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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』50000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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250話 剣神と大賢者


――デダルク左戦場。


そこでも――。


すでに戦いは始まっていた。


「撃てぇぇぇぇぇ!!」


「魔法を集中させろ!!」


「敵を近づけるな!!」


ドォォォォォン!!


ズガァァァァン!!


バリバリバリバリッ!!


聖教都市シルオットの騎士団。


そして――。


魔法星団。


その二つの軍勢が、魔境軍と激突していた。


空を埋め尽くすほどの魔法。


炎。


氷。


雷。


風。


光。


次々と魔境軍へ降り注ぐ。


「ファイアストーム!!」


「アイスランス!!」


「サンダーレイン!!」


ドドドドドドドド!!


「グオオオオオオ!!」


魔境兵が吹き飛ぶ。


だが――。


倒しても。


倒しても。


後ろから新たな魔境兵が押し寄せてくる。


「まだ来るぞ!!」


「魔力を切らすな!!」


「騎士団、前へ!!」


ガキィィィン!!


騎士たちが盾を構える。


「うおおおおお!!」


剣を振る。


ザシュッ!!


魔境兵を斬り倒す。


その後ろから――。


さらに魔法が飛ぶ。


「撃てぇぇぇ!!」


ドォォォォォン!!


魔境軍の一角が吹き飛んだ。


――その戦場の中心。


「…………」


一人の少女が、戦場全体を見渡していた。


大賢者――リリー。


淡い青色の髪を揺らしながら、静かに前方を見つめている。


そのすぐ後ろには――。


チャルマ。


アルミン。


二人の剣士が立っていた。


「リリー様」


チャルマが周囲を警戒する。


「敵が右から回り込もうとしています」


「分かった」


リリーは頷く。


「魔法星団に右側を固めてもらって」


「はい」


アルミンが頷く。


「騎士団には前線を維持させます」


「お願い」


リリーは再び前を見る。


「…………」


そして――。


遠くにいる一人の男へ視線を向けた。


「アブソリューさんは……」


リリーの表情が少し曇る。


「大丈夫なのかな……」


その視線の先。


敵陣のど真ん中。


そこには――。


一人の剣士がいた。


「はああああああああ!!」


ザシュッ!!


「グアアアアア!!」


一閃。


魔境兵が吹き飛ぶ。


「まだ来るか!!」


ガキィィィン!!


斧を受け止める。


そのまま――。


「邪魔だ!!」


ズバァァァァン!!


斧ごと敵を斬り裂く。


「グオオオオオ!!」


「囲め!!」


「一人だぞ!!」


「数で押せ!!」


数十体の魔境兵が一斉に飛びかかる。


だが――。


「遅い!!」


シュンッ!!


アブソリューの姿が消える。


次の瞬間。


「そこだ!!」


ザシュッ!!


一体。


「こっちだ!!」


ザシュッ!!


二体。


「まだだ!!」


ズバァァァァン!!


三体。


四体。


五体。


「グアアアアア!!」


「な、なんだこいつは!?」


「速すぎる!!」


魔境軍は――。


手も足も出ない。


剣神アブソリュー。


その剣は――。


ただ振るわれているだけではない。


一撃一撃が、戦場そのものを切り裂いていく。


「うおおおおおお!!」


アブソリューが突っ込む。


ガキィィィン!!


敵の剣を弾く。


そのまま身体を回転させ――。


「斬る!!」


ズバァァァァァン!!


周囲の魔境兵がまとめて吹き飛んだ。


「化け物だ……!」


「近づけない!!」


「下がるな!!」


しかし――。


魔境軍が下がるより早く。


空から巨大な魔法が降り注ぐ。


「――――!!」


ドゴォォォォォォン!!


炎の柱が魔境軍を飲み込む。


「グアアアアア!!」


さらに。


バリバリバリバリッ!!


雷が走る。


ズガァァァァン!!


氷の槍が降り注ぐ。


ドドドドドドド!!


魔境軍が次々と吹き飛んでいく。


アブソリューが笑う。


「いいぞ!!」


剣を振り抜く。


「そのまま魔法を叩き込めぇぇぇ!!」


「了解!!」


遠くから魔法星団が応える。


リリーも杖を掲げる。


「――まだまだ!!」


魔力が膨れ上がる。


「一気に押し返すよ!!」


ドォォォォォォン!!


巨大な光球が生まれる。


それが――。


一直線に魔境軍へ飛んでいく。


「――――!!」


ドォォォォォォォォォン!!


大爆発。


魔境軍が大きく後退する。


「よし!」


リリーが拳を握る。


「押してる……!」


だが――。


その時。


「――何をしている!!」


低い声が戦場に響き渡った。


「…………!」


リリーが顔を上げる。


「魔境軍よ!!」


「…………!」


魔境兵たちが振り返る。


「敵は目の前だ!!」


ズンッ。


地面が揺れる。


「怯むな!!」


ドォォォォォン!!


