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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』40000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
少年期

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52話 三人の冒険



 セレスタに戻った俺たちは、そのまま冒険者ギルドへ向かった。


 エリスは少し後ろを歩いている。


 まだ俺たちと一緒にいることに慣れていないらしい。


「エリス、もっとこっちに来なよ」


 レティシアが手招きする。


「はい……」


 エリスが少しだけ近づく。


「そうそう!」


「……」


 エリスは困ったように笑った。


 俺も少し笑う。


 三人で歩く。


 それだけなのに、昨日までとは違う感じがした。



---


冒険者ギルド


「おかえりなさい」


 受付嬢が俺たちを見る。


 そしてエリスに気づいた。


「あら?」


「今日から一緒に行動することになりました」


 俺が説明する。


「そうなんですね」


 受付嬢はエリスを見る。


「冒険者登録は?」


「Fランクです」


「では、パーティー登録をしておきますか?」


 俺はレティシアを見る。


「どうする?」


「もちろん!」


 レティシアが即答した。


 エリスは少し驚いた顔をする。


「私も……?」


「うん」


「分かりました」


 三人の名前が、パーティーとして記録される。


 まだ正式な固定パーティーではない。


 けれど――


 俺たちは初めて、三人の仲間として登録された。



---




 掲示板を見る。


「どれにする?」


 レティシアが依頼書を眺める。


 その横でエリスも掲示板を見る。


「これなら……」


 エリスが一枚の依頼書を指差した。


『北の農村周辺・ゴブリン討伐』


「これ?」


「はい」


「どうして?」


「農村の近くなら、魔物の数もそれほど多くないと思います」


 エリスが説明する。


「それに、三人で戦う練習にはちょうどいいかと」


 俺は頷いた。


「いいと思う」


「決まり!」


 レティシアが依頼書を取った。



---


初めての三人の戦い


 農村へ向かう途中。


 魔力感知に反応があった。


「止まって」


 二人が止まる。


「前に四匹」


「ゴブリン?」


「たぶん」


 エリスが弓を構える。


 その姿は、昨日より少しだけ落ち着いていた。


「私が一匹狙います」


「分かった」


 俺が頷く。


「レティシアは右」


「了解!」


 ゴブリンが姿を現す。


 エリスが矢を放つ。


 ――シュッ!


 矢はゴブリンの肩に当たった。


「当たった!」


 レティシアが驚く。


「今!」


 俺が走る。


 レティシアも反対側から飛び込む。


 ――ザンッ!


 一匹。


 さらに一匹。


 残ったゴブリンがエリスへ向かう。


「危ない!」


 俺が叫ぶ。


 エリスが弓を構える。


 だが、ゴブリンの方が速い。


「《ウィンドステップ》!」


 エリスの魔法が発動する。


 俺の体が軽くなった。


 一気に距離を詰める。


 ――ザシュッ!


 ゴブリンが倒れる。


「助かった!」


 俺が言う。


「……はい」


 エリスが小さく笑った。



---




 戦闘が終わる。


 レティシアが嬉しそうに言う。


「いい感じじゃない?」


「うん」


 俺も頷く。


 エリスが考える。


「キラさんが前衛で、レティシアさんが近接攻撃。私は後ろから弓と補助魔法……」


「そうだね」


「三人なら、かなり戦いやすいと思います」


 エリスの声には、少し自信が出ていた。


 俺はそれに気づいた。


 昨日までより、ほんの少しだけ変わっている。



---


レベルアップ


 村へ到着する前。


 俺の視界に、ステータス画面が浮かんだ。


【レベルアップ】


 今回の戦闘で得た経験が、力へ変わっていく。


【キラ】

年齢:12歳

レベル:19


「……レベル19」


「上がった?」


 レティシアが聞く。


「うん」


「すごい!」


 エリスも少し驚いている。


「もうレベル19なんですね」


「まだまだだよ」


 俺はステータス画面を閉じる。


 レベルが上がった。


 でも、それだけじゃない。


 今日は三人で初めて戦った。


 そして――


 ちゃんと戦えた。



---




 村に到着すると、村人たちが出迎えてくれた。


「冒険者の方々ですか?」


「はい」


「助かります!」


 村長らしき男性が頭を下げる。


「最近、夜になるとゴブリンが畑を荒らしていまして……」


「何匹くらいいるんですか?」


 レティシアが聞く。


「十匹ほどだと思います」


 俺は森を見る。


 魔力感知を使う。


「……もっといる」


「え?」


 エリスが反応する。


「森の奥に、まだ気配があります」


「何匹?」


「正確には分からないけど……十匹以上」


 レティシアが剣を握る。


「じゃあ、夜になる前に準備しよう」


 エリスも弓を手に取った。


「はい」


 三人で村を守る。


 初めての本格的な依頼。


 そして――


 俺たち三人の冒険が、本当の意味で始まろうとしていた。



---


 その夜。


 村の外。


 森の奥から、複数の赤い目がこちらを見ていた。


 ゴブリンたちが、ゆっくりと姿を現す。


 しかし、その中に一匹。


 他のゴブリンより明らかに大きな影があった。


 手には粗末な棍棒。


 頭には骨の飾り。


 そして、その目は赤く濁っている。


「……ゴブリンリーダー」


 俺は呟いた。


 今夜の戦いは――


 簡単には終わりそうになかった。


第52話 終

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