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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
幼少期

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34話 光の中へ消える


 地下施設の奥から、無数の赤い目がこちらへ近づいてくる。


 壁に反響する足音。


 ――ダッ、ダッ、ダッ。


「数が多い!」


 ミレアが弓を構える。


「キラ、後ろは任せて!」


「分かった!」


 俺は剣を抜いた。


 隣ではレオンも剣を構えている。


 ガルドは斧を肩に担いだ。


「久しぶりだな、こういうの!」


「楽しむな」


 レオンが呆れたように言う。


「楽しんでねぇよ!」


 ガルドが笑う。


「ただ、昔を思い出しただけだ!」


「……昔?」


 俺が聞く。


「後で話す!」


 ガルドが前へ出る。


「今はこいつらを片付けるぞ!」



---


魔物の群れ


 暗闇から飛び出してきたのは、狼に似た魔物だった。


 だが普通の狼とは違う。


 全身に黒い筋が走っている。


「黒化魔獣……!」


 アルノが叫ぶ。


「気をつけて!」


 一匹がこちらへ飛びかかってくる。


 俺は剣を横に構えた。


「《身体強化》」


 身体能力を一気に上げる。


 魔物の爪が目の前まで迫る。


 俺は身体を横へずらし――


「はっ!」


 剣を振った。


 ――ザンッ!


 魔物が床へ落ちる。


「一匹!」


 だが。


「右!」


 ミレアの声。


 別の魔物が俺の横から飛び込んでくる。


 ――シュッ!


 矢が魔物の肩を貫いた。


「助かった!」


「前だけ見てると危ないわよ!」


「ありがとう!」


 俺はその魔物へ走る。


 剣を振る。


 ――ザッ!


 倒れた。



---




 前方ではガルドとレオンが並んで戦っていた。


「右を頼む!」


 レオンが叫ぶ。


「任せろ!」


 ガルドが斧を振り下ろす。


 ――ドゴン!


 一匹の魔物が吹き飛ぶ。


 その隙に別の魔物がレオンへ飛びかかる。


 レオンは振り向かない。


「そこだ」


 ――ザン!


 背後から近づいていた魔物が切り裂かれた。


「相変わらず息ぴったりだな!」


 ガルドが笑う。


「お前が隙を作るからだ」


「ならもっと作ってやる!」


 ガルドが一気に前へ出る。


「うおおおお!」


 斧を振り回す。


 魔物たちが吹き飛ぶ。


 レオンがその隙を利用して、一匹ずつ確実に仕留めていく。


 俺はその戦いを見ながら思った。


「これが昔から一緒に戦ってきた二人の動き……」


 無駄がない。


 言葉を交わさなくても、お互いが次に何をするか分かっている。



---




「そっちは任せる!」


 突然、少女が前へ飛び出した。


「え?」


 小さな身体。


 だが動きは速い。


 短剣を逆手に持ち、魔物の攻撃を紙一重で避ける。


 そして。


 ――シュッ!


 一瞬で魔物の足を切った。


「速い……」


 俺が驚く。


 少女は倒れた魔物に短剣を突き立てる。


「これくらいなら大丈夫」


「君、何者なんだ?」


 俺が聞く。


「今はそれより、ここから出ることを考えて!」


「でも――」


「来るよ!」


 少女が叫ぶ。


 その直後。


 さらに大量の魔物が現れた。


「……多すぎる」


 アルノが呟く。


「どうする?」


 ミレアが聞く。


 俺は周囲を見る。


 狭い通路。


 逃げるには後ろへ戻るしかない。


 でも、後ろにはすでに崩れた道がある。


「戦うしかない」


 俺は剣を握る。


「なら、俺が前に出る」


 レオンが言う。


「俺も行く」


 俺はレオンの横へ立った。


 レオンが俺を見る。


「無理はするな」


「分かってる」


「ならいい」



---




 魔物が一斉に飛びかかってくる。


「《風刃》!」


 俺が無詠唱で魔法を放つ。


 ――ズバッ!


