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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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148話 竜人族とドワーフ族



マニル王国。


エルフ族の長、サーベンから話を聞いた翌日。


キラたちは、次の目的地へ向かっていた。


「まずは竜人族だ」


ホーメルが言う。


「エルフ族と竜人族は昔から交流が深い。話を聞くなら、竜人族から始めるのがいいだろう」


「分かった」


キラが頷く。


エリスも静かに頷いていた。


「竜人族……久しぶりに会うな」


「エリスも知ってるの?」


レティシアが尋ねる。


「うん。子供の頃に何度か会ったことがあるよ」


やがて一行は、竜人族の暮らす地域へと到着した。


そこには巨大な石造りの建物が並んでいる。


エルフの里とは全く違う雰囲気だ。


その奥にある大きな建物へ案内される。


「こちらが竜人族長、トライゴン様です」


扉が開く。


そこには、大柄な竜人の男が座っていた。


鋭い目。


巨大な体格。


しかし、その表情には疲労が見えている。


「エルフの使者か」


トライゴンがホーメルを見る。


「そして……エリス」


「久しぶり」


エリスが答える。


トライゴンは少しだけ表情を緩めた。


「大きくなったな」


「うん」


キラたちも挨拶をする。


「俺はキラです」


「レティシアよ」


「エリスです」


「セリーナです」


トライゴンは全員を見渡した。


「サーベンから話は聞いている。お前たちがマニルのために動いてくれていることもな」


「それなら話が早い」


キラが言った。


「俺たちは今、種族同士の争いが起きた原因を調べています」


「何があったのか、教えてもらえませんか?」


トライゴンはしばらく黙っていた。


そして――


重い口を開いた。


「……ドワーフだ」


「ドワーフ?」


レティシアが聞き返す。


「ああ」


トライゴンの拳が強く握られる。


「ドワーフが、我ら竜人を殺した」


「……!」


エリスが息を呑む。


「何人も殺された」


「そして――」


トライゴンの声が低くなる。


「殺された竜人たちは、人目につく場所に晒されていた」


セリーナが口元を押さえる。


「そんな……」


「我々は当然、ドワーフ族へ説明を求めた」


「しかし――」


トライゴンは首を横に振った。


「奴らは聞く耳を持たなかった」


「何を言っても、信じられないの一点張りだ」


キラが尋ねる。


「竜人側は何かしたんですか?」


「していない」


即答だった。


「我々は何もしていない」


「ドワーフは我らの言葉を信じなかった」


「そして争いになった」


部屋に重い沈黙が落ちる。


トライゴンは続けた。


「さらに、竜人族の行方不明者も多数出ている」


「竜人が何人も消えているんだ」


「ドワーフの仕返し……そう考えるのが自然だろう」


キラは考え込む。


「でも……」


「何か気になることがある?」


レティシアが尋ねる。


トライゴンは少し迷ってから答えた。


「ドワーフ族長のベンガルだ」


「ベンガル?」


「あの男は、我ら竜人のことをよく理解している」


「我らがどういう種族なのかもな」


トライゴンは苦笑する。


「竜人は、良くも悪くも素直だ」


「思ったことをそのまま口にする」


「そして、一度決めたことは曲げない」


「ベンガルはその性格を知っている」


「だからこそ……」


トライゴンは眉を寄せる。


「今回の件について、ベンガルが本当に我らを疑っているのか……どうにも腑に落ちない」


キラはその言葉に反応した。


「つまり、ドワーフ族長本人は、本当は竜人がやったとは思っていない?」


「分からない」


トライゴンは答える。


「だが、少なくとも私が知っているベンガルなら、もっと話を聞こうとするはずだ」


キラは立ち上がった。


「なら、直接会って話をすればいい」


「……何?」


「トライゴンさんとベンガルさんを」


トライゴンが驚く。


「ドワーフ族長と私を会わせるつもりか?」


「ああ」


キラは頷く。


「二人が直接話せば、何か分かるかもしれない」


「私も賛成」


レティシアが続く。


エリスも頷いた。


「うん」


トライゴンはしばらくキラを見つめた。


そして――


「……分かった」



---


その日の夕方。


キラたちはドワーフ族の領域へ向かった。


目的は一つ。


ドワーフ族長――ベンガルと会うこと。


そして、トライゴンと話をさせることだった。


「本当に上手くいくでしょうか……」


セリーナが不安そうに言う。


「分からない」


キラは答える。


「でも、今のままじゃ何も変わらない」


エリスも前を見つめている。


「この国を元に戻すためには……」


「種族同士が、もう一度話をする必要がある」


その時だった。


「止まれ!」


突然、前方から声が響いた。


キラたちが足を止める。


「……?」


次の瞬間。


ドォン!


地面に何かが突き刺さった。


「敵襲!」


ホーメルが叫ぶ。


トライゴンが立ち上がる。


「何者だ!」


周囲から複数の影が現れる。


「くっ……!」


キラが剣を抜く。


レティシアも二刀を構える。


エリスは弓を手に取った。


「話し合いをさせたくない奴がいるってことか……」


キラが呟く。


その瞬間。


黒い魔力が、遠くで一瞬だけ揺らめいた。


「……!」


キラの表情が変わる。


この魔力。


以前にも感じたことがある。


「まさか……」


しかし、考える暇はなかった。


敵が一斉に襲いかかってくる。


竜人族とドワーフ族。


その二つの族長を引き合わせようとした瞬間――


何者かが、それを阻止しようとしていた。


第148話 終

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