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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
青年期

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134話 エルディアの再会




エルディアへ向かう街道。


俺たちはゆっくりと歩いていた。


隣にはレティシア。


その少し後ろにはエリスとセリーナがいる。


「もうすぐだね」


エリスが前方を見る。


「ああ」


俺も頷いた。


十年ぶりの故郷。


最後にエルディアを出た時、俺は十二歳だった。


そして今は――二十二歳。


「……十年か」


「長かったね」


レティシアが笑う。


「私たちにとっては、あっという間だったけど」


「そうだな」


俺は少しだけ笑った。


その時。


「キラさん!」


後ろからセリーナの声が聞こえた。


「どうした?」


「す、すみません!」


「?」


セリーナが慌てて走ってくる。


「眼鏡を落としてしまって……」


「また?」


エリスが苦笑する。


「は、はい……」


セリーナは地面を探している。


すると――。


「あった!」


拾い上げた瞬間。


「きゃっ!」


今度は自分の足につまずいた。


「危ない!」


キラが支える。


「だ、大丈夫です……」


「本当に?」


「はい……」


セリーナは恥ずかしそうに眼鏡をかけ直した。


「それにしても、セリーナもエルディアに行く理由があるんだよね?」


レティシアが尋ねる。


「はい」


セリーナの表情が少しだけ真剣になる。


「私は聖女として、エルディアにある教会から調査を依頼されています」


「調査?」


「はい」


セリーナは小さく頷く。


「以前、エルディアの地下で黒い魔力が暴走した事件がありましたよね」


キラの足が一瞬止まった。


「……ああ」


「その事件について、最近になって地下の奥に異変が確認されたそうです」


セリーナは続ける。


「私は回復魔法や状態異常の治療ができます。もし地下で何か起きていた場合、調査隊の補助ができると思って」


「なるほど」


キラは父親から届いた手紙を思い出した。


父さんも同じことを言っていた。


過去の事件を調査した結果――地下に異変がある。


「じゃあ、セリーナの目的も同じなんだな」


「はい」


「俺も父さんから呼ばれている」


「そうだったんですね」


セリーナは少し安心したように笑った。


「それなら、一緒に調査できそうですね」


「ああ」


ただ――。


今はまだ、その話を深く考える必要はない。


まずは故郷へ帰る。


そして、久しぶりにみんなに会いたい。


俺は前を向いた。



---




昼過ぎ。


ついに街の門が見えてきた。


「……エルディア」


懐かしい街並み。


大きく変わった場所もある。


けれど、昔の面影も残っていた。


門をくぐる。


「帰ってきた……」


思わず口から言葉が漏れた。


「おかえり、キラ」


レティシアが笑う。


「ただいま」


ギルドへ向かう。


そして――。


扉を開けた瞬間。


「……え?」


受付にいた女性がこちらを見る。


「まさか……」


奥から聞き覚えのある声がした。


「キラか!?」


「……ガルド?」


「おおおおっ!!」


大きな身体がこちらへ走ってくる。


「本当にキラか!?」


「久しぶり、ガルド」


「でかくなったなぁ!!」


「そりゃ十年経ってるからね」


続いてミレア、アルノ、ダグラスも出てくる。


「本当に帰ってきたのね」


「懐かしい顔です」


「立派になったな」


俺は笑った。


「みんなも変わってないな」


「お前に言われたくないわ!」


ガルドが笑う。


ギルド内に笑い声が響いた。


そして――。


「キラ」


聞き慣れた声。


振り返る。


そこにはレオンが立っていた。


「……レオン」


十年ぶり。


俺はゆっくり歩いていく。


「久しぶり」


「ああ」


レオンは俺をじっと見る。


「……本当に大きくなったな」


「レオンも変わらないね」


「俺はそう簡単には変わらん」


そう言ったレオンの視線が――俺の腰の剣へ移る。


「……その剣」


「うん」


「かなり使い込んでいるな」


「ああ。旅の間ずっと使ってた」


レオンが少し笑う。


「そうか」


そして――。


「なら、少し見せてもらおうか」


「……剣?」


「ああ」


レオンが立ち上がる。


「十年ぶりだ」


「……いいよ」



---




ギルドの訓練場。


俺とレオンが向かい合う。


周囲には昔の仲間たちが集まっている。


レティシアとエリス、セリーナも見ていた。


「二人とも、怪我しないでよ?」


ミレアが言う。


「分かってる」


レオンが剣を構える。


俺も剣を抜いた。


「始めるぞ」


「うん」


次の瞬間。


レオンが踏み込んだ。


「――っ!」


速い。


十年前とは比べ物にならないほど洗練された動き。


だが――。


キィン!


俺は剣で受ける。


そのまま力を流す。


レオンの剣が横へ逸れる。


「……!」


レオンが驚く。


すぐに二撃目。


キン!


三撃目。


ギィン!


俺は全て受け流す。


そして一歩踏み込む。


「――ここ」


レオンの剣へ刃を当てる。


カァン!


レオンの剣が弾かれる。


俺はそこで剣を止めた。


「……参った」


レオンが剣を下ろす。


「強くなったな」


「ありがとう」


「いや」


レオンは笑った。


「強くなりすぎだ」


周囲から驚きの声が上がる。


「レオンが押されてたぞ……」


「十年前のキラとは全然違う……」


レティシアが嬉しそうに笑う。


「当然でしょ」


エリスも頷く。


「五年間、私たちと一緒に鍛えたんだから」


セリーナは目を丸くしていた。


「……すごい」


「これでもまだ、本気じゃないけどね」


俺が言うと――。


「……それは言わない方がいい」


レオンが苦笑した。



---




その日の夕方。


ギルドの酒場。


俺たちは懐かしい顔に囲まれていた。


すると――。


「キラ!」


聞き覚えのある声。


振り返る。


「……トーマ?」


そこには、一人の青年が立っていた。


その隣には――。


「久しぶり、キラ」


ミナ。


そして――。


「……久しぶり」


カイル。


「お前ら……!」


十年ぶりの再会。


俺は三人を見て笑った。


「元気だった?」


「もちろん!」


トーマが胸を張る。


「俺たち、冒険者になったんだ!」


「本当に?」


「ほら!」


トーマが冒険者証を見せる。


Eランク。


ミナもカイルも同じEランクだった。


「俺たち三人でパーティを組んでる」


「名前は?」


エリスが聞く。


トーマが少し照れながら答える。


「まだ決めてない!」


「決めてないんだ……」


「だって思いつかなくてさ!」


みんなで笑う。


俺は三人を見る。


昔は子供だった。


でも今は――。


立派な冒険者になっていた。


「じゃあ――」


トーマが俺を見る。


「一緒にクエスト行かないか?」


「俺たちと?」


「