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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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162話 覇王之力



「はぁ……はぁ……!」


レオンとヤーリミオン。


二人の戦いは、激しさを増していた。


ガキィィン!!


剣と黒い魔力がぶつかり合う。


「くっ……!」


ヤーリミオンが後退する。


「へぇ……!」


それでも笑みを浮かべる。


「まだまだいけるじゃん!」


「……そろそろ終わりにするぞ」


レオンが踏み込む。


「はあっ!」


ズバッ!!


ヤーリミオンの肩を斬り裂く。


「ぐっ!」


「ちっ……!」


ヤーリミオンは距離を取る。


レオンは追撃しようとするが――


「……っ」


一瞬、身体がふらついた。


ヤーリミリオンはそれを見逃さない。


「なるほどねぇ……」


「その力、長くは続かないんだ?」


レオンは答えない。


ヤーリミオンはニヤリと笑う。


「だったら、今日はここまでにしとくか!」


「待て!」


レオンが斬り込む。


しかしヤーリミオンは黒い魔力を爆発させ――


「じゃあねぇ!」


そのまま城の外へ飛び去っていった。


「……逃げたか」


レオンは剣を納める。


こうして――


長かった戦いは終わった。



---


レオンがキラたちのところへ歩いてくる。


「レオン!」


キラが立ち上がる。


しかし――


「……」


レオンの顔は真っ青だった。


今にも倒れそうになっている。


「おい、大丈夫か?」


キラが駆け寄る。


レオンは苦笑する。


「ああ……大丈夫だ」


そして――


「あと10秒長けりゃ、俺が負けていた」


「マジかよ……」


キラが驚く。


レティシアも目を丸くする。


「ギリギリだったんだな」


「そういうことだ」


レオンは笑った。



---


しばらく休憩した後。


全員がレオンの周りに集まっていた。


イグニットが尋ねる。


「先ほどの力……一体何なのですか?」


ゴルーツも興味津々だ。


「あれだけの強さ、普通じゃねぇぞ」


ガイムも静かに尋ねる。


「私も知りたいです」


ゴルドンも髭を撫でる。


「儂も気になるのう」


レティシアも腕を組む。


「キラの師匠って、あんなに強かったのね!」


キラもレオンを見る。


「俺も聞きたい」


レオンは少し考えると、笑った。


「隠すものでもないよな。味方なんだし」


そして口を開く。


「俺の固有スキルは二つある」


「一つは――」


キラが答える。


「レベルリセット」


「ああ」


レオンは頷く。


「そして、もう一つ」


レオンの表情が真剣になる。


「覇王之力【エンペラー】」


「エンペラー……」


エリスが呟く。


「いわゆる、全能力リミット解除ってところだ」


「全能力?」


「ああ」


レオンは説明する。


「攻撃力、速度、反応速度、身体能力、魔力――」


「俺が持っている能力を、一時的に限界まで引き上げる」


キラが納得する。


「だから、あの強さか」


「そういうことだ」


レオンは続ける。


「ただし、問題がある」


「五分しか俺の身体が耐えられない」


「五分……」


「それ以上使えば、身体が限界を迎える」


レティシアが眉をひそめる。


「だから、さっきあんなにフラフラだったのね」


「ああ」


レオンは笑う。


「本当はレベルリセットと併用するつもりだった」


キラが聞く。


「でも失敗したんだよな」


「ああ」


「レベルリセットに失敗したせいで、覇王之力も満足には扱えなくなった」


「それでも――」


レオンは拳を握る。


「ここぞという時なら、本来の俺の強さを引き出せる」


キラは笑った。


「十分すごいじゃん」


「そう言ってもらえると助かるな」


レオンも笑う。



---


そのときだった。


「う……」


「……ここは……?」


全員が振り返る。


倒れていたガミオンとスベルが、ゆっくりと目を覚ました。


「ガミオン様!」


シエラが駆け寄る。


ガミオンは周囲を見渡す。


そして、自分の身体に黒い魔力がないことに気づく。


「……私は……」


「セリーナとキラが助けてくれたんだよ」


レティシアが答える。


ガミオンはキラを見る。


「……そうか」


そして深く頭を下げた。


「すまなかった」


「私のせいで、獣人族を……そして他の種族まで巻き込んでしまった」


スベルも俯く。


「僕も……」


「全部、僕がやったことだ」


「他の種族に化けて、争いを起こした」


「本当に……ごめんなさい」


キラは二人を見る。


「もういい」


「これからどうするかが大事だろ」


ガミオンは顔を上げる。


「ああ」


「なら、俺たちと一緒に来てくれ」


「……分かった」



---


キラたちはサーベンのもとへ向かった。


そこにはトライゴン、ベンガル、ハイドロも集まっていた。


ガミオンが頭を下げる。


「獣人族も、他の四種族と同盟を結びたい」


サーベンは静かに頷く。


「歓迎する」


トライゴンも笑う。


「これで五種族が一つになるな」


ベンガルも頷いた。


「もう誰かに利用されねぇようにしねぇとな」


ハイドロも続ける。


「以前のマニルを取り戻しましょう」


ガミオンが力強く頷く。


「ああ」


こうして――


五種族は正式に同盟を結んだ。


長く続いた種族間の争い。


その原因となった事件も、ついに終わりを迎えた。


マニルは再び、一つになった。



---


そして数日後。


「エリス」


サーベンがエリスを呼ぶ。


「ついに準備が整った」


「……」


エリスは静かに胸へ手を当てる。


そこには、長年封じられてきた巨大な魔力が眠っている。


「お前の魔法解放の儀式を行う」


エリスは少しだけ緊張した表情を浮かべる。


「……分かった」


キラが隣に立つ。


「エリス」


「ん?」


「大丈夫だ」


レティシアも笑う。


「今のエリスなら、絶対大丈夫だって!」


セリーナも頷く。


「私も一緒にいますから」


エリスは三人を見る。


そして――


「……ありがとう」


長年閉ざされていた力。


それを解放する時が、ついにやって来た。


第162話 終

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