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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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164話 レティシアの決断



魔法解放の儀式を終えた翌日。


キラたちは、マニルの冒険者ギルドへ向かっていた。


目的は一つ。


「セリーナを冒険者登録する」


ギルドへ入ると、受付嬢が驚いた顔をする。


「えっ……セリーナさんも、冒険者に?」


「は、はい……! みなさんと一緒に旅をするなら、正式に登録したほうがいいかなって……」


セリーナは眼鏡を押し上げながら答える。


手続きは順調に進み――。


「登録完了です」


そして受付嬢が、もう一枚の書類を確認する。


「それと……皆さんのパーティーランクですが」


キラたちが顔を上げる。


「今回のマニルでの功績、そしてこれまでの実績を考慮しまして……」


一拍。


「Sランクパーティーとして認定されました」


「……Sランク?」


キラが目を丸くする。


「はい」


「マジ?!……」


レティシアが嬉しそうに笑う。


「やったじゃん!」


エリスも小さく笑う。


「これで、正式に最高ランクですね」


セリーナはというと――。


「わ、私も……Sランクパーティー……?」


自分の名前が並んだ書類を見て、ぷるぷる震えている。


「私なんかが……」


「なんかじゃないだろ」


キラが笑う。


「セリーナがいなかったら、マニルの件もどうなってたかわからない」


「キラさん……」


こうして。


キラ、レティシア、エリス、セリーナ。


四人のパーティーは――


Sランクパーティーとなった。



---


その日の午後。


ギルドを出たキラたちは、町を歩いていた。


だが。


「……」


レティシアだけが、どこか浮かない顔をしている。


キラが気づく。


「レティシア?」


「……ん?」


「どうした?」


「いや……なんでもない」


そう言って笑う。


しかし、その笑顔はどこか無理をしていた。



---


夜。


レティシアは一人で訓練場にいた。


双剣を握り、何度も振る。


「……っ!」


斬る。


斬る。


さらに斬る。


それでも――。


「……足りない」


レティシアは剣を下ろした。


「私だけ……強くない」


キラ。


圧倒的な魔力。


全属性を操り、剣と魔法を同時に使う。


エリス。


膨大な魔力を持ち、弓と魔法を極限まで高めている。


そしてセリーナも、特殊な浄化魔法を扱える。


「私には……魔力がない」


レティシアは自分の手を見る。


「キラみたいな圧倒的な魔力もない」


「エリスみたいな、とんでもない力もない」


「……このままじゃ」


悔しそうに拳を握る。


「負けたくない」


そして――。


「もっと強くなりたい」



---


翌日。


レティシアはレオンのもとを訪ねていた。


「レオン」


「おう。どうした?」


「私……もっと強くなりたい」


レオンは黙って話を聞いた。


レティシアは、自分の思いをすべて話す。


キラに追いつきたい。


エリスにも負けたくない。


自分だけが圧倒的な力を持っていない。


「……なるほどな」


レオンは腕を組む。


「お前は、圧倒的な戦闘力が欲しいってわけか」


「うん」


「なら、今の修行を続けるだけじゃ納得できないか」


「……うん」


レオンは少し考えた。


「だったら、一つだけ心当たりがある」


「え?」


「ドーラだ」


「ドーラ?」


「ああ」


レオンは遠くを見る。


「剣聖アシュレインが、かつて修行した場所だ」


レティシアの目が変わる。


「剣聖が……?」


「そこには、剣神と呼ばれる男がいる」


「……剣神?」


「名は、アブソリュー」


レオンは続ける。


「もし本当に圧倒的な戦闘力が欲しいなら――」


「そこで、剣神アブソリューに修行をつけてもらうのが一番かもしれんな」


レティシアはしばらく黙っていた。


そして。


「……行く」


即答だった。



---


レティシアはキラたちのところへ戻り、事情を話した。


「ドーラに行きたい」


キラは驚いたが、反対はしなかった。


「レティシアが、それで納得するなら」


「いいのか?」


「もちろん」


キラは笑う。


「強くなりたいんだろ?」


「……うん」


「なら行ってこい」


エリスも頷く。


「レティシアなら、きっともっと強くなれます」


セリーナも両手を握る。


「が、頑張ってくだしゃい!」


「噛んだな」


「……噛みました」


レティシアは笑った。


「ありがとな、みんな」


こうして――。


レティシアはパーティーを一時的に離れ、単独でドーラへ向かうことになった。



---


そして同じ頃。


レオンもエルディアへ戻ることになった。


「じゃあな、キラ」


「レオン、もう行くのか?」


「ああ」


レオンは歩き出しかけ――


「あ」


突然、立ち止まった。


「忘れてた」


「何を?」


レオンは懐から一本の剣を取り出した。


「これだ」


「……剣?」


レオンから手渡された一本の剣。


鞘から少しだけ抜く。


美しい刀身が姿を見せた。


「これは……」


「ミスリル製だ」


レオンが太鼓判を押す。


「一級品だぞ」


キラは目を丸くする。


「……なんで?」


「お前の母さんからだ」


「母さんから?」


レオンは笑う。


「『このまえ戻ってきたのに会えなくてゴメンね。お母さんからこれをあなたに』ってな」


キラは剣を見つめる。


そして――。


「これのためだけに無茶したのかよ!」


「ははは!」


レオンが笑う。


「まぁ、弟子のためだからな」


「ったく……」


キラも苦笑する。


レオンは手を振った。


「じゃあな」


「またな、レオン」


レオンはエルディアへと帰っていった。



---


残されたキラ、エリス、セリーナ。


そして――ドーラへ向かったレティシア。


四人だったパーティーは、今は三人。


「……寂しくなるな」


キラが呟く。


エリスも頷く。


「でも、レティシアなら大丈夫です」


セリーナが手を挙げる。


「そうでしゅ!」


「また噛んだな」


「……はい」


三人は笑った。


だが。


まだ終わっていない。


マニルで起きた事件。


黒い魔力。


そして、その背後にいる存在。


「なあ、セリーナ」


「はい?」


「黒い魔力について、もっと詳しく知ることはできるか?」


セリーナは少し考えた。


そして――。


「あっ!」


突然、何かを思い出したように顔を上げる。


「それなら……私の地元が一番詳しいと思いましゅ!」


「……」


「……」


「……噛んだな」


「はい……」


セリーナは恥ずかしそうに眼鏡を直す。


「私が所属していた場所なら、黒い魔力について何かわかるかもしれません」


キラは頷いた。


「なら、決まりだな」


エリスが尋ねる。


「どこへ向かうんですか?」


セリーナは答えた。


「聖教都市――シルオットです」


黒い魔力の正体を知るため。


キラ、エリス、セリーナの三人は――


聖教都市シルオットへ向かうことを決めた。


第164話 終

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