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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』50000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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243/287

242話 魔法の極みの戦い



――魔境国デダルク。


崩壊した街の一角。


「――――!」


ドォォォォォォン!!


巨大な爆発が起きた。


瓦礫が吹き飛ぶ。


建物の壁が崩れ、砂埃が一気に舞い上がる。


その中心から――。


キラが飛び出した。


「くっ……!」


シュッ!!


その直後。


キラがいた場所を、漆黒の炎が通り抜ける。


ゴォォォォォ!!


炎は地面を焼き尽くし、そのまま遠くの建物まで飲み込んだ。


「…………」


キラは剣を構えながら、前方を見る。


そこには――。


黒いローブをまとった魔術師が立っていた。


顔は見えない。


フードの奥から覗くのは、赤黒く光る瞳。


その手には一本の杖。


「…………」


魔術師は無言で杖を上げる。


「また来るか……!」


キラも魔力を集中させる。


次の瞬間。


「ブラック・フレア」


ゴォォォォォォォォ!!


巨大な黒炎が放たれた。


「――!」


キラは横へ跳ぶ。


ドォォォォン!!


黒炎が地面をえぐる。


そのまま二発。


三発。


四発。


「くっ!」


キラは瓦礫の間を走る。


「速い……!」


魔術師の魔法は、一発一発が桁違いに速い。


しかも――。


「逃げ道まで潰してくるか!」


右。


黒炎。


左。


黒雷。


正面。


巨大な氷柱。


「――――!」


キラは身体を捻る。


ズガァァン!!


氷柱が背後へ突き刺さる。


「危ねぇ……!」


キラはそのまま地面を蹴った。


「なら、こっちから――!」


一気に距離を詰める。


剣を握る。


魔法剣術。


「――――!」


しかし。


魔術師が杖を振った。


「ブラック・ウォール」


ドォォォン!!


キラの目の前に、巨大な黒い壁が出現した。


「――!」


ガキィィィン!!


キラの剣が壁に叩きつけられる。


「硬っ……!」


黒い壁には傷一つつかない。


キラが一歩下がった瞬間。


「ブラック・バースト」


ドォォォォォォォォォン!!


壁そのものが爆発した。


「ぐあっ!!」


キラの身体が吹き飛ぶ。


ズザザザザッ!!


地面を何度も転がる。


「……っ!」


キラはすぐに起き上がった。


頬から血が流れている。


「接近できない……」


キラは魔術師を見る。


「こいつ……俺が近づこうとすると、全部魔法で潰してくる」


魔術師は何も言わない。


ただ、杖を構える。


「…………」


「だったら――」


キラは剣を構えた。


「俺も魔法でいく!」


魔力が一気に膨れ上がる。


「セレスティアル・レイ!!」


ズガァァァァァン!!


巨大な光線が一直線に走る。


魔術師は杖を掲げた。


「ブラック・シールド」


ドォォォォン!!


漆黒の障壁が展開される。


光と闇が正面から衝突した。


「――――!!」


ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


光が黒い壁を押す。


黒い壁が光を押し返す。


互いの魔法が激しくぶつかり合う。


「押し切れ……!」


キラがさらに魔力を込める。


「うおおおおおお!!」


セレスティアル・レイの光がさらに太くなる。


しかし。


「…………」


魔術師も杖を握り直す。


黒い障壁が巨大化する。


「なっ……!」


光が押し返された。


「くそっ!」


キラは魔法を解除。


すぐに別の魔法を展開する。


「テンペスト・ゼロ!!」


ズガァァァァァン!!


極限の風圧が街を駆け抜ける。


瓦礫が空へ舞い上がる。


砂埃が吹き飛び、視界が一気に開ける。


魔術師へ向かって巨大な風の奔流が襲いかかる。


「――――」


魔術師は杖を地面へ向けた。


「ブラック・グラビティ」


ズンッ!!


空間が歪んだ。


「――!」


キラの身体が重くなる。


風が魔術師へ届く直前――。


ズドォォォォン!!


巨大な重力場によって、風の奔流そのものが地面へ叩きつけられた。


「そんなことまで……!」


キラが目を見開く。


魔術師は続ける。


「ブラック・フロスト」


ヒュォォォォォ!!


黒い冷気が広がる。


地面が一瞬で凍りつく。


建物。


瓦礫。


地面。


すべてが黒い氷に覆われていく。


「――!」


キラは後ろへ跳ぶ。


しかし。


「……!」


足元の氷が伸びてきた。


「くっ!」


剣で斬る。


ガキィン!!


氷が砕ける。


その隙間から――。


「ブラック・ボルト」


バチィィィィン!!


