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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』50000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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248話 守りの部隊



――デダルク正面。


激しい戦いが続く中、その右側でも――。


別の軍団が静かに進軍していた。


「…………」


先頭に立つのは――。


弓王リゼッタ。


その後ろには、魔族軍。


パオ。


ジミー。


そして――。


数多くの兵士たち。


「…………」


リゼッタは前方を見つめていた。


遠くでは、巨大な爆発が何度も起きている。


ドォォォォン!!


ズガァァァン!!


「中央も……激しいな」


リゼッタが小さく呟いた。


視線の先。


デダルク正面では――。


レオン。


ベルゼル。


そして魔境軍が激突している。


大地を揺らすほどの戦い。


だが。


リゼッタは慌てなかった。


「…………」


弓を背負ったまま、静かに口を開く。


「パオ」


「ハイヨ!」


パオが返事をする。


「ジミー」


「は、はい!」


ジミーも振り返る。


リゼッタは二人を見る。


そして――。


「我々も戦う」


「はいヨ!」


パオが元気よく答える。


ジミーも頷く。


「分かりました!」


リゼッタは前方へ視線を戻した。


「ただし――」


少しだけ間を置く。


「パオ。まだ手を出すな」


「…………?」


パオが首を傾げる。


「ギリギリまで、私が敵を倒す」


リゼッタは弓へ手を添える。


「その時になったら――」


パオを見る。


「スキルを使ってくれ」


「分かったヨ!」


パオは頷いた。


「それまでは待機ネ!」


「ああ」


リゼッタは次にジミーを見る。


「ジミー」


「はい!」


「兵器をどんどん使って攻撃して!」


「了解です!」


ジミーの目が輝く。


「任せてください!」


そう言うと――。


ジミーは背中に背負った装備を確認する。


魔導兵器。


これまで彼女が作り上げてきた武器の数々。


「使えるものは全部使います!」


「頼む」


そしてリゼッタは――。


自軍全体を振り返った。


「みんな!」


「…………!」


兵士たちが一斉に顔を上げる。


「我々は――」


リゼッタが弓を握る。


「守りの部隊だ!」


兵士たちが耳を澄ます。


「攻めることだけを考えるな!」


「守りながら進む!」


「陣形を崩すな!」


「突出するな!」


リゼッタの声が響き渡る。


「全員で進む!」


「一人も勝手に前へ出るな!」


「全員で――」


弓を前方へ向ける。


「敵を押し返す!!」


「おおおおおおおおお!!」


兵士たちが叫んだ。


リゼッタは頷く。


「進め!」


ドドドドドドドド……。


軍勢が動き出す。


だが――。


他の軍団のような激しい突撃ではない。


一歩。


また一歩。


盾を構え。


武器を握り。


隊列を崩さず――。


ゆっくりと前へ進んでいく。


「前衛、止まるな!」


「後衛、距離を維持!」


「左右の間隔を空けるな!」


リゼッタが次々と指示を出す。


その軍団は――。


まるで巨大な壁だった。


「…………」


パオは後方で待機している。


いつでもスキルを使えるように準備しながら――。


まだ動かない。


ジミーはその隣で魔導兵器を構えていた。


「…………」


カチャッ。


装填。


「敵、射程に入りました!」


リゼッタが頷く。


「撃って」


「はい!」


ドシュン!!


魔導兵器から――。


巨大な魔力弾が飛び出す。


ドォォォン!!


遠くの魔境兵が吹き飛ぶ。


「よし!」


「次!」


ジミーが次の兵器を構える。


「これもいきます!」


ガチャッ。


ドシュゥゥゥン!!


別の魔力弾が飛ぶ。


ドォォォォン!!


