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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』50000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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249話 マントラとの一騎打ち



――デダルク正面、右戦場。


「うおおおおおおおお!!」


「グオオオオオオオオ!!」


戦場は――。


さらに激しさを増していた。


矢が飛ぶ。


魔法が飛ぶ。


剣がぶつかる。


盾が砕ける。


そして――。


ドォォォォォン!!


ドシュゥゥゥン!!


ドゴォォォォン!!


ジミーの魔導兵器が、次々と魔境軍を吹き飛ばしていく。


「次です!」


ジミーが別の兵器を構える。


カチャッ。


装填。


「まだ撃てます!」


ドシュゥゥゥゥン!!


巨大な魔力弾が飛ぶ。


「グオオオオオ!!」


ドォォォォォォン!!


魔境兵がまとめて吹き飛ぶ。


「次!」


ジミーはさらに別の兵器へ手を伸ばす。


だが――。


「…………」


一瞬。


ジミーの動きが止まった。


「……あれ?」


兵器が――。


動かない。


「…………」


カチャ。


もう一度、操作する。


「…………」


何も起きない。


「え?」


ジミーが目を丸くする。


「え、えっと……」


魔力計を見る。


「…………」


残量――ゼロ。


「…………」


ジミーの顔が固まる。


「…………魔力……」


小さな声。


「切れました……」


その瞬間。


魔境兵が一気に押し寄せてくる。


「グオオオオオオ!!」


「来るぞ!!」


「迎え撃て!!」


兵士たちが盾を構える。


ガァァァァン!!


「ぐっ……!」


「押されるな!!」


ジミーは悔しそうに兵器を見る。


「まだ……撃ちたいのに……」


その肩に――。


ぽん。


リゼッタが手を置いた。


「ジミー」


「…………!」


振り返る。


リゼッタは優しく笑っていた。


「よく頑張ったな」


「…………」


「お前のおかげで、かなり敵を削れた」


「…………!」


ジミーの目が少しだけ大きくなる。


「本当に……?」


「ああ」


リゼッタは頷く。


「十分だ」


「…………」


ジミーの頬が――。


ほんのり赤くなる。


「そ、そうですか……」


「うん」


「えへ……」


ジミーは小さく笑った。


「……頑張りました」


「よくやった」


リゼッタは前方を見る。


魔境軍はまだ大量に残っている。


だが――。


ここまでジミーが撃ち続けた魔導兵器によって、確実に数は減っていた。


「ジミー」


「はい!」


「魔力を回復させておいてくれ」


「了解です!」


「次は――」


リゼッタが後方を見る。


そこには――。


ずっと待機していたパオ。


「パオだ」


「…………!」


パオが顔を上げる。


「次はパオ」


リゼッタが言う。


「スキルを頼む」


パオは――。


ニッと笑った。


「了解ヨ!」


その瞬間。


パオが前へ出る。


「みんな、ちょっと借りるネ!」


両手を広げる。


そして――。


「死霊操作――!!」


ズズズズズズズ……。


地面から――。


黒い魔力が広がっていく。


「…………」


倒れていた魔境兵たち。


先ほどまで戦場に転がっていた者たち。


その身体が――。


ピクリ。


「……?」


兵士たちが目を見開く。


ピクッ。


ピクッ。


そして――。


「グ……」


一体が立ち上がった。


「…………!」


さらに。


「グオ……」


二体。


三体。


十体。


百体。


倒れていた魔境軍が――。


次々と起き上がっていく。


「な……!」


「死んだ兵士が……!」


「立ち上がった!?」


パオは笑った。


「さぁ――」


腕を振る。


「行くヨ!!」


ズドドドドドドドド!!


死霊兵となった魔境軍が――。


一斉に走り出す。


「グオオオオオオ!!」


「グアアアアア!!」


向かう先は――。


生きている魔境軍。


「なっ!?」


「何だこいつらは!?」


「味方が――!」


ドォォォォン!!


死霊兵が魔境兵へ突っ込む。


「グアアアア!!」


「ぐおおお!!」


「止めろ!!」


「こいつらを止めろ!!」


しかし――。


死んだはずの兵士たちは倒れても立ち上がる。


一体倒しても。


「グ……」


また起き上がる。


二体倒しても。


「グオ……」


さらに起き上がる。


「な、なんなんだこいつらは!?」


「死なないぞ!!」


「押し返せ!!」


魔境軍の隊列が――。


一気に崩れ始めた。


「今だ!!」


リゼッタが叫ぶ。


「前へ!!」


「おおおおおおおお!!」


リゼッタ軍が一斉に進む。


盾が前へ。


剣が前へ。


弓が前へ。


魔法が前へ。


死霊兵が魔境軍を乱し――。


その隙を、生きた兵士たちが突く。


「押せぇぇぇぇぇ!!」


「進めぇぇぇぇ!!」


ドォォォォン!!


ガキィィィン!!


ズガァァァァン!!