巨大な魔力が爆発する。


「押し潰せぇぇぇぇぇ!!」


「うおおおおおおお!!」


「グオオオオオオ!!」


魔境軍が再び前へ出る。


その先頭に――。


二人の男が現れた。


一人は巨大な剣を背負っている。


鋭い目。


重厚な身体。


そして――。


もう一人は長い杖を持っていた。


身体の周囲に、濃密な魔力が渦巻いている。


「…………」


リリーが目を細める。


「魔境将軍……」


二人。


魔境将軍。


そのうち一人が――。


剣を抜いた。


「我は――」


巨大な剣を肩に担ぐ。


「魔境将軍、ゾルガ!!」


ドォォォォォン!!


魔力が爆発する。


「そして――」


もう一人が杖を掲げる。


「魔境将軍、ベルガ!!」


バリバリバリバリッ!!


雷のような魔力が空へ走る。


「…………!」


リリーの表情が変わる。


「二人……」


チャルマが剣を握る。


「リリー様」


アルミンも前へ出る。


「下がってください」


だが――。


その時。


「おおおおおおおお!!」


戦場の奥から声が響いた。


「剣か!!」


「…………?」


全員が振り向く。


魔境軍のど真ん中。


そこには――。


アブソリューが立っていた。


剣を肩に担ぎながら――。


ニヤッと笑う。


「お前も剣か」


ゾルガを見る。


「よし」


アブソリューは歩き出す。


「俺がやろう」


「…………!」


リリーが目を見開く。


「アブソリューさん!?」


アブソリューは振り返らない。


そのまま――。


ゾルガへ向かって歩いていく。


「おいおい……」


ゾルガが笑う。


「一人で俺に向かってくるのか?」


「一人で十分だ」


アブソリューが答える。


「…………」


ゾルガの口元が上がる。


「面白い」


二人の間に――。


凄まじい殺気が広がる。


そして。


アブソリューが剣を構えた。


「来い」


「望むところだ」


その瞬間――。


ズドォォォォォン!!


二人が同時に走り出した。


「うおおおおおおお!!」


「ぬおおおおおお!!」


ガキィィィィィィン!!!!


剣と剣が――。


真正面から激突した。


「――――!!」


衝撃波が爆発する。


ドォォォォォン!!


地面が大きく砕ける。


周囲の魔境兵が吹き飛ぶ。


「うわぁぁぁ!!」


「近づくな!!」


「将軍同士の戦いだ!!」


アブソリューは剣を押し込む。


「なかなかやるな!!」


ゾルガも笑う。


「貴様こそ!!」


ガキィィィン!!


剣を弾く。


アブソリューが一歩下がる。


「――ッ!」


その瞬間。


ゾルガが踏み込む。


「ぬおおおおお!!」


ズガァァァァン!!


横薙ぎ。


アブソリューが剣を立てて受ける。


ガキィィィィン!!


「重い!!」


「まだだ!!」


ゾルガがさらに振る。


上。


右。


左。


連続する斬撃。


「はあっ!!」


「おおお!!」


ガキィィィン!!


ガキィィィン!!


ガキィィィン!!


火花が飛び散る。


アブソリューの足元が――。


ズズズズズ……。


地面へめり込んでいく。


だが――。


「ふっ!!」


アブソリューが力を込める。


「俺を押し切れると思うな!!」


ドォォォォォン!!


ゾルガの剣を弾き飛ばす。


「なっ!?」


ゾルガが一歩後退する。


アブソリューは追撃。


「いくぞ!!」


シュンッ!!


一瞬で距離を詰める。


「剣神――」


剣を振り上げる。


「一閃!!」


ズバァァァァァン!!


ゾルガが剣で受ける。


ガキィィィィン!!


だが――。


「ぐっ……!」


身体が大きく後退する。


「やるな……!」


ゾルガが笑う。


「お前の名は?」


アブソリューは剣を構え直す。


「アブソリュー」


「…………!」


ゾルガが目を見開く。


「そうか」


「そうだ」


アブソリューが笑う。


「お前は?」


ゾルガは巨大な剣を握り直す。


「俺は魔境将軍 ゾルガ」



「なるほど」


アブソリューが笑う。


「だったら――」


「思い切りやろうぜ」


「望むところだ!!」


二人が再び――。


激突した。


ガキィィィィィン!!


ズガァァァァン!!


ドォォォォォン!!


戦場の一角で――。


剣神と魔境将軍。


二人の剣が激しくぶつかり合っていく。


――――――――――


その頃。


「ベルガ様!!」


魔境兵が叫ぶ。


「ゾルガ様の援護を!!」


ベルガは頷く。


「分かっている」


杖を構える。


「ゾルガを援護する」


ベルガがアブソリューたちへ向かって歩き出す。


その前に――。


「…………」


一人の少女が立っていた。


リリー。


杖を片手に持ち――。


じっとベルガを見つめている。


「…………」


ベルガが足を止める。


「どけ」


「嫌です」


「…………」


ベルガの魔力が膨れ上がる。


「我は――」


杖を掲げる。


「魔境将軍ベルガ!!」


ドォォォォォン!!