「グオオオオオ!!」


魔境軍の一角が崩れる。


「進め!」


リゼッタが叫ぶ。


兵士たちが一歩進む。


そして――。


その時だった。


「…………」


前方。


大量の魔境兵の奥から――。


低い声が響いた。


「人間ども……」


「…………!」


リゼッタが足を止める。


兵士たちも止まった。


「…………」


魔境軍の群れが左右へ割れていく。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


巨大な足音。


その奥から――。


一人の魔族が姿を現した。


巨大な身体。


黒い鎧。


異様なほど濃い魔力。


そして――。


「我は――」


男が腕を広げる。


「魔境将軍が一人!」


ドォォォォン!!


魔力が爆発する。


「マントラ!!」


「…………!」


兵士たちの間に緊張が走った。


魔境将軍。


それだけで――。


空気が変わる。


マントラは魔境軍を見渡す。


そして――。


大声で叫んだ。


「何をしている!!」


「…………!」


魔境兵たちが顔を上げる。


「敵は目の前だぞ!!」


マントラが拳を突き上げる。


「進めぇぇぇぇぇぇぇ!!」


「うおおおおおおおおお!!」


魔境軍が一斉に動き出した。


「来るぞ!!」


「構えろ!!」


「盾を!!」


リゼッタが叫ぶ。


「全軍――」


弓を引く。


「迎撃!!」


「放てぇぇぇぇ!!」


ヒュンッ!!


ヒュンッ!!


ヒュンッ!!


無数の矢が空を飛ぶ。


その後ろから――。


魔法が飛ぶ。


「ファイア!!」


「アイス!!」


「サンダー!!」


ドドドドドドッ!!


魔境軍へ一斉に降り注ぐ。


「グオオオオオ!!」


「ぐああああ!!」


「怯むな!!」


魔境軍は止まらない。


倒れた兵士を踏み越え――。


さらに突っ込んでくる。


「前衛!!」


リゼッタが叫ぶ。


「受け止めろ!!」


「おおおおおお!!」


ガァァァァン!!


盾の壁が完成する。


魔境兵が突っ込んでくる。


ドォォォォン!!


「ぐっ……!」


「押されるな!!」


「盾を合わせろ!!」


ガキィィィン!!


巨大な斧が盾へ叩きつけられる。


「うぐっ……!」


「耐えろ!!」


後方では――。


リゼッタが弓を引いていた。


「…………」


キリキリキリ……。


弦が限界まで引き絞られる。


「そこ……!」


ヒュンッ!!


矢が飛ぶ。


ザシュッ!!


魔境兵の腕を貫く。


「グオッ!!」


続けて――。


ヒュンッ!


ヒュンッ!


ヒュンッ!


次々と矢が飛んでいく。


「一体ずつ――」


リゼッタが狙う。


「確実に削る!」


ヒュンッ!!


ズシュッ!!


「ぐあああ!!」


また一体。


「次!」


ヒュンッ!!


「次!」


ヒュンッ!!


「次!!」


ヒュンッ!!


魔境軍の前進が少しずつ鈍る。


だが――。


その数は多い。


「まだ来るぞ!!」


「右から回り込まれる!!」


「盾隊、右へ!!」


リゼッタが即座に指示を出す。


「対応!」


「はい!!」


兵士たちが隊列を維持したまま動く。


右へ。


左へ。


一歩ずつ。


決して突出しない。


「いいぞ!」


リゼッタが叫ぶ。


「そのまま!」


「全員で進め!!」


――その後方。


「パオ」


ジミーが声をかける。


「まだ待つネ」


パオはじっと戦場を見つめていた。


「リゼッタさんがまだ戦ってるヨ」


「うん」


ジミーも前を見る。


「私たちは今じゃない」


その手には――。


巨大な魔導兵器。


「今は撃つ」


ドシュゥゥゥン!!


巨大な魔力弾が戦場を横切る。


ドォォォォォン!!


魔境兵が吹き飛ぶ。


「もう一発!」


ガチャッ。


ドシュン!!


「さらに!」


ドシュゥゥゥン!!


ドォォォォォン!!


ドォォォォォン!!


