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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
天空の塔〜第二次魔族国大戦編

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205話 天空の扉



天空の塔。


最上階へ続く部屋。


キラたちは、神の書――ラウマフーズが見せた過去を見つめていた。


そこには、若き日の三大英雄。


アシュレイン。


リゼッタ。


リリー。


そして三人は、それぞれの紋章の前に立っていた。


剣の紋章。


弓の紋章。


賢者の紋章。


三つの紋章が同時に輝き始める。


キィィィィン……。


「……綺麗」


エリスが呟く。


若き日のリゼッタが、弓の紋章へ手を伸ばした。


その瞬間――


ドクンッ!


紋章から光が溢れ、リゼッタの身体を包み込む。


「っ……!」


リゼッタは驚きながらも、その場から動かなかった。


そして光が消える。


彼女の右手の甲には、小さな紋章が浮かんでいた。


「……これが、弓の紋章」


リゼッタが手を見つめる。


続いてアシュレイン。


剣の紋章へ手を置く。


同じように光が溢れる。


そしてリリーも賢者の紋章へ。


三人の身体に、それぞれ紋章が刻まれた。


キラはそれを見ながら呟く。


「……三人が紋章を持つことで、封印が維持される」


レティシアが頷く。


「でも、どうして三人じゃないとダメなんだろう?」


その疑問に答えるように――


神の書が再び光った。


そして部屋の中央に、巨大な映像が浮かび上がる。


世界全体を描いた地図。


そこには無数の光が存在していた。


東。


西。


南。


そして中央。


さらに――


北。


天空塔。


それぞれの封印が、一本の光で繋がっている。


「……全部繋がってる」


エリスが目を見開く。


リリーが映像を見ながら説明する。


「世界中にある封印は、独立しているわけじゃない」


「一つが弱くなれば、他も……?」


アシュレインが尋ねる。


「うん」


リリーが頷く。


「少しずつ影響を受ける」


キラはその話を聞いて、以前の出来事を思い出した。


東の封印。


西の封印。


南の封印。


そして中央の封印。


これまで自分たちが関わってきた出来事。


「だから……」


キラが呟く。


「俺たちが今まで戦ってきた魔境の力は、全部繋がっていたのか」


ジュダが腕を組む。


「だが、それなら疑問が残る」


「何?」


レティシアが聞く。


「三つの紋章だ」


ジュダは壁に飾られている現在の紋章を見る。


「なぜ剣、弓、賢者なのだ?」


キラも黙って考える。


そのとき――


若きリリーが口を開いた。


「理由は簡単よ」


三人が振り返る。


「剣は、力を抑えるため」


アシュレインが剣を見る。


「弓は、異変を見つけるため」


リゼッタが弓を見る。


「そして賢者は――」


リリーが自分の杖を握る。


「二つの力を制御するため」


三つの紋章が同時に光った。


その瞬間。


中央の巨大な魔法陣が動き始める。


ゴゴゴゴゴ……!


大地そのものが震えるような音。


「な、何!?」


レティシアが身構える。


キラも剣を抜く。


だが――


攻撃ではなかった。


魔法陣から白い光が伸びていき、天空へ向かって上昇していく。


そして塔の天井を突き抜けるように、巨大な光の柱となった。


その光は世界中へ広がっていく。


東。


西。


南。


中央。


そして北。


すべての封印が光で繋がった。


セリーナが驚く。


「これが……封印の力……」


「違う」


キラが答える。


「これは……封印を維持してるんだ」


三人の紋章から流れた力が、世界中の封印へ送られている。


アシュレインが剣を握る。


「俺が力を送る」


リゼッタが続く。


「私が異常を見つける」


そしてリリー。


「私が全部を調整する」


三人は、それぞれの役割を理解していた。


キラはその光景を見つめる。


「……そういうことだったのか」


エリスが静かに言う。


「だから……三人が必要だった」


「うん」


キラは頷く。


「誰か一人が強いだけじゃダメなんだ」


レティシアも拳を握る。


「三人で一つの力だったんだね」


そのとき。


映像の中の三人に変化が起きた。


若きアシュレインの姿が、少しずつ大人へ変わっていく。


リゼッタも。


リリーも。


年月が流れていく。


そして――


三人はいつしか、伝説として知られる姿になっていた。


剣聖。


弓王。


大賢者。


エリスは目を見開いた。


「……先生」


映像のリゼッタが、まだ若いエリスの姿を見つめている。


もちろん過去の映像だから、今のエリスには気づいていない。


それでもエリスは、涙をこらえながら呟いた。


「私……ちゃんと、先生の力を受け継げてるかな」


キラはエリスを見る。


「受け継いでるよ」


「……キラ」


「精霊弓王を覚醒させたんだろ?」


エリスは少しだけ笑った。


「……うん」


そして映像はさらに進んだ。


三大英雄が天空塔を訪れる。


何度も。


何度も。


世界の封印を確認するために。


そして――


最後の映像。


三人がこの塔から出ていく。


若きリリーが振り返った。


「これで大丈夫」


アシュレインも頷く。


「じゃあ、戻るか」


リゼッタが笑う。


「うん。帰ろう」


三人は塔を後にした。


そこで映像が途切れる。


「……終わった?」


セリーナが首を傾げる。


だが――


神の書はまだ光っていた。


キラが本を見る。


「まだ何かある」


ラウマフーズのページが、ひとりでに開いていく。


パラ……。


パラ……。


そして一ページで止まった。


そこには、たった一文。


> 『三つの紋章は、守るためだけに存在するのではない』




「……え?」


レティシアが声を漏らす。


次の瞬間。


部屋の三つの紋章が、


赤。


青。


金。


それぞれ違う色に輝いた。


そして神の書に、さらに文字が浮かび上がる。


> 『三つの力が揃うとき――』




一瞬、文字が消える。


そして新たな一文が現れた。


> 『天空への扉が開かれる』




「天空への……扉?」


キラが顔を上げる。


その瞬間。


最上階のさらに奥。


今まで何もなかった白い壁に、


巨大な扉が浮かび上がった。


レティシアが目を丸くする。


「……こんなの、さっきまでなかったよね?」


「なかった」


エリスも答える。


ジュダがゆっくり前へ出る。


「どうやら……ここからが本番のようだな」


キラは剣を握り直した。


そして五人は、


白い壁に現れた巨大な扉へと歩き始めた。


第205話 終

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