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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』60000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
最終章 魔境エリオス編

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274話 ヴォルガの真の姿



――異次元。


「うおおおおおおおおおお!!」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


激しい咆哮が響き渡る。


レティシア。


エリス。


セリーナ。


そして――。


アルテミス。


四人の力が、真正面からぶつかり合っていた。


ドォォォォォォォォォォォン!!


黒い魔力が爆発する。


光の茨が弾け飛ぶ。


無数の矢が空間を切り裂く。


二本の剣が閃く。


それでも――。


「…………」


アルテミスは笑っていた。


「その程度か」


「…………!」


レティシアの目が鋭くなる。


「まだまだ……!」


レティシアは双剣を構える。


その瞬間――。


身体から凄まじい気が噴き出した。


「双剣神・極!!」


ドォォォォォン!!


レティシアの速度が跳ね上がる。


一瞬。


二瞬。


三瞬。


その姿が――。


消える。


「――ッ!」


アルテミスが振り向く。


「双月斬・極!!」


シュバァァァァァァン!!


左右から同時に斬撃が走る。


アルテミスは腕を交差させた。


ガァァァァァン!!


「…………!」


弾かれる。


だが――。


レティシアは止まらない。


「双牙連閃・極!!」


ガガガガガガガガガッ!!


高速の連続斬撃。


右。


左。


上。


下。


あらゆる方向から剣が襲いかかる。


「ふん」


アルテミスが黒い魔力を纏う。


「遅い」


ドンッ!!


黒い衝撃波が放たれる。


「――っ!」


レティシアが吹き飛ばされる。


「レティシアさん!」


セリーナが叫ぶ。


「大丈夫!」


レティシアは空中で身体を回転させ、着地する。


その横を――。


「ゼファリアス!!」


シュバババババババッ!!


エリスの背後に巨大な魔法陣が浮かび上がる。


無数の魔法陣。


無限に近い数の矢。


「ゼファリアスアロー!!」


ドドドドドドドドドドッ!!


無数の矢が一斉に放たれた。


「…………」


アルテミスが手をかざす。


黒い魔力が壁となる。


ガガガガガガガガガッ!!


矢が次々と弾かれていく。


「くっ……!」


エリスが歯を食いしばる。


「なら――!」


さらに魔力を込める。


矢の速度が跳ね上がる。


「これならどうです!!」


ドォォォォォォン!!


無数の矢が黒い障壁を突き破ろうと殺到する。


しかし。


「無駄だ」


アルテミスの黒い魔力が――。


さらに膨れ上がる。


「…………!」


矢が押し返される。


「そんな……!」


エリスが驚く。


「まだ魔力が増えるの……!?」


その瞬間。


アルテミスの姿が消えた。


「――ッ!」


エリスの目の前。


「ブラック・インパクト」


ドォォォォォォォォォン!!


「きゃあああああ!!」


エリスが吹き飛ばされる。


「エリス!」


セリーナが叫ぶ。


「大丈夫です!」


エリスは地面を転がりながらも立ち上がる。


「まだ……戦えます!」


そして――。


「勇愛聖域!!」


パァァァァァァァァァァ……!!


セリーナの身体から聖なる光が溢れ出した。


巨大な光の聖域が展開される。


光の柱。


巨大な聖堂。


そして――。


その内部から。


光の騎士たちが次々と現れる。


「行ってください!」


「…………!」


光の騎士たちが一斉にアルテミスへ突撃する。


「聖なる力か」


アルテミスが手を広げる。


黒い魔力が渦を巻く。


「ならば――」


ドォォォォォォォン!!


黒い爆発。


光の騎士たちが吹き飛ばされる。


「…………!」


セリーナの顔が強張る。


「そんな……!」


「これが黒神の力だ」


アルテミスが歩く。


一歩。


また一歩。


「どれほど聖なる力を使おうとも――」


黒い魔力がさらに膨れ上がる。


「私には届かない」


――ドンッ!!