連続する爆発。


「グオオオオオオ!!」


魔境軍が吹き飛ぶ。


「進め!!」


リゼッタの声。


「一歩ずつだ!!」


「おおおおおお!!」


兵士たちが前へ進む。


しかし――。


「ぬるいぞ!!」


マントラが叫んだ。


その身体から――。


凄まじい魔力が放たれる。


ズズズズズズズ……。


地面が震える。


「この程度の攻撃で――」


マントラが前へ出る。


「我ら魔境軍を止められると思うな!!」


ドォォォォォォォン!!


マントラが地面を蹴った。


一瞬で距離を詰める。


「――っ!」


リゼッタが目を見開く。


「来るぞ!!」


前衛が構える。


「盾を!!」


マントラの拳が――。


振り下ろされる。


「ぬおおおおおお!!」


ドゴォォォォォォン!!


盾の壁が大きく揺れた。


「ぐあああああ!!」


前衛の数人が吹き飛ぶ。


「隊列を崩すな!!」


リゼッタが叫ぶ。


「倒れた者を後ろへ!」


「はい!!」


兵士たちがすぐに仲間を回収する。


そして――。


空いた場所へ別の兵士が入る。


「盾を合わせろ!!」


「おおおおお!!」


再び壁ができる。


マントラが笑う。


「ほう……」


「まだ立つか」


リゼッタは弓を引いた。


「当然だ」


「…………」


マントラがリゼッタを見る。


「貴様が指揮官か」


「そうだ」


「ならば――」


マントラが笑う。


「まずは貴様から倒す!!」


「…………」


リゼッタの目が鋭くなる。


弦を引き絞る。


キリ……。


「そう簡単には――」


ヒュンッ!!


矢が放たれる。


マントラが腕で受ける。


ガキィィィン!!


「…………!」


矢が弾かれる。


「硬い……!」


リゼッタが呟く。


マントラが笑う。


「この程度か!!」


「まだだ」


リゼッタが次の矢を構える。


「まだ始まったばかりだ」


ヒュンッ!!


二本。


三本。


五本。


無数の矢が飛ぶ。


「グオオオオ!!」


マントラが腕で防ぐ。


その隙に――。


ジミーが叫ぶ。


「今です!!」


ドシュゥゥゥゥン!!


巨大な魔導兵器から――。


強烈な魔力砲が放たれる。


「――なに!?」


マントラが振り返る。


ドォォォォォォォン!!!!


直撃。


爆炎が広がる。


「グオオオオオオオオ!!」


「やった!?」


ジミーが身を乗り出す。


「どうですか!?」


煙の中。


「…………」


パオが目を細める。


「まだネ」


煙が晴れる。


そこには――。


傷を負いながらも立っているマントラ。


「…………」


マントラが笑う。


「面白い……」


そして――。


魔境軍が再び咆哮する。


「うおおおおおおおお!!」


「グオオオオオオ!!」


マントラを追い越し魔将軍が迫ってくる


そして両軍が激突する。


「前へ!!」


「守れ!!」


「放てぇぇぇ!!」


矢が飛ぶ。


魔法が飛ぶ。


魔導兵器が轟音を響かせる。


盾が敵の攻撃を受け止める。


「ぐっ……!」


「まだだ!!」


「隊列を崩すな!!」


リゼッタの声が戦場を駆け抜ける。


パオは――。


まだ動かない。


「…………」


その目だけが、戦場を見ている。


そしてジミーは――。


次々と魔導兵器を撃ち続ける。


ドシュン!!


ドォン!!


ドシュゥゥン!!


「撃てぇぇぇ!!」


戦場右。


そこでは――。


攻める魔境軍。


守りながら進むリゼッタ軍。


そして――。


その奥に立つ魔境将軍マントラ。


三者の激戦が――。


激しく、激しく、燃え上がっていた。


「まだ進める!!」


リゼッタが叫ぶ。


「一歩ずつでいい!!」


「全員で進めぇぇぇぇ!!」


「おおおおおおおおお!!」


守りの軍団は――。


決して隊列を崩さない。


一歩。


また一歩。


魔境軍の猛攻を耐えながら――。


確実にデダルクへ近づいていった。


第248話 終

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