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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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180話 ライトニングブラスト



「グォォォォォォ!!」


三体のキメラが、同時にキラへ飛びかかった。


「――っ!」


キラは一歩後ろへ跳ぶ。


ズガァン!!


先ほどまでキラが立っていた場所に、巨大な爪が叩きつけられた。


石造りの床が砕け、破片が宙へ舞う。


「速い……!」


キラは剣を構え直した。


三体。


それぞれの姿は違う。


一体は巨大な獅子のような頭部を持ち、両腕が異常なほど太い。


一体は蛇のように長い身体を持ち、床を這いながら不規則な動きをする。


そしてもう一体は――。


巨大な翼を持ち、空中からキラを狙っている。


「一体ずつなら……!」


キラが踏み込む。


「はぁっ!」


剣を横薙ぎに振る。


ガキィン!!


獅子型のキメラが腕で受け止めた。


「硬っ……!」


キラの剣が弾かれる。


その瞬間。


「グルルルッ!」


背後から蛇型キメラが迫ってきた。


「しまっ――!」


キラは身体をひねる。


ズドォン!!


巨大な尾が背中をかすめ、壁を粉砕した。


「危な……!」


キラはその勢いを利用して壁を蹴った。


空中へ飛び上がる。


そこへ――。


「ギャァァァァァ!!」


翼を持つキメラが急降下してきた。


「お前もか!」


キラは空中で剣を構える。


「だったら――!」


剣に魔力をまとわせる。


「魔法剣術!」


ズバァァン!!


空中で交差する。


翼のキメラがキラの横を通り過ぎた。


その瞬間――。


バキッ!!


翼の一部が切り裂かれた。


「ギャァァァァ!!」


キメラが苦しそうに叫び、床へ落下する。


「まず一体!」


キラが着地する。


しかし――。


「グォォォォォ!!」


獅子型が正面から突っ込んできた。


「くっ!」


ガキィン!!


キラは剣で爪を受け止める。


凄まじい力。


「ぐっ……!」


ズズズズズ……。


キラの足が床を削りながら後退していく。


「力だけなら……かなり強い!」


キメラがもう一方の腕を振り上げる。


「なら!」


キラは剣を引いた。


そして――。


「アポカリプス・フレイム!」


ッ!!


至近距離から放たれた炎がキメラを包み込む。


「グォォォォォ!!」


キメラが炎の中でもがく。


しかし――。


炎を突き破って飛び出してきた。


「なにっ!?」


全身を焦がしながら、それでも突っ込んでくる。


「しぶといな……!」


キラは剣を握り直す。


「なら、これで!」


足元へ魔力を流す。


「グランド・エンド!」


ズドドドドドッ!!


床が隆起し、巨大な岩槍がキメラを下から突き上げる。


「グォォォォォ!!」


身体が宙へ浮く。


そこへキラが跳ぶ。


「――はぁぁぁっ!」


一閃。


ズバァン!!


キメラの身体を斜めに切り裂いた。


ドォン!!


巨体が床へ落ちる。


「……二体目!」


だが――。


「ギャァァァァァ!!」


翼を傷つけられたキメラが、再び飛び上がった。


「まだ動くのか!」


上空から無数の黒い魔力弾が降ってくる。


「ちっ!」


キラは走る。


ドドドドドドッ!!


床が次々と爆発する。


「こいつら……!」


キラは剣で魔力弾を切り払いながら、隙を探す。


だが蛇型のキメラまで参戦してきた。


「グルルルルッ!」


長い身体がキラの足へ巻き付こうとする。


「させるか!」


キラは跳躍。


空中で身体を回転させる。


「フロスト・テンペスト!」


冷気と暴風が同時に吹き荒れる。


蛇型の身体が一気に凍りつく。


「今だ!」


キラは地面へ着地すると、そのまま一直線に走った。


「セレスティアル・レイ!」


光の奔流が翼のキメラを貫く。


「ギャァァァァァ!!」


さらに――。


「ラグナ・ボルト!」


轟雷が落ちる。


バァァァン!!