 先頭の魔物が吹き飛ぶ。


「無詠唱……」


 少女が驚いて俺を見る。


 だが俺は止まらない。


 魔法を放った直後に、前へ踏み込む。


「はっ!」


 剣で一匹。


「《火球》!」


 背後から来た魔物へ火球。


 ――ドン!


 さらに剣。


 ――ザン!


「魔法を使った直後に剣……?」


 少女が目を見開く。


 アルノも驚いている。


「キラ君、昨日より動きが良くなってます」


「レオンに教えてもらったから!」


 俺は答えながら剣を振る。


「でも、まだまだだ!」


「十分すごいと思うけど……」


 少女が呟いた。



---




 魔物を倒していると。


 突然、床に黒い魔法陣が浮かび上がった。


「何だこれ!」


 ガルドが叫ぶ。


 魔法陣から黒い魔力が噴き出す。


「全員、離れて!」


 アルノが叫ぶ。


 俺たちは後ろへ下がった。


 すると。


 倒したはずの魔物の身体が震え始めた。


「まだ動くの?」


 ミレアが驚く。


「違う!」


 アルノが魔力を感知する。


「魔物の身体に残っている黒い魔力が集まっている!」


 黒い光が一つに集まる。


 そして。


 ――ゴォォォ……。


 巨大な影が生まれた。


「何だよ、これ……」


 ガルドが呟く。


 魔物たちの黒い魔力を集めて生まれた、巨大な獣。


 頭部だけでも俺の身長を超えている。


「こんなの聞いてないぞ!」


 ミレアが叫ぶ。


 ダグラスが剣を構える。


「全員、下がれ!」


「でも!」


「こいつは俺が――」


 そのとき。


 少女がダグラスの腕を掴んだ。


「待って!」


「何だ?」


「その魔物を倒しちゃ駄目!」


 全員が少女を見る。


「どういうことだ?」


 レオンが聞く。


 少女は巨大な魔物を睨む。


「そいつを倒すと、この施設そのものが壊れる」


「……!」


 アルノが驚く。


「どうして分かるんですか?」


 少女は答える。


「私がここを管理していたから」


「管理?」


 俺が聞く。


 少女は少し黙った。


 そして。


「私はこの施設で、魔法具の研究をしている」


「そして――」


 少女が俺を見る。


「エリオスの研究を止めるために、ここにいる」


 レオンの表情が変わった。


「エリオスと敵対しているのか?」


「そう」


 少女は頷く。


「だから、あなたたちに協力してほしい」


 俺は巨大な魔物を見る。


「どうすればいい?」


「魔物を倒すんじゃない」


 少女が俺を見る。


「胸にある黒い魔力だけを切り離して」


「……!」


 俺は自分の剣を見る。


 昨日、巨獣の黒い魔力を斬った。


「俺ならできるかもしれない」


 レオンが俺を見る。


「キラ」


「やってみる」


 俺は魔物へ向かって走った。



---




 魔物が腕を振る。


 ――ドゴォン!


 壁が砕ける。


 俺は跳んで避ける。


「速い……!」


 着地。


 すぐに走る。


「《身体強化》!」


 さらに速度を上げる。


 魔物の胸へ接近。


 黒い魔力が渦巻いている。


「これを……」


 普通に斬ったら危険だ。


 なら。


 魔力だけを切る。


 俺は魔力を剣へ集める。


「……できる」


 昨日よりはっきり見える。


 黒い魔力の流れ。


 その中心。


「そこだ!」


 剣を振る。


 ――ズバァッ!


 黒い魔力が真っ二つに割れた。


「成功!」


 アルノが叫ぶ。


 だが。


 魔物は倒れない。


「まだだ!」


 少女が叫ぶ。


「黒い魔力の本体は、もっと奥!」


「分かった!」


 俺はさらに踏み込む。


 剣を構える。


 そして。


 黒い核へ向かって斬り込んだ。


 ――バァァァン!


 黒い光が地下施設を包み込む。


「キラ!」


 レオンが叫ぶ。


 俺は光の中へ消えた。


第34話 終

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