三人が同時に吹き飛ばされた。


「ぐっ!」


「きゃっ!」


「うわぁぁぁ!」


レティシア。


エリス。


セリーナ。


三人が地面へ叩きつけられる。


「…………」


その光景を――。


ジュダは見ていた。


まだ身体が完全には動かない。


それでも。


必死に上半身を起こす。


「…………」


三人を見つめる。


レティシア。


エリス。


セリーナ。


それぞれが――。


自分よりも強い。


レティシアの速度。


エリスの弓。


セリーナの聖なる力。


「…………」


ジュダの胸に――。


驚きが広がる。


「……なんだよ」


三人が再び立ち上がる。


傷だらけなのに。


それでも――。


戦う。


「…………」


ジュダは小さく笑った。


「魔王である私ですら……」


拳を握る。


「この三人には……敵わないのか」


初めてだった。


自分が――。


仲間を見上げているような感覚。


「……はは」


ジュダは笑う。


「本当に……化け物みたいな奴らだな」


その時――。


「…………」


声がした。


ジュダのすぐそば。


いや。


もっと近く。


頭の中に直接響く声。


『――相棒よ』


「…………!」


ジュダの目が見開かれる。


聞き覚えのある声。


「……ヴォルガ?」


『そうだ』


ジュダの手の中。


魔剣ヴォルガが――。


僅かに震えた。


『我を解放しろ』


「…………」


ジュダは魔剣を見る。


『今の我では――』


黒い刀身が淡く輝く。


『あの女には届かぬ』


「…………」


『だが』


声が変わる。


低く。


力強く。


『我の本来の姿であれば――』


黒い魔力が刀身から溢れ出す。


『互角以上に戦える』


「…………!」


ジュダの目が見開かれる。


「本来の……姿?」


『そうだ』


「お前に……そんな力が?」


『長き時を経て、我は力を封じていた』


魔剣ヴォルガが震える。


『相棒よ』


『決めろ』


「…………」


『我を解放するか』


『このまま終わるか』


ジュダは目を閉じた。


目の前では――。


レティシアが立ち上がる。


「まだ……終わってない」


エリスも弓を握る。


「私たちが……止めます」


セリーナも立ち上がる。


「ジュダさん……!」


三人が戦っている。


自分を守るために。


自分の代わりに。


「…………」


ジュダはゆっくりと立ち上がろうとした。


身体が痛む。


足が震える。


「ぐっ……」


それでも。


魔剣ヴォルガを握る。


「…………」


ジュダは三人を見る。


そして――。


「……私も」


一歩。


足を踏み出す。


「戦う」


もう一歩。


「私だけが守られているわけにはいかないな」


三人が振り返る。


「ジュダ……?」


ジュダは笑った。


「私も――」


魔剣ヴォルガを掲げる。


「仲間だからな」


その瞬間。


魔剣ヴォルガが――。


激しく震え始めた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!


「…………!」


アルテミスが振り向く。


「何……?」


ジュダの周囲に――。


黒い魔法陣が無数に展開される。


「ヴォルガ……」


ジュダが呟く。


「お前の力を――」


魔剣の刀身に亀裂のような光が走る。


「全部、貸せ」


『――望むところだ』


ドォォォォォォォォォォン!!


爆発。


黒い魔力が一気に吹き上がる。


「なっ……!」


アルテミスが目を見開く。


魔剣ヴォルガの刀身が――。


崩れていく。


いや。


違う。


形を変えている。


刀身が細く。


長く。


鋭く。


そして――。


巨大な槍へと変化していく。


「…………」


ジュダは目を見開いた。


魔剣ヴォルガは――。


もはや剣ではなかった。


漆黒の巨大な槍。


その穂先から――。


凄まじい黒い雷光が迸る。


「これが……」


ジュダの手に伝わる。


圧倒的な力。


今までとは比べ物にならない。


「ヴォルガの……」


魔剣の声が響く。


『我の真の姿――』


黒い雷が異次元を走る。


『魔神槍――』


ジュダが槍を握り締める。


「…………」


そして――。


『グングニル』


ドォォォォォォォォォォォォン!!!!


赤黒い魔力が爆発する。


レティシア。


エリス。


セリーナ。


三人が振り返る。


「…………!」


ジュダは巨大な黒い槍を構えていた。


その身体から溢れる魔力は――。


先ほどまでとは完全に違う。


アルテミスも初めて――。


表情を変えた。


「…………それは……」


ジュダは槍を肩に担ぐ。


そして――。


静かに笑った。


「待たせたな」


その瞳に――。


魔王の光が戻る。


「アルテミス」


魔神槍グングニルが――。


黒い雷を纏う。


「ここからは――」


ジュダは一歩前へ出た。


「私も混ぜてもらうぞ」


――――――――――


異次元の空間に――。


新たな戦いの幕が上がる。


第274話 終

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