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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』50000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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246/287

245話 世界の強者集結



――魔王城。


治療室。


「…………」


静かな部屋に、わずかな寝息が響いていた。


ベッドにはアシュレイン。


その隣にはリゼッタとリリー。


三人とも、まだ完全には傷が癒えていない。


キラ、レティシア、エリス、セリーナ、ジュダは、その様子を静かに見守っていた。


すると――。


バタバタバタッ!


廊下から、慌ただしい足音が聞こえてくる。


「おーい!」


「みんなー!」


「ちょ、パオ、走るなって……!」


扉が勢いよく開いた。


「ジオウ!」


キラが振り返る。


そこには――。


ジオウ。


パオ。


そしてジミーが立っていた。


パオは息を切らしながら、嬉しそうに笑う。


「英雄さんたち目を覚ましたネ!」


「……本当か?」


ジオウがアシュレインたちを見る。


「まだ眠っているが、命に別状はない」


キラが答える。


「そうか……」


ジオウは胸を撫で下ろした。


「よかった」


パオもベッドを覗き込む。


「みんなボロボロだったから心配したヨ」


「…………」


ジミーも小さく頷く。


「本当に……生きててよかったです……」


その時。


キラが口を開いた。


「実は……話しておかなきゃならないことがある」


「?」


ジオウたちがキラを見る。


キラは真剣な表情になった。


「エリオスのことだ」


「…………!」


空気が変わった。


「エリオス?」


パオが首を傾げる。


キラはこれまで分かったことを説明した。


五千年前。


神話に語られていた存在。


白神と黒神。


そして――。


「エリオスは、黒神そのもの……いや」


キラは言葉を選ぶ。


「黒い魔力そのものなんだ」


「…………」


ジオウの目が見開かれる。


パオも口を開けたまま固まる。


「ま、待ってヨ……」


パオが震えた声を出す。


「エリオスって……神話に出てきた、あのエリオス?」


「ああ」


「本当に……実在していたのか?」


ジオウが呟く。


「そういうことになる」


「…………」


誰も言葉を失った。


五千年前の神話。


子供の頃から聞かされてきた物語。


それが――。


今、この時代に現実として存在している。


ジミーは顔を青くする。


「そ、それじゃあ……」


小さな身体が震える。


「神話の怪物と……私たちは戦おうとしてるんですか……?」


「そうだ」


ジュダが即答する。


「…………」


ジミーがごくりと唾を飲み込む。


そして――。


おどおどしながら口を開いた。


「こちらから攻めるのもいいけど……」


一度、言葉に詰まる。


「戦力が足りません」


「…………」


誰も否定できなかった。


キラたちは強い。


だが、相手は黒神の化身。


しかも、魔境には万を超える魔境軍が存在する。


さらに――。


エリオスは戦いそのものから黒い魔力を集めている。


このまま少人数で突っ込めば――。


敵を倒す前に、こちらが押し潰される。


その時。


ジュダが腕を組んだ。


「なら――」


赤い瞳が鋭くなる。


「戦力を整えなければならないな」


キラが頷く。


「ああ」


レティシアが二本の剣を握る。


「だったら、全員集めようぜ」


エリスも頷いた。


「世界中から……ですね」


キラは立ち上がった。


「そうだ」


そして――。


「エリオスを止めるために」


拳を握る。


「俺たちは、できる限りの戦力を集める」


――――――――――


数日後。


――魔王城・大広間。


「…………」


広大な空間に、世界各地から集められた戦士たちが並んでいた。


数百。


いや――。


それだけではない。


それぞれの軍団を代表する、世界最高峰の戦士たち。


大広間の中央。


キラが立っている。


その隣にはレティシア、エリス、セリーナ、ジュダ。


そして――。


ジオウ。


パオ。


ジミー。


さらに――。


「…………」


マニルから来た四人。


最強クラスの冒険者。


白髪のエルフ。


イグニット。


無言で腕を組んでいる。


真面目な表情。


その姿からは、一切の隙が感じられない。


「魔境……か」


イグニットが呟く。


「必ず突破する」


その隣には――。


人魚族のガイム。


静かな眼差し。


穏やかな表情。


「水と氷なら、魔境でも十分に戦えます」


腰に手を添え、丁寧に頭を下げる。


「皆様、よろしくお願いいたします」


その足元には、水が渦を巻いている。


まるで生き物のように動いていた。


さらに――。


巨大な身体を持つ竜人族。


ゴルーツ。


拳を握りながら、首を鳴らす。


「へっ……!」


全身から炎が噴き上がる。


「魔境だろうが何だろうが、ぶっ飛ばしゃいいんだろ?」


「ゴルーツ」


ガイムが静かに言う。


「単独行動は控えてください」


「分かってるって!」


荒々しい口調。


だが、その目には仲間を気遣う優しさがあった。


そして最後に――。


「ふぉっふぉっふぉ」


ドワーフのゴルドン。


巨大な盾を手にしている。


「この老いぼれの鉄壁を、久々に役立てる時が来たようじゃのう」


ドンッ!


