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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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163話 エリス



マニル。


エルフ族の儀式場。


その中央には、巨大な魔法陣が描かれていた。


その中心に立つのは――エリス。


「…………」


エリスは静かに目を閉じている。


その周囲には、五人の族長たちが五芒星のように配置されていた。


サーベン。


トライゴン。


ベンガル。


ハイドロ。


そしてガミオン。


五種族の族長が、それぞれ決められた位置につく。


キラたちは少し離れた場所から見守っていた。


「いよいよだな……」


キラが呟く。


レティシアは少し緊張した様子でエリスを見る。


「大丈夫かな……」


セリーナも心配そうに両手を握る。


レオンは黙って儀式を見つめていた。


そして――


サーベンが口を開く。


「エルフの血脈に眠りし力よ――」


トライゴン。


「竜の力よ、彼女の魂を守護せよ」


ベンガル。


「大地に眠る古き力よ、封じられし力を導け」


ハイドロ。


「水と氷に宿りし精霊よ、彼女の力を受け入れよ」


最後にガミオン。


「獣の魂よ――彼女と共にあれ」


五人の声が重なる。


「「「「「――今ここに、封印を解き放つ!!」」」」」


その瞬間。


魔法陣が強烈な光を放った。


「……!」


エリスの足元から光が立ち上る。


小さな光の粒が、次々と生まれていく。


ふわっ。


ふわっ。


まるで無数の精霊のような光。


それらがエリスの身体へ吸い込まれていく。


「……っ」


エリスが少しだけ顔を歪める。


しかし、耐える。


さらに光が集まる。


胸へ。


腕へ。


頭へ。


そして――


すべての光がエリスの中へ入った瞬間。


「――――!!」


ドォォォォォン!!


儀式場全体が真っ白な光に包まれた。


「エリス!」


レティシアが思わず叫ぶ。


「大丈夫!?」


キラも目を細める。


あまりにも眩しい。


何も見えない。


ただ、白い世界だけが広がっていた。


しばらくして――


光が徐々に薄れていく。


「……」


視界が戻る。


キラはゆっくりと目を開けた。


「エリス……?」


魔法陣の中央。


そこには――


エリスが立っていた。


「…………」


誰も言葉を発しない。


レティシアが恐る恐る声をかける。


「エリス……大丈夫かな……」


エリスはゆっくり顔を上げる。


そして――


右手を前へ。


左手を後ろへ。


弓を引くような姿勢を取った。


「……?」


キラが目を見開く。


「その構え……」


次の瞬間。


エリスの身体から、凄まじい魔力が溢れ出した。


「――スキル」


エリスの周囲に光が集まる。


「精霊弓王」


シュンッ!!


エリスの手元に、一本の弓が現れた。


それは普通の弓ではない。


精霊の力とエリス自身の魔力によって形作られた、純粋な魔力の弓。


「……!」


レティシアが息を呑む。


エリスは弓を握る。


そして――


弦を引く。


ギィィィ……。


弓が引かれた瞬間。


今度は一本の矢が現れた。


光と魔力が凝縮された矢。


その威力だけで、周囲の空気が震える。


「……すごい」


セリーナが呟く。


エリスは静かに前を見る。


「…………」


そして――


「――――!」


放つ。


ヒュンッ!!


矢は一瞬で空へ飛び――


ドォォォォォン!!


遥か上空で巨大な光が弾けた。


空そのものを照らすほどの輝き。


誰も言葉を失っていた。


エリスは弓を消す。


そして――


「……」


みんなの方を振り向く。


ニコッ。


小さく笑った。


「……できた」


レティシアが一気に駆け寄る。


「エリス!」


「レティシア」


「すっごいじゃん!!」


キラも笑う。


「すごいな、エリス」


セリーナも嬉しそうに頷く。


「本当に……よかったです」


エリスは自分の手を見る。


今まで抑え込まれていた力。


ずっと恐れていた力。


それが今――


自分の意思で扱える。


その光景を見ていたレオンが、静かに呟いた。


「……そうか」


全員がレオンを見る。


レオンはエリスを見つめたまま言う。


「弓王リゼッタを超える守護者は――」


一瞬だけ、目を細める。


「この子だったか」




そして――


エリスはもう一度、ニコッと笑った。


第163話 終

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