戦場が――。


さらに混戦となった。


敵と味方。


生者と死者。


魔法と武器。


あらゆるものが入り乱れる。


「グオオオオオ!!」


「うおおおおお!!」


「右を守れ!!」


「左から来るぞ!!」


「死霊兵を前へ!!」


パオが次々と指示を出す。


「そっちヨ!」


「もっと前ネ!」


「そのまま突っ込むヨ!!」


死霊兵たちが魔境軍へ食らいつく。


リゼッタ軍は、その後ろを進む。


「いいぞ!」


リゼッタが叫ぶ。


「そのまま進め!!」


一歩。


また一歩。


今まで以上の速度で――。


前進していく。


だが――。


その時。


「…………」


戦場の奥。


騒がしい戦場とは対照的に――。


一人の男が。


ゆっくりと歩いてきた。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


魔境兵たちが、その姿を見る。


「…………」


道が開く。


誰もその男の前を横切らない。


死霊兵ですら――。


足を止める。


そして。


男は――。


まっすぐリゼッタたちへ歩いてくる。


「…………」


リゼッタが目を細める。


あの男。


先ほどから戦場の奥にいた――。


魔境将軍。


マントラ。


ズシン。


ズシン。


ついに――。


マントラが前線へ姿を現した。


「…………」


リゼッタは弓を背負う。


そして――。


ニヤッと笑った。


「またボスのお出ましか」


パオが振り返る。


「リゼッタ?」


ジミーも顔を上げる。


「どうしますか!?」


リゼッタは二人を見る。


「パオ」


「はいヨ!」


「この戦場の指揮を頼む」


「了解ヨ!」


「ジミー」


「はい!」


「お前は魔力を回復させながら、パオを援護してくれ」


「分かりました!」


リゼッタは前を見る。


マントラが――。


こちらへ向かっている。


「…………」


リゼッタは一歩前へ出る。


そして――。


「私は――」


弓を外す。


「こいつをぶっ倒してくる」


ニコッ。


リゼッタが笑った。


「え……」


ジミーが目を丸くする。


「一人で……?」


パオも笑う。


「リゼッタなら大丈夫ヨ!」


「任せた」


リゼッタは歩き出す。


一歩。


また一歩。


マントラへ向かって――。


真っ直ぐに。


「…………」


マントラも止まった。


二人の距離――。


数十メートル。


戦場の中央。


周囲では、まだ無数の兵士たちが戦っている。


だが――。


そこだけ。


まるで別の空間になったようだった。


「…………」


マントラがリゼッタを見る。


「女」


「何だ?」


「貴様がこの軍の頭だな」


「そうだ」


リゼッタは笑う。


「そして――」


拳を握る。


「お前を倒す女だ」


「…………」


マントラの口元が歪む。


「面白い」


「来い」


リゼッタの右手。


そこに――。


白い光が集まり始めた。


「…………!」


マントラの目が細くなる。


「その力……」


リゼッタの右手に浮かぶ魔力。


かつて失った――。


白の魔力。


そして――。


キラから渡された魔石。


そこに込められた――。


「ルミナル・聖」。


「…………」


リゼッタは魔石を見る。


淡い白い光。


それが――。


身体へ流れ込んでくる。


シュゥゥゥゥ……。


「…………!」


リゼッタの表情が変わった。


「この力……」


身体の奥。


失われていた感覚。


かつて自分が持っていた――。


白の魔力と。


同じ。


いや。


それに近い。


純粋な光の力。


「……そうか」


リゼッタが拳を握る。


ギュッ。


白い光が――。


拳を包み込む。


「これなら……」


リゼッタの口元が――。


ニヤッと上がる。


「いける」


マントラが咆哮する。


「来いッ!!」


ドォォォォォン!!


マントラが地面を蹴った。


「――っ!」


リゼッタも――。


同時に踏み込む。


ドンッ!!


二人の距離が一瞬で消える。


「おおおおおおお!!」


「うおおおおおお!!」


拳と拳が――。


真正面から激突した。


ガァァァァァァァン!!!!


衝撃波が爆発する。


「――――!!」


周囲の兵士たちが吹き飛ばされる。


「うわぁぁぁぁ!!」


「なんだ今の衝撃は!?」


ドォォォォォン!!


二人の足元の地面が――。


一瞬で砕けた。


「…………」


リゼッタとマントラ。


互いに拳を押し合っている。


「ほう……」


マントラが笑う。


「その細い身体で――」


グググググ……。


「我の拳を受け止めるか!!」


リゼッタも笑う。


「まだまだ――」


白い光が拳から噴き出す。


「こんなもんじゃない!」


ドォォォォォン!!


リゼッタが拳を弾く。


「なっ――!」


マントラの身体が僅かに浮く。


その瞬間。


「はあああああ!!」


リゼッタが踏み込む。


「オラァァァァ!!」


ドゴォォォォォン!!


拳がマントラの腹へ突き刺さる。


「グオッ!!」


マントラが吹き飛ぶ。


ズガァァァァン!!


瓦礫へ叩きつけられる。


だが――。


「…………」


マントラはゆっくり立ち上がる。


口元から血を拭う。


そして――。


「フフ……」


笑った。


「なるほど……」


拳を握る。


「面白い!!」


ドォォォォォン!!


マントラの魔力が爆発する。


「ならば――」


リゼッタを見る。


「肉弾戦で決着をつけてやる!!」


「望むところだ!!」


リゼッタも笑う。


白い光が全身を包む。


二人が――。


同時に走り出す。


ドドドドドドドド!!


拳。


蹴り。


肘。


膝。


すべてが飛び交う。


ガキィィィン!!


ドゴォォォォン!!


ズガァァァァン!!


「おおおおおおお!!」


「グオオオオオオ!!」


拳がぶつかる。


肘が交差する。


蹴りが地面を砕く。


そして――。


そのたびに。


リゼッタの身体を包む白い光が強くなる。


「…………!」


リゼッタは笑った。


「この力なら――」


拳を握る。


「私はまだ戦える!!」


マントラも咆哮する。


「ならば来い!!」


「何度でも叩き潰してやる!!」


「上等だ!!」


二人は再び――。


真正面から激突した。


ドォォォォォォォォォン!!!!


戦場右。


無数の兵士たちが入り乱れる中――。


弓王リゼッタと魔境将軍マントラ。


二人の肉弾戦は――。


さらに激しさを増していった。


第249話 終

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