盾を地面に置く。


「後ろの者は、このゴルドンに任せい」


「頼りにしています」


キラが言う。


ゴルドンは笑った。


「任せておけい」


――マニル。


世界有数の四種族から集められた最強戦士たち。


その視線が、すべて魔境へ向いている。


――そして。


「オギデストラから来たぞ!」


声とともに――。


騎士たちが入ってくる。


先頭に立つのは――。


「ガルディオ!」


キラが声をかける。


「キラ殿」


ガルディオは胸に手を当てる。


「我らオギデストラ騎士団、全軍をもって協力いたします」


その後ろ。


槍を担いだ男がニヤリと笑った。


「オラオラァ!」


フォン。


「魔境ってのはここから先か!?」


「フォン、うるさい」


髪を揺らしながら、コニスが笑う。


「でも、ちょっと楽しそうじゃん!」


「楽しむな!」


ガルディオが怒鳴る。


「はーい」


コニスは笑いながら手を上げた。


そして――。


「あー……」


眠そうな声。


大きな獣を連れた男が入ってくる。


アニー。


「……遠いなぁ」


「…………」


キラが苦笑する。


「アニー」


「あー……はいはい」


アニーは面倒くさそうに手を振る。


「まあ、行くけどさぁ……」


その周囲には、召喚獣たち。


魔境へ向かうには、これ以上ない戦力だった。


――そして。


魔王城の別の扉が開く。


「来たぞ」


レオン。


その隣には――。


「久しぶりだな」


前魔王ベルゼル。


二人の姿を見た瞬間。


キラは表情を引き締めた。


「レオン」


「ああ」


レオンはキラを見る。


「聞いたぞ」


「エリオスのこと?」


「そうだ」


レオンの拳が――。


ギリッ。


強く握られる。


「……あいつがいるとはな」


低い声。


「神話の存在だろうが何だろうが……」


レオンの目に怒りが宿る。


「あいつだけは許せん」


「…………」


ベルゼルが静かに頷く。


「私も同じだ」


「ベルゼル……」


「あのような存在を放置すれば、人間も魔族も関係なく滅ぼされる」


ベルゼルはキラを見る。


「私も戦おう」


キラは頷いた。


「頼む」


――そして。


「我々もいるぞ」


広間の奥。


ゆっくりと歩いてくる男。


剣神アブソリュー。


その後ろには――。


チャルマ。


アルミン。


「アブソリュー!」


レティシアが振り返る。


「来てくれたのね!」


アブソリューは静かに笑う。


「当然だ」


「エリオス……」


チャルマが呟く。


アルミンも剣を握る。


「五千年前の存在……」


「ならば」


アブソリューが言った。


「五千年前の因縁を、今度こそ終わらせる」


さらに――。


聖教騎士団。


魔法星団。


無数の白銀の鎧と魔法使いたちが、大広間へと集結する。


「…………」


壮観だった。


騎士。


魔法使い。


冒険者。


魔族。


人魚。


エルフ。


ドワーフ。


竜人。


そして――。


伝説級の戦士たち。


世界中の精鋭が、一つの場所に集まっている。


だが――。


その中に、気まずそうな三人がいた。


アニー。


ゴルドン。


そして――。


レオン。


三人はアシュレインたちの前へ歩いていく。


「…………」


アシュレインはまだ身体を起こしたばかり。


リゼッタとリリーも、その隣に座っている。


アニーが頭を掻く。


「あー……」


「その……」


珍しく言葉に詰まる。


「悪かったな」


アシュレインが顔を上げる。


「…………」


アニーは続ける。


「英雄救出作戦……俺たち、失敗したからさ」


ゴルドンも頭を下げる。


「すまなかったのう」


「救えなかっただけでなく……」


「お前たちを危険な目に遭わせてしまった」


リゼッタはしばらく二人を見る。


そして――。


「もういいわよ」


「リゼッタ……」


「私たちも生きてる」


リリーも微笑む。


「それに……今度はみんなで行くんでしょう?」


「…………」


レオンが拳を握る。


「次は失敗しない」


アシュレインは静かに笑った。


「頼むぞ」


「ああ」


レオンが頷いた。


――――――――――


その後。


キラは全員の前へ立った。


「みんな」


ざわめきが止まる。


「これから俺たちは――」


巨大な地図が広げられる。


そこには――。


魔境国デダルク。


そして、その奥。


魔境。


「まず、デダルクを攻略する」


指を地図へ置く。


「デダルクには魔境門がある」


キラの声が広間に響く。


「そこを突破すれば――」


魔境の奥を指す。


「エリオスがいる魔境へ入れる」


「…………」


全員の表情が変わる。