翼のキメラが床へ叩き落とされた。


キラは一気に距離を詰める。


「これで――!」


「はぁぁぁっ!!」


ズバァァン!!


最後の一撃。


翼のキメラが動かなくなる。


「……三体目!」


キラは息を吐いた。


「……はぁ……はぁ……」


三体とも倒れた。


だが、キラも無傷ではなかった。


服は破れ、腕や頬には傷がある。


「……思ったより強かったな」


キラが剣を下ろす。


その時――。


「……クソガキめ!!」


ボギーが怒鳴った。


「この私のキメラを……!」


キラはボギーを睨む。


「次はお前だ」


「ふざけるな!」


ボギーの顔が醜く歪む。


「私が……私がこんなところで負けるだと!?」


ボギーは両手を広げた。


「ならば……!」


黒い魔力が一気に膨れ上がる。


「禁忌を使うしかあるまい!」


「……禁忌?」


キラが眉をひそめる。


ボギーは笑った。


「そうだ!」


床に黒い魔法陣が現れる。


「魔境召喚魔法――!!」


「……!」


空間そのものが震え始める。


「これは遥か昔に禁忌とされた魔法!」


黒い魔法陣がどんどん巨大になっていく。


「現在では誰も使えない魔法だ!」


「何を……」


キラが構える。


しかし――。


ドォォォォォン!!


天井を突き破るほど巨大な魔法陣が、空中に浮かび上がった。


その大きさは――。


数十メートル。


いや、それ以上。


「な……」


キラが絶句する。


魔法陣の向こう側から、何かがこちらへ出てくる。


最初に見えたのは――腕。


次に頭。


そして巨大な身体。


ズズズズズズ……。


「グォォォォォォォォォォォ!!」


聖教都市シルオットの空を覆うほどの巨体。


その高さは――。


およそ40メートル。


巨大な魔境獣が、召喚された。


「ハハハハハハハ!!」


ボギーが笑う。


「見たか!!」


両手を広げる。


「貴様もこれで終わりだ!!」


魔境獣が咆哮する。


街の建物が震える。


窓ガラスが一斉に割れる。


「グォォォォォォォ!!」


しかし――。


キラは違和感を覚えた。


「……ん?」


魔境獣がボギーを見る。


「……?」


その目には――。


知性がない。


命令を理解している様子もない。


ただただ――。


暴れている。


「グォォォォォォ!!」


魔境獣が腕を振り回した。


ズガァァァン!!


建物が吹き飛ぶ。


「な……」


ボギーの顔が引きつる。


「お、おい……!」


魔境獣は止まらない。


「お前!」


ボギーは慌てて窓を開け、身を乗り出す。


「化物!」


「…………」


「おい!お前!」


魔境獣がゆっくりとボギーを見る。


「言うことを聞け!」


次の瞬間――。


巨大な腕が伸びた。


「え?」


ドゴォォォォォン!!


壁ごと窓が吹き飛ぶ。


「な、何を――!」


巨大な手がボギーを掴む。


「待て!私はお前を召喚した――」


ギュッ。


「ぐ……」


ギュギュギュギュ……。


「ぎゃあああああああああ!!」


巨大な手が握りしめる。


ボギーは――。


壁と窓ごと、完全に握り潰された。


そして魔境獣は、何事もなかったかのように街へ向き直った。


「…………」


キラは絶句する。


「……自分で召喚した化物に……」


魔境獣が歩き出す。


ズドン。


ズドン。


一歩進むたびに建物が崩れる。


「……殺されたのか」


キラは剣を握り直した。


「最悪だ……」


魔境獣は理性を失ったまま、聖教都市シルオットを破壊していく。


ズガァァン!!


建物が崩壊する。


ズドォォン!!


