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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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167話 聖教都市シルオット



――聖教都市シルオット。


長い旅を終え、キラ、エリス、セリーナの三人はようやく目的地へと到着していた。


「ここが……シルオット」


キラが街を見渡す。


白を基調とした美しい街並み。


大きな聖堂が街の中心にそびえ立ち、その周囲には武器屋や魔道具店、飲食店などが並んでいる。


「まずは大司教様のところへ行きましょう!」


セリーナが先頭を歩く。


「おう」


三人は大聖堂へ向かった。


しかし――。


「申し訳ありませんが、大司教様は現在ご不在です」


「え?」


セリーナが固まる。


「いつ戻られるんですか?」


「それについてはお答えできません」


「そんな……」


結局、三人は大聖堂から追い返されるような形になってしまった。


「仕方ないな」


キラが頭を掻く。


「じゃあ、街を見て回るか」


「はい!」




三人はシルオットの街を歩き始めた。


「ここは魔道具屋です!」


「こっちは武器屋ですね。あのお店は珍しい魔石を扱っていて――」


セリーナは驚くほど街に詳しかった。


「セリーナ、詳しいな」


「昔よく来ていましたから!」


武器。


魔道具。


飲食店。


さらには隠れた名店まで。


「この店のパンがおすすめですよ!」


「へえ」


「それから、あっちのお店は――」


エリスが微笑む。


「セリーナさん、本当にこの街が好きだったんですね」


「はい!」


そう言っていたセリーナだったが――。


ふと、足を止める。


「……あれ?」


視線の先。


雑貨屋の壁に、聖教都市の国旗が掛けられていた。


その旗に描かれているシンボルを見て、セリーナは首を傾げる。


「なんだか……シンボルが変わってるような……」


「シンボル?」


キラも旗を見る。


「前と違うのか?」


「はい……」


セリーナは店主に声をかける。


「すみません」


「ん?」


「聖教都市のシンボル、代わりました?」


店主は少し驚いた顔をした。


「ああ、知らないのかい?」


「はい……」


店主は声を落とす。


「少し前に聖教様が亡くなって、代替わりしたんだよ」


「……え?」


セリーナの表情が固まった。


「それが……」


店主は周囲をちらりと見る。


「……おっと」


「この話はここまでだ」


「悪いね、嬢ちゃん」


そう言って、店主は話を切り上げた。


「…………」


セリーナは何も言えなかった。


ただ、変わってしまったシンボルを見つめている。


キラが声をかける。


「セリーナ……」


「……前の聖教様は」


小さな声だった。


「私が聖女になるために……指導してくださった方なんです」


セリーナは俯く。


「私に……たくさんのことを教えてくれました」


エリスがそっとセリーナの肩に手を置く。


「……セリーナ」


そのとき――。


「うおおおおおお!!」


街の外から、大きな声が響いた。


「何だ?」


キラが振り返る。


人々が集まり始めている。


そして――。


「これより!」


一人の男が大声で叫んでいた。


その身に纏っているのは、白い鎧。


胸には聖教都市の紋章。


「聖教ボギー様に逆らった愚かな人間を――!」


男が剣を掲げる。


「この場で処刑する!!!」


「……!」


セリーナの顔から血の気が引いた。


その姿を見た瞬間――。


「聖教騎士団……」


セリーナが呟く。


かつて自分が所属していた聖教都市。


そして――。


かつて尊敬していた聖教様がいた場所。


その街で今、何かがおかしくなっている。


キラは処刑台へ視線を向けた。


「……どういうことだ?」


セリーナは答えられない。


ただ、震える手を握りしめていた。


第167話 終

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