけ?」


「Fランクだからね」


「うーん……」


 レティシアが肩を落とす。


 エリスが笑う。


「焦らなくても大丈夫です」


「そうだね」


 俺も笑う。


 ランクは一気に上げるものじゃない。


 少しずつ実績を積んでいけばいい。



---




 ギルドを出ようとしたとき。


「キラさん」


 受付嬢に呼び止められる。


「はい?」


「先日のアーマードボアの件ですが、調査が始まったそうです」


「本当ですか?」


「はい。近いうちに、上位ランクの冒険者による調査隊が組まれる予定です」


 俺は頷く。


 やっぱり、あの魔物は普通じゃなかった。


「ありがとうございます」


 ギルドを出る。


 レティシアが聞く。


「私たちも調査に参加する?」


「まだ無理だと思う」


「Fランクだもんね」


「うん」


 今は、自分たちにできることをする。


 それでいい。



---


 夜


 宿へ戻った俺は、ステータスを確認する。


【ステータス】


名前:キラ

年齢:12歳

冒険者ランク:F

レベル:23


 変化はない。


 でも、焦りもなかった。


 レベルを上げる。


 魔法を磨く。


 依頼をこなす。


 仲間と強くなる。


 まずはそこからだ。


 そしていつか――


 あのアーマードボアにも勝てるようになる。


 俺は静かにステータス画面を閉じた。


 まだ始まったばかりだ。


第58話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。