↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
幼少期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/278

番外編 時を胸に刻む

6歳から11歳までのお話はこれでおしまいです。

次のお話からは少年期12歳からのお話となります。

その前に少し日常を。



第40.5話 旅立つ前の一日


 旅立ちの日が近づいていた。


 俺は毎日、剣の練習をしている。


 魔法の研究もしている。


 旅に必要な道具も揃えている。


 12歳になった俺は、昔よりずっと大人になった気がする。


 ……少なくとも、自分ではそう思っていた。


「キラ!」


 突然、外から声が聞こえた。


「キラ、いる?」


 トーマだ。


「いるよ!」


 窓を開ける。


 外にはトーマとミナ、そして少し離れたところにカイルが立っていた。


「何してるの?」


「遊ぼう!」


「……遊ぶ?」


「うん!」


 トーマが元気よく答える。


「旅に出る前に、最後にみんなで遊ぼうぜ!」


 俺は少し考えた。


 旅の準備もある。


 魔法の練習もしたい。


 剣も振りたい。


 でも――


「……分かった」


 俺は外へ出た。



---




「何して遊ぶ?」


 ミナが聞く。


「鬼ごっこ!」


 トーマが即答した。


「12歳にもなって?」


「いいだろ!」


「キラはどう?」


 俺は少し考える。


「……やる」


「よし!」


 トーマが笑う。


 鬼はトーマ。


「じゃあ逃げろ!」


「待って!」


 俺たちは一斉に走り出した。


 ――ダッ!


「キラ、そっち!」


 ミナが叫ぶ。


「分かった!」


 俺は路地へ走る。


 後ろからトーマが追ってくる。


「待てー!」


「嫌だ!」


 自分でも驚くほど、夢中になっていた。


 剣も魔法も関係ない。


 ただ走る。


 捕まらないように逃げる。


 昔と同じだった。



---



 トーマがどんどん近づいてくる。


「もう少し!」


「捕まる!」


 俺は思わず魔力を使った。


「《風――》」


 そこで止まる。


「……」


 危ない。


 遊びで魔法を使ったら危険だ。


 俺は慌てて方向を変える。


「逃げた!」


「キラずるい!」


 トーマが叫ぶ。


「魔法使おうとしただろ!」


「使ってない!」


「今、絶対使おうとした!」


「使ってないから!」


 ミナが笑い出す。


「二人とも、子供みたい」


「子供だよ」


 カイルがぽつりと言った。


「……」


 俺たちは三人とも黙る。


「そうだった」


 思わず笑ってしまった。



---




 次にトーマが向かったのは、広場の大きな木だった。


「登ろうぜ!」


「また?」


 ミナが呆れる。


「昔よくやっただろ!」


「今はもう大きくなったから危ないよ」


「キラは?」


「……登る」


「よし!」


 俺たちは木に登った。


 枝に手をかける。


 一つ。


 二つ。


 少しずつ上へ。


「キラ、速い!」


「昔からこういうのは得意だから」


 俺は笑う。


 気づけば、かなり高いところまで来ていた。


 街が見える。


 家々。


 冒険者ギルド。


 遠くの城壁。


「ここから見ると、街って小さいな」


 俺が言う。


 ミナが隣に座る。


「旅に出たら、もっと大きな街があるんだよね」


「うん」


「楽しみ?」


「楽しみ」


 トーマが枝に座りながら笑う。


「俺たちもいつか行こうな!」


「うん」


 カイルは静かに街を見ていた。


「……僕も」



---


そして――


「キラ!」


 突然、トーマが叫ぶ。


「何?」


「どっちが先に降りられるか競争しよう!」


「いいよ」


「絶対負けないからな!」


 二人で木を降り始める。


 ――ダッ!


「俺の方が速い!」


「待って!」


 ミナが呆れた顔をする。


「二人とも危ないよ!」


 カイルも少し心配そうに見ている。


 俺は笑いながら木を降りた。


 そして地面に着いた瞬間――


「勝った!」


「え?」


 トーマが先に着地していた。


「俺の勝ち!」


「……悔しい」


「キラでも負けるんだな!」


「もう一回!」


「いいぞ!」


 二人で笑う。


 ミナも笑っている。


 カイルも少しだけ笑っていた。



---




 夕方。


 俺たちは広場に座っていた。


 服は泥だらけ。


 髪には葉っぱがついている。


 腕には小さな擦り傷。


「……父さんに怒られそう」


 俺が言うと、ミナが笑った。


「旅立つ前なのに泥だらけね」


「でも楽しかった」


 トーマが言う。


「うん」


 俺も頷いた。


 魔法の練習。


 剣の訓練。


 冒険者との戦い。


 旅の準備。


 そんなことばかり考えていた。


 でも、俺はまだ12歳だ。


 遊んだっていい。


 くだらないことで笑ったっていい。


 こうやって友達と走り回る時間も、大切なんだと思う。


「キラ」


 カイルが呼ぶ。


「ん?」


「旅に行っても……こういうこと、覚えてる?」


 俺は少し驚いた。


「もちろん」


 俺は三人を見る。


「忘れないよ」


「じゃあ、帰ってきたらまた遊ぼう」


 ミナが言う。


「うん」


 トーマが拳を上げる。


「今度は俺がもっと速くなってるからな!」


「じゃあ、俺ももっと速くなる」


「勝負だ!」


 カイルが小さく笑う。


「……僕もやる」


「カイルも?」


「うん」


 四人で笑った。


 夕焼けが街を赤く染めていく。


 この時間が、ずっと続けばいい。


 そんなことを一瞬だけ思った。


 でも――


 俺はもうすぐ旅に出る。


 だからこそ。


 今日のことを忘れないようにしたかった。


 剣を握るキラでもなく。


 魔法を使うキラでもなく。


 未来の最強を目指すキラでもない。


 ただ友達と遊んで、笑って、泥だらけになった――


 12歳の子供としての自分。


 その時間を胸に刻んで。


 俺は家へ帰った。


時を胸に刻む 終



11歳時点 レベル17

能力

キラ 同世代平均

HP

32 35

MP

25 40

筋力

20 22

敏捷

18 20

防御

14 17

魔力

24 32

魔力操作

23 17



スキル

レベルリセット

新魔法創造

魔力操作

無詠唱

魔力感知

剣術

近接戦闘

戦闘判断


魔法

火球

水魔法

風刃

光球


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。