↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/278

47話 セレスタ周囲の異変



 翌朝。


 セレスタの冒険者ギルドは、いつもより騒がしかった。


 俺とレティシアが中へ入ると、掲示板の前に冒険者たちが集まっている。


「何かあったのかな?」


 レティシアが首を傾げる。


「昨日の森のことかもしれない」


 俺たちは人の間を抜けて掲示板を見る。


 新しい依頼書が何枚も貼られていた。


『南部森林周辺・魔物調査』


『南街道・警戒任務』


『魔物の群れに関する情報収集』


 そして、その中に一枚だけ赤い印のついた依頼書があった。


『南部森林・緊急調査』


「緊急……」


 俺は依頼書を見る。


「昨日のこと、やっぱり大きな問題になったみたい」



---


上位冒険者たち


 ギルドの奥から、数人の冒険者が出てきた。


 装備も雰囲気も、俺たちとは違う。


「Dランクの人たちかな」


 レティシアが小声で言う。


「たぶん」


 その中の一人が受付へ話しかける。


「南部森林の調査は俺たちが行く」


「お願いします」


 別の冒険者が俺たちを見る。


「昨日の報告をした子供って、この二人か?」


「はい」


 受付の女性が答える。


「Fランク?」


「そうです」


「……よく無事だったな」


 俺は少し緊張する。


「森の奥には近づかなかったのか?」


「はい。危険だと判断して戻りました」


 男は頷いた。


「それでいい」


 そして、俺の肩を軽く叩いた。


「強さだけが冒険者の価値じゃない。生きて帰る判断も大事だ」


 昨日と同じような言葉だった。



---




 俺たちは今日の依頼を探す。


 だが、いつものFランク依頼が少ない。


「どうして?」


 レティシアが掲示板を見る。


「南側の依頼がほとんどなくなってる」


「危険だからだと思う」


 南街道が警戒区域になったらしい。


 俺たちは別の依頼を探す。


 すると――


『北街道・商隊護衛』


 という依頼が目に入った。


「護衛?」


「うん」


「やってみようよ」


「Fランクでも受けられるみたい」


 俺は依頼書を確認する。


「街の近くまでなら大丈夫そう」


「決まり!」



---


商隊


 昼前。


 俺たちは北門へ向かった。


 そこには三台の荷馬車が並んでいた。


「君たちが護衛をしてくれる冒険者か?」


 商隊の男が聞く。


「はい。キラです」


「レティシア!」


「よろしく頼む」


 商隊には商人が数人。


 そして、馬車の御者たちがいた。


「二人だけ?」


 商人が少し不安そうにする。


「大丈夫です」


 レティシアが胸を張る。


 俺は少し苦笑する。


「危険があればすぐ報告します」


「それなら頼む」


 こうして商隊とともに北街道を進むことになった。



---




 歩き始めてしばらく。


 何も起こらない。


「護衛って暇だね」


 レティシアが言う。


「そういうものじゃない?」


「もっと魔物が出てくると思ってた」


「出ない方がいいよ」


「それもそうか」


 俺は周囲を確認する。


 魔力感知。


 近くには魔物の反応はない。


 平和な時間が続く。


 だが――


 夕方。


 森の近くを通ったとき。


 俺は突然足を止めた。


「……待って」


「どうした?」


 レティシアが振り返る。


「魔物がいる」


「何体?」


「分からない」


 魔力が複数。


 でも、普通の魔物とは違う。


「……こっちに近づいてる」



---




 森の中から、緑色の小さな魔物が姿を現した。


「ゴブリン!」


 レティシアが剣を抜く。


 ゴブリン。


 人型の小型魔物。


 一匹ならFランクでも対処できる。


 だが――


「多い!」


 次々と森から出てくる。


 十。


 二十。


 さらに増える。


「これ……」


 俺は息を呑む。


「群れだ」


 ゴブリンたちが武器を構える。


 商隊の人たちが慌て始める。


「護衛を固めろ!」


 商人が叫ぶ。


 俺はレティシアを見る。


「どうする?」


「戦う!」


「うん!」


 俺たちは商隊の前に立った。



---




「《風刃》!」


 俺の魔法が先頭のゴブリンを吹き飛ばす。


「今!」


 レティシアが突っ込む。


 ――ザンッ!


 ゴブリンの武器を弾き飛ばす。


「キラ!」


「分かってる!」


 俺は周囲を確認する。


 数が多い。


 全員を相手にするのは無理だ。


「馬車を守りながら戦おう!」


「了解!」


 レティシアが前方を抑える。


 俺は後方へ回る。


 魔法でゴブリンの動きを止める。


「《火球》!」


 ――ドンッ!


 爆発。


 ゴブリンたちが散る。


 そこへレティシアが飛び込む。


「はぁっ!」


 双剣が閃く。


 しかし――


「まだ来る!」


 森からさらにゴブリンが現れる。


「キラ!」


「分かってる!」


 俺は歯を食いしばる。


 魔力が減っていく。


 まだ倒せる。


 でも長引けば危ない。



---




 そのとき。


「下がれ!」


 別の声が響いた。


 商隊の後ろから、護衛として雇われていた別の冒険者が駆けつける。


 剣士と槍使い。


「ここは俺たちが抑える!」


 ゴブリンの群れへ突っ込む。


 戦況が変わる。


 俺とレティシアも援護する。


「《風刃》!」


「そこ!」


 レティシアが倒す。


 冒険者たちが前線を押し返す。


 やがて――


 ゴブリンたちが森へ逃げていった。



---




「……終わった」


 レティシアが息を吐く。


「疲れた……」


「俺も」


 商隊の人たちが無事なのを確認する。


 被害はほとんどなかった。


 護衛依頼としては成功だ。


 だが――


 俺は森を見る。


「キラ?」


「……おかしい」


「何が?」


「昨日は南部森林」


「うん」


「今日は北街道」


 ゴブリンが現れた森は、南部森林とは反対方向だった。


「魔物が、あちこちで増えてる」


 レティシアも表情を変える。


「じゃあ……」


「何かが起きてるのかもしれない」



---




 商隊を無事に送り届け、俺たちは街へ戻った。


 ギルドへ報告すると、受付の女性が驚いた。


「ゴブリンの群れが北街道に?」


「はい」


「南部だけではなかった……」


 受付の女性が呟く。


 その言葉に、周囲の冒険者たちも反応する。


「またか」


「昨日は南、今日は北……」


「魔物の移動が始まってるのか?」


 ギルド内がざわめく。


 俺はレティシアを見る。


 彼女も同じことを考えているようだった。


 南部森林で見た、巨大な魔力。


 街道へ出てきたグレイウルフ。


 そして今日のゴブリンの群れ。


 全部、別々の出来事なのか。


 それとも――


何か一つの原因で繋がっているのか。


 まだ答えは分からない。


 けれど、セレスタの周囲で確実に何かが変わり始めていた。


第47話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。