巨大な魔力が周囲を震わせる。


「邪魔をするな!!」


リリーは――。


少しだけ笑った。


そして。


「お邪魔します」


ペロッ。


舌を出す。


「…………」


ベルガの顔が引きつる。


「貴様……」


リリーの右手。


そこに――。


キラから渡された魔石があった。


「…………」


リリーは魔石を見る。


淡い白い光。


「この力……」


魔石から――。


ルミナル・聖が流れ込んでくる。


シュゥゥゥゥ……。


「…………!」


リリーの身体を包む光。


その瞬間。


リリーは目を見開いた。


「これ……」


身体の奥に広がる――。


懐かしい感覚。


かつての自分。


あの時。


黒い魔力と戦った時に感じた――。


白の力。


「……同じだ」


リリーが呟く。


「この光……」


拳を握る。


「私があの時感じた力と同じ」


ベルガが眉をひそめる。


「何を言っている?」


リリーは――。


ニッと笑う。


「これなら……」


杖を構える。


「こいつにも勝てる!」


ベルガの目が鋭くなる。


「ほう……」


魔力が膨れ上がる。


「ならば試してみろ!!」


「もちろん!」


リリーが叫ぶ。


「いくよ!!」


ベルガが杖を振る。


「消し飛べぇぇぇぇ!!」


ドォォォォォォォン!!


巨大な闇色の魔力弾が――。


一直線に飛んでくる。


「――――!」


リリーは杖を掲げる。


「聖光障壁!!」


パァァァァァァン!!


巨大な光の盾が出現する。


ドォォォォォン!!


闇色の魔力弾が直撃。


「くっ……!」


リリーの足が地面を滑る。


ズズズズズ……。


「負けない!!」


光の盾がさらに輝く。


「はあああああ!!」


バァァァァン!!


闇の魔力弾を弾き飛ばした。


「何!?」


ベルガが目を見開く。


リリーがすぐに反撃。


「いくよ!!」


杖を振る。


「セレスティアル・レイ!!」


ズガァァァァァン!!


巨大な光線がベルガへ突き進む。


「――っ!」


ベルガが横へ飛ぶ。


光線が大地を焼き払う。


ズバァァァァァン!!


「なかなか……!」


ベルガが着地する。


「ならば――」


杖を空へ掲げる。


「我が魔力を見せてやる!!」


空が――。


黒く染まる。


ゴゴゴゴゴゴゴ……。


巨大な魔法陣が展開する。


「ベルガさん……!」


リリーが見上げる。


「これ……かなり大きい……!」


「消えろ!!」


ドォォォォォォォォォン!!


無数の黒い雷が――。


地上へ降り注ぐ。


バリバリバリバリバリッ!!


「危ない!!」


リリーが走る。


ドォン!!


一発。


ズガァァァン!!


二発。


ドゴォォォォン!!


三発。


大地が次々と爆発する。


リリーは走りながら魔法を放つ。


「ライトニング!!」


バリバリバリッ!!


白い雷が黒い雷を撃ち落とす。


「ファイア!!」


ドォン!!


炎が黒い雷を焼き払う。


「アイス!!」


パキィィィン!!


氷が空中で魔法を凍らせる。


「まだまだ!!」


リリーが走る。


ベルガが叫ぶ。


「小賢しい!!」


「ならば――」


杖を振る。


「ダーク・メテオ!!」


ゴォォォォォォ!!


巨大な黒い隕石が空から落ちてくる。


「――――!!」


リリーが目を見開く。


「こんなの――!」


魔石の光がさらに輝く。


シュゥゥゥゥ……。


リリーの身体に白い光が集まる。


「今の私なら――!」


杖を掲げる。


「負けない!!」


パァァァァァァァァァン!!


巨大な光の魔法陣が展開する。


そして――。


「ホーリー・ブレイカー!!」


ドォォォォォォォォォォン!!!!


白い光の奔流が放たれる。


黒い隕石と――。


真正面から激突する。


ズガァァァァァァァァァン!!!!


光と闇がぶつかり合う。


「うおおおおおお!!」


「はああああああ!!」


二人の魔力が激突する。


大地が震える。


空気が震える。


周囲の魔境兵たちが吹き飛ばされる。


「何だあの魔法は!?」


「近づけない!!」


「将軍同士の戦いだ!!」


一方。


少し離れた場所では――。


ガキィィィィン!!


「はあああああ!!」


「ぬおおおおお!!」


剣神アブソリューとゾルガも――。


激しい斬り合いを続けていた。


剣と剣。


光と闇。


二つの戦場が――。


同時に爆発する。


ドォォォォォォォン!!


ズガァァァァァン!!


リリーは歯を食いしばる。


「まだ……!」


ベルガも吠える。


「押し切れぇぇぇぇぇ!!」


そして――。


光と闇の激突は。


さらに激しさを増していった。


第250話 終

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