道路が陥没する。


逃げ惑う人々の声が響く。


「止めないと……!」


キラは破壊された壁から外へ飛び出した。


そして魔境獣を見上げる。


「こんな化物……!」


キラは魔力を集中させる。


「アポカリプス・フレイム!!」


轟炎が魔境獣へ直撃する。


ドォォォォン!!


「グォォォォ……!」


炎が身体を焼く。


しかし――。


「効いてはいる……!」


キラはさらに魔法を放つ。


「アブソリュート・ゼロ!」


巨大な氷が魔境獣の身体を包み込む。


「ラグナ・ボルト!」


轟雷が落ちる。


「グランド・エンド!」


大地から巨大な岩槍が突き出す。


「テンペスト・ゼロ!」


暴風が魔境獣を包む。


さらに――。


「セレスティアル・レイ!」


「アビス・ノヴァ!」


「インフェルノ・テンペスト!」


「ヴォルティック・アクア!」


「マグマ・カタストロフ!!」


次々と魔法を叩き込む。


大地が揺れる。


空が光る。


炎、氷、雷、風、土、光、闇。


あらゆる属性の魔法が、魔境獣へと直撃していく。


「これでも……!」


魔境獣の身体には傷が増えていく。


確かにダメージはある。


だが――。


「こっちを見向きもしない……!」


魔境獣はキラなど眼中にない。


ただ街を破壊し続けている。


「くそっ……!」


その時だった。


「キラさん!!!!!」


「――え?」


聞き覚えのある声。


キラが振り返る。


そこには――。


「セリーナ!」


セリーナが老人の手を握りながら、こちらへ走ってきていた。


「キラさん!」


「セリーナ……!」


生きている。


無事だった。


キラの表情が一気に変わる。


「よかった……!」


セリーナも嬉しそうに笑う。


「キラさんも無事だったんですね!」


「ああ!」


その隣で老人が魔境獣を見上げる。


「……なるほど」


老人はセリーナを見る。


「セリーナよ」


「はい?」


「今が使い時だろう」


セリーナは一瞬、目を見開く。


そして――。


「……はい!」


頷いた。


両手を顔の前へ持っていく。


そして両手の人差し指と中指を合わせる。


四本の指で、ダイヤの形を作る。


「…………」


セリーナの周囲に、神聖な光が集まり始めた。


「え?」


キラが驚く。


今まで感じたことのないほどの聖なる力。


セリーナは大きく息を吸う。


そして――。


「我に宿りし聖なる力よ!」


光が一気に膨れ上がる。


「守りの刃になりて――」


魔法陣がセリーナの前に展開される。


「敵を全滅せよ!!!」


眩い光が周囲を包み込む。


「ライトニングブラストーーー!!!!」


ドォォォォォォォォォォォォン!!!!


凄まじい光の奔流が放たれた。


それはもはや、魔法というには強烈すぎる


巨大な光の砲撃。


街を覆うほどの大きさ。


大地を震わせながら、一直線に魔境獣へと突き進む。


「グォォォォォォォォォ!!?」


魔境獣が初めて反応した。


そして――。


ドッッッッッゴォォォォォォォォォォン!!!!


ライトニングブラストが、魔境獣へ直撃した。


巨大な光が魔境獣の身体を包み込む。


街中が真っ白になる。


キラはその光景を見ながら――。


「えーーーーーー!!!?」


思わず大声を上げた。


「セリーナ!?」


セリーナは両手を前に突き出したまま、必死に魔法を維持している。


「は、はいぃぃぃ!!」


老人は満足そうに頷いた。


「これが……前聖教様が、お前に託そうとしていた力だ」


キラは呆然と巨大な光を見つめる。


「……これが……セリーナの……」


光の奔流は、まだ終わらない。


魔境獣を完全に飲み込み――。


聖教都市シルオットを、昼間の太陽よりも明るく照らしていた。


第178話 終

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