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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』40000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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218/287

217話 レベルリセット+3



 ――キラは、一人で戦場全体を見渡していた。


「…………」


 目の前に広がるのは、果てのない白い世界。


 その中を埋め尽くすように、無数の魔物が蠢いている。


 右。


 左。


 上空。


 遠方。


 あらゆる方向から、殺気と魔力が押し寄せてくる。


 キラは目を閉じた。


「空間認知――」


 意識を広げる。


 自分の周囲だけではない。


 数百メートル。


 さらにその先。


 魔力の流れ。


 足音。


 呼吸。


 空気の揺らぎ。


 すべてを一つの情報として捉える。


「……いるな」


 キラが目を開く。


「約六千」


 ――魔物、約六千体。


 それも、すべてSランクオーバー。


「六千……」


 普通なら絶望する数字。


 だが。


 キラは――笑った。


「ちょうどいい」


 剣を握る。


 その瞬間。


 前方から巨大な魔物が飛び込んできた。


「グォォォォォォ!!」


 ――ズドォォォン!!


 巨大な爪が振り下ろされる。


「遅い」


 キラは半歩だけ横へ移動した。


 爪が目の前を通過する。


 ――ヒュンッ!!


 そのまま身体を回転させ、剣を振る。


「――っ!」


 ――ズバァァァン!!


 魔物の身体が斬り裂かれる。


 だが、キラの攻撃はそこで終わらない。


 左手を前へ。


「グラビティ――」


 ――ズンッ!!


 空間が沈んだ。


「インフェルノ・テンペスト」


 重力によって大量の魔物を一点へ引き寄せる。


 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


「グォォォォ!?」


「ギャアアアア!!」


 魔物たちの身体が次々と引っ張られていく。


 そこへ――。


 炎と風が渦を巻く。


 ――ゴォォォォォォォォ!!


 炎の竜巻が巨大な重力場の中で回転する。


「――グラビティ・インフェルノ」


 キラが呟いた。


 ――ドォォォォォォォォン!!


 爆炎が一点で炸裂した。


 数十体の魔物がまとめて吹き飛ぶ。


 しかし。


 別方向からさらに魔物が迫る。


「まだ来るか」


 キラが走る。


 ――ダンッ!!


 魔物の懐へ。


「はぁっ!」


 ――ズバッ!!


 一閃。


 続けて二体目。


 ――ガキィン!!


 爪を剣で受け流す。


 そのまま身体を低く沈め――。


「ラグナ・ボルト」


 ――バァァァァァン!!


 至近距離から雷撃を叩き込む。


 魔物が吹き飛ぶ。


「次!」


 キラは止まらない。


 剣。


 魔法。


 剣。


 魔法。


 そして複合魔法。


 戦場を駆けながら、あらゆる属性を使い分けていく。


「アブソリュート・ゼロ!」


 ――パキィィィィン!!


 水と冷気が魔物を凍結させる。


「テンペスト・ゼロ!」


 ――ゴォォォォォ!!


 巨大な竜巻が魔物を巻き上げる。


「グランド・エンド!」


 ――ズズズズズズン!!


 大地が隆起し、魔物を飲み込む。


「セレスティアル・レイ!」


 ――キィィィィィン!!


 天から巨大な光が降り注ぐ。


 さらに。


「ルミナ・アポカリプス!」


 ――ドォォォォォォォン!!


 光を纏った極大の炎が爆発する。


「まだだ!」


 キラが地面を蹴る。


 ――シュンッ!!


 目の前に魔物。


 剣を振る。


 ――ズバッ!!


 次。


 ――ズバッ!!


 さらに次。


 ――ドゴォン!!


 拳で吹き飛ばす。


 着地。


 魔法。


 再び剣。


 その動きは止まらない。


 そのときだった。


『レベルが87に上がりました』


「……!」


 頭の中に声が響く。


 しかしキラは止まらない。


 ――ズバァァン!!


『レベルが88に上がりました』


「まだだ……!」


 キラはさらに魔物の群れへ突っ込む。


 倒す。


 倒す。


 倒す。


 魔物の数が減っていく。


 それでもまだ大量に残っている。


『レベルが89に上がりました』


『レベルが90に上がりました』


 ――――


 そして。


 長い戦いの果て。


 キラの前に最後の大量の魔物が押し寄せる。


「……これで終わりだ」


 キラが両手を広げる。


 周囲の魔力が一気に集まる。


「――エクリプス・レゾナンス」


 光と闇が混ざり合う。


 さらにルミナが重なる。


「ルミナ……!」


 ――バァァァァァァァン!!