「敵は万を超える」


「六人の魔境将軍もいる」


「だが――」


キラは剣を抜いた。


「ここで止まるわけにはいかない」


刃が光を反射する。


「俺たちは、エリオスを止める」


「おおおおおおおお!!」


大広間が揺れる。


「魔境を突破するぞ!」


「おおおおおお!!」


拳が上がる。


武器が掲げられる。


魔力が一斉に膨れ上がる。


「…………」


キラはその光景を見つめる。


だが――。


一つだけ問題があった。


黒い魔力。


敵は黒い魔力を使う。


普通の魔力では、まともに戦うことすら難しい。


その時。


キラは懐から――。


小さな袋を取り出した。


「ジミー」


「は、はい!」


ジミーが前へ出る。


「これだよな?」


キラが袋から魔石を取り出す。


「以前もらった魔石」


「そ、それです!」


ジミーが頷く。


キラは魔石を手のひらに乗せる。


「これに――」


右手。


光魔の紋章が輝く。


「ルミナル・聖」


――パァァァァァ……!


白い光が溢れ出した。


魔石が眩しいほどの光を放つ。


「…………!」


ジミーが目を見開く。


「す、すごい……」


魔石の内部に、純白の光が渦巻いている。


一つ。


二つ。


三つ。


キラは次々と魔石へ光を込めていく。


「これを各軍団に配る」


「…………」


キラは完成した魔石を掲げた。


「この魔石を持っていれば――」


白い光が大広間を照らす。


「軍団一人一人が黒い魔力に対抗して戦える」


「…………!」


どよめきが起こる。


「本当に……?」


コニスが目を輝かせる。


「ああ」


キラが頷く。


「もちろん、油断はするな」


「だが、これで黒い魔力に対して戦うための力は得られる」


ゴルドンが魔石を受け取る。


「これは……心強いのう」


ガイムも手に取る。


「素晴らしい……」


フォンは魔石を握る。


「へっ!」


ニヤリと笑う。


「これで魔境軍だろうが何だろうが――」


槍を構える。


「オラオラでぶち抜けるってわけだ!」


コニスが笑う。


「よーし!」


アニーは魔石を眺める。


「あー……」


「これなら、ちょっとは楽できそうだなぁ」


「お前は少しはやる気を出せ!」


ガルディオが怒鳴った。


「ははは!」


大広間に笑い声が広がる。


だが――。


キラは地図を見る。


「……ここからが本番だ」


誰も笑わなくなった。


「デダルクを攻略する」


「そして――」


キラは魔境門を見る。


「魔境へ入る」


「…………」


その言葉と同時に――。


遠くから。


ゴォォォォォォォォ……。


巨大な鐘の音が響いた。


出陣の合図。


――――――――――


魔王城の大門が開く。


ギギギギギギ……。


その向こうには――。


数え切れないほどの戦士たち。


騎士団。


魔法星団。


冒険者。


魔族軍。


エルフ。


人魚。


竜人。


ドワーフ。


召喚獣。


そして――。


伝説の戦士たち。


先頭に立つのはキラ。


隣にレティシア。


エリス。


セリーナ。


ジュダ。


ジオウ。


パオ。


ジミー。


レオン。


ベルゼル。


アブソリュー。


世界最高峰の戦士たちが並んでいる。


「…………」


風が吹く。


旗が大きくはためく。


バサァァァァァ……!


武器が太陽の光を反射する。


魔法陣が次々と展開される。


馬が地面を蹴る。


ドドドドドドッ!


魔族の兵士たちが槍を掲げる。


騎士たちが剣を抜く。


魔法使いたちが杖を構える。


そして――。


キラが振り返った。


「全軍!」


声が響き渡る。


「デダルクへ!」


「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


大地が震える。


無数の足音。


ドドドドドドドドドドドドド!!


地面が揺れる。


旗が舞う。


武器が鳴る。


魔力が空気を震わせる。


世界中から集まった精鋭たちが――。


一斉に歩き始めた。


デダルクへ。


魔境へ。


そして――。


エリオスへ。


「…………」


キラは前を見つめる。


遠く。


地平線の向こう。


黒い雲が渦巻いている。


その奥にあるのは――。


魔境国デダルク。


そして、その先に――。


黒神の化身。


エリオス。


キラは拳を握る。


「待ってろ……」


風が吹き抜ける。


「エリオス」


世界の命運を懸けた――。


史上最大の戦いが。


今、始まろうとしていた。


第245話 終

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