黒い雷が飛んできた。


「――ッ!」


キラは剣を盾にする。


キィィィィン!!


雷が剣へ直撃。


「ぐあああああっ!!」


身体が痺れる。


それでも倒れない。


「……まだだ!」


キラは剣を握り直す。


「俺だって――!」


炎。


水。


風。


大地。


雷。


光。


闇。


七つの属性がキラの周囲へ集まる。


「一つだけじゃない!」


炎と風が混ざる。


「インフェルノ・テンペスト!」


ゴォォォォォォ!!


巨大な炎の竜巻。


魔術師が黒い障壁を展開する。


その瞬間。


水と雷が融合する。


「ヴォルティック・アクア!」


バチバチバチッ!!


巨大な雷水流が横から襲いかかる。


さらに――。


「マグマ・カタストロフ!」


ズゴゴゴゴゴゴ!!


地面が割れ、灼熱の溶岩が噴き上がる。


三方向。


炎。


雷水。


溶岩。


すべてが魔術師へ集中する。


「――――!」


魔術師が初めて大きく後ろへ下がった。


しかし。


杖を振る。


「ブラック・ゲート」


空間が裂けた。


三つの魔法が――。


その裂け目へ吸い込まれていく。


「なっ!?」


キラが目を見開く。


そして。


魔術師の背後。


空間が再び開いた。


「――――!」


吸い込まれた魔法が、今度はキラへ向かって飛び出した。


「嘘だろ!?」


自分の魔法が自分へ返ってくる。


キラは剣を構える。


「天使の羽衣!」


パァァァァァ……!!


背中から純白の光が広がる。


光の翼がキラを包む。


ドォォォォォォン!!


三つの魔法がキラへ直撃。


しかし――。


「――――!」


天使の羽衣がすべてを受け止める。


そして。


バァァァァン!!


同じ威力の魔法が反射された。


魔術師へ向かって飛び返る。


「――!」


魔術師が黒い壁を展開。


ドォォォォン!!


激突。


黒い壁が大きく揺れる。


「今だ!」


キラは走った。


「ようやく――!」


剣を握る。


「近づける!」


魔術師との距離。


十メートル。


八。


六。


四。


三――。


「――――!」


魔術師の杖が光る。


「ブラック・バリア」


ドンッ!!


キラの目の前に、また黒い壁。


「またかよ!」


ガキィィィン!!


斬る。


傷一つつかない。


「くっ!」


もう一度。


「はぁぁぁぁ!!」


ズガン!!


それでも壊れない。


その瞬間。


「ブラック・バースト」


ドォォォォォォン!!


目の前の壁が爆発。


「ぐあっ!!」


キラは吹き飛ばされた。


ズドォォォン!!


建物の壁へ叩きつけられる。


「……っ!」


瓦礫が降り注ぐ。


「はぁ……はぁ……」


キラはゆっくり立ち上がった。


「近づけない……」


魔術師は距離を取る。


そして。


また杖を構える。


「…………」


「……魔法だけで、ここまでやるか」


キラは剣を見る。


そして魔術師を見る。


「なら――」


キラの目が鋭くなる。


「俺も魔法で勝負する」


「…………」


魔術師の周囲に魔法陣が浮かぶ。


一つ。


二つ。


五つ。


十。


「――――!」


キラの周囲にも魔法陣が出現する。


炎。


水。


風。


大地。


雷。


光。


闇。


さらに複数の複合魔法陣。


二人の周囲を埋め尽くしていく。


「…………」


「…………」


一瞬。


静寂。


そして。


同時に――。


「――撃つ!!」


「――――!」


ドォォォォォォォォォォン!!!!


巨大な魔法の嵐がぶつかった。


炎と黒炎。


雷と黒雷。


氷と黒氷。


風と重力。


光と闇。


街そのものが揺れる。


ドドドドドドドドドッ!!


一つの魔法が消えれば、次の魔法。


次が消えれば、その次。


キラは属性を変え続ける。


「テンペスト・ゼロ!」


「ブラック・グラビティ!」


「アブソリュート・ゼロ!」


「ブラック・フロスト!」


「ラグナ・ボルト!」


「ブラック・ボルト!」


「グランド・エンド!」


「――――!」


地面が隆起する。


黒い魔法がそれを砕く。


光が走る。


闇が飲み込む。


水が爆発する。


炎が燃え上がる。


魔法と魔法。


力と力。


一歩も引かない。


「はぁ……はぁ……!」


キラの呼吸が荒くなる。


魔術師も杖を握る腕が震えている。


「こいつ……!」


キラは魔術師を見る。


「まだ魔力があるのか……!」


魔術師が杖を掲げる。


巨大な黒い魔法陣。


キラの背筋に悪寒が走った。


「――――!」


「……来る!」


空が暗くなる。


巨大な黒い球体が生まれる。


周囲の魔力を吸い込みながら、どんどん巨大化していく。


「これは……!」


キラは剣を握る。


「やばい……!」


魔術師が杖を振り下ろす。


「――――」


黒い球体が落ちてくる。


ドォォォォォォォォォン!!