 光と闇の奔流が、白い世界を駆け抜けた。


 魔物の軍勢が次々と消滅していく。


 その瞬間。


『レベルが120に上がりました』


「…………」


 キラは静かに立っていた。


 レベル120。


 ついに――。


 ここまで到達した。


 すると。


 頭の中に、声が響いた。


『レベル成長限界に到達しました』


『成長限界をリセットしますか?』


 キラは目を細める。


「…………」


 少しだけ沈黙。


 そして――。


 フッ。


 笑った。


「……もちろん」


 剣を肩に担ぐ。


「イェスだ!」


 ――――その瞬間。


 世界が揺れた。


 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


「なっ……!?」


 キラの身体から、凄まじい光が噴き出す。


 白い世界そのものが眩しくなる。


 そして。


『レベルをリセットします』


『新たな能力を獲得しました』


 キラの前に、次々と文字が浮かび上がった。


 ――――――――――


 スキル


 ルミナル・聖


 ――――――――――


 効果


 自分の仲間に対して、常にルミナが自動付与される。


 ――――――――――


「…………」


 キラが目を見開く。


「仲間に……自動付与?」


 キラは周囲を見る。


 レティシア。


 エリス。


 セリーナ。


 ジュダ。


 その全員に――。


 淡い光が纏い始める。


「……!」


 キラが驚く。


「ルミナが……」


 それぞれの身体に自然に宿っている。


 しかも。


 キラが何かをする必要はない。


 常に。


 仲間である限り。


 ルミナが付与され続ける。


「これは……すごいな」


 キラが小さく笑う。


 さらに文字が浮かぶ。


 ――――――――――


 スキル 天使の羽衣を取得しました。


 ――――――――――


 キラが発動する。


「天使の羽衣」


 ――バァァァァァァン!!


 純白の光がキラを包む。


 身体に天使を思わせる装備が形成されていく。


 白く輝く装甲。


 背中には巨大な光の翼。


 全身を包む神々しい装備。


 そして――。


『相手の物理攻撃・魔法攻撃を、同じ威力で反射します』


「……反射?」


 キラは少し考える。


「なら――」


 近くの魔物が襲いかかってくる。


「試してみるか」


 魔物が爪を振り下ろす。


 ――ドォォォォン!!


 キラへ直撃。


 だが。


 天使の羽衣が輝いた。


 ――キィィィィン!!


 衝撃がそのまま跳ね返される。


 ――ドゴォォォォン!!


「グォォォォォ!?」


 攻撃した魔物自身が吹き飛んだ。


「……なるほど」


 キラが笑う。


「これは便利だ」


 さらに。


 新しい魔法の文字。


 ――――――――――


 魔法 天の刃を取得しました。


 ――――――――――


「天の刃……」


 キラが空を見上げる。


「やってみるか」


 右手を掲げる。


「――天の刃」


 ――――。


 一瞬。


 何も起こらない。


 だが。


 その直後。


 白い世界の遥か上空から――。


 巨大な光が現れた。


「…………!」


 光が一本の巨大な剣へと変わっていく。


 その大きさは――。


 まるで空そのものを切り裂くほど。


「落ちろ」


 キラが手を下ろす。


 ――ズガァァァァァァァァァン!!


 巨大な光の剣が天から落下した。


 大地を貫く。


 ――ドォォォォォォォォォン!!


 衝撃波が広がる。


 残っていた魔物たちが――。


 一瞬で消し飛んだ。


「…………」


 キラは静かに立っている。


 その周囲には――。


 もう魔物はいなかった。


 完全な静寂。


「終わった……?」


 セリーナが呟く。


 レティシアも剣を下ろす。


「……全部、消えた?」


 エリスが周囲を見回す。


 ジュダは赤黒い魔力を纏ったヴォルガの鎧を身につけたまま、キラを見る。


「どうやらな」


 だが。


 キラだけは――。


 何かを感じ取っていた。


「……いや」


 空間認知。


 その感覚が、一つの巨大な存在を捉えていた。


「まだいる」


 ――ズン。


 白い世界が揺れる。


 ――ズン。


 もう一度。


 遠くから、巨大な足音。


 そして。


 白い霧の向こうから――。


 一人の騎士が歩いてくる。


 純白の鎧。


 巨大な翼。


 手には神々しい剣。


 その身体から放たれる魔力は――。


 これまでの魔物とは完全に違っていた。


 キラが剣を構える。


「……あれが」


 レティシアも隣に立つ。


「最後の敵?」


 エリスが弓を構える。


「……とんでもない魔力」


 セリーナも二人の後ろへ。


 ジュダは赤黒い魔力をさらに強く燃え上がらせる。


「ふっ……」


 そして。


 騎士が足を止めた。


「――試練は最終段階へ移行する」


 その声が、白い世界全体に響き渡る。


「我が名は――」


 巨大な翼が開く。


 ――バァァァァァン!!


「天騎士アルメリカ。」


 キラたちは全員、武器を構えた。


 最後の試練。


 神剣。


 天使弓。


 聖魔。


 そのすべてへ続く――最後の戦い。


 キラが仲間たちを見る。


「全員、準備はいいか?」


 レティシアが笑う。


「もちろん!」


 エリスが矢をつがえる。


「いつでも」


 セリーナが杖を握る。


「はい!」


 ジュダが魔剣ヴォルガの力を解放する。


 ――ギィィィィン!!


 赤黒い魔力が噴き上がる。


「当然だ」


 キラは前を見る。


 天騎士アルメリカも、巨大な剣を構えた。


 ――ゴォォォォォォ……!


 空間全体が震える。


 キラが剣を握り直す。


「行くぞ」


 五人が一斉に踏み込んだ。


 ――ドォォォォォォォォン!!


 最後の決戦が――始まった。


第217話 終

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