大地が揺れる。


キラは正面から魔力を放つ。


「セレスティアル・レイ!!」


光線が黒い球体へ突き刺さる。


だが――。


止まらない。


「くっ……!」


キラがさらに魔力を込める。


「まだだ!」


光が強くなる。


それでも黒い球体が迫る。


「なら……!」


キラは複数の魔法を重ねる。


「フロスト・テンペスト!」


凍てつく風。


「テラ・ボルテックス!」


大地と雷。


「インフェルノ・テンペスト!」


炎と風。


三つの魔法が光線へ重なる。


「うおおおおおおおお!!」


黒い球体が徐々に押し返される。


「――――!」


魔術師も必死に杖を押し出す。


魔力同士がぶつかる。


轟音。


爆風。


光。


闇。


「負けるかぁぁぁぁぁ!!」


キラが叫ぶ。


その瞬間。


魔術師の魔法陣に――。


ひびが入った。


「――!」


キラは見逃さなかった。


「そこだ!」


キラは魔法を一気に切り替える。


七属性の魔法を一点へ集める。


そこへ――。


ルミナ。


純白の光が混ざる。


「これなら――!」


魔法が一つに収束する。


「ルミナ――!」


魔術師が黒い障壁を展開。


「――――!」


キラが剣を振り下ろす。


「エクリプス・レゾナンス!!」


ズガァァァァァァァァン!!!!


光と闇が激しく共鳴する。


そこへルミナが貫く。


「――――!!」


黒い魔法陣が砕けた。


パァァァァァン!!


魔術師の防御が崩壊する。


「――!」


魔術師の身体が大きく後ろへ吹き飛んだ。


ドォン!!


地面へ叩きつけられる。


キラは追う。


今度は――。


壁を作らせない。


逃がさない。


「終わりだ!」


魔術師が最後の魔法を放つ。


「ブラック・ボルト――!」


無数の黒雷。


キラは天使の羽衣を展開する。


バチバチバチバチッ!!


すべての雷が反射される。


魔術師へ戻る。


「――――!」


直撃。


「ぐっ……!」


魔術師の身体がよろめく。


キラは一気に踏み込む。


「――――!」


剣に光が宿る。


魔法剣術。


一閃。


「――――ッ!!」


ズバァァァァン!!


魔術師の杖が真っ二つに折れた。


「…………」


魔術師が動きを止める。


キラの剣が、その胸元で止まっている。


「…………」


しばらく。


誰も動かなかった。


やがて――。


魔術師の身体から赤黒い光が漏れ始める。


「……!」


キラが距離を取る。


「――――」


魔術師の身体が崩れていく。


サラ……。


サラサラ……。


黒いローブが崩れ。


身体が黒い粒子へ変わる。


そして――。


最後の粒子が風に消えた。


「…………」


静寂。


キラは剣を下ろした。


「……勝った」


その言葉と同時に――。


キラの膝が少し揺れた。


「……はぁ」


肩で息をする。


「……強かった」


周囲を見る。


街はさらに破壊されていた。


地面は大きくえぐれ。


建物はほとんど残っていない。


「魔法だけで……ここまで追い込まれるとはな」


キラは苦笑する。


その時――。


「キラ!」


聞き慣れた声。


「――!」


振り返る。


崩れた建物の向こうから、レティシアが走ってくる。


身体中が傷だらけ。


服も破れている。


それでも――。


「キラ!」


レティシアは笑っていた。


「勝ったよ!」


「……レティシア」


キラも笑う。


「俺も今、終わったところだ」


「そっか!」


レティシアが近づいてくる。


「じゃあ――」


二人は一度だけ顔を見合わせる。


そして。


「……エリスは?」


キラが聞く。


レティシアの表情が変わった。


「エリスは――」


その瞬間。


遠くから。


「キラさん!」


エリスの声が響いた。


二人が振り返る。


そこには――。


黒いハンターを倒したエリスが立っていた。


「…………」


三人の視線が交わる。


キラは小さく笑った。


「……これで、三人とも勝ったな」


「うん!」


レティシアが頷く。


エリスも微笑む。


だが――。


その時。


遠くの空から――。


ズゥゥゥゥゥン……。


低い音が響いた。


第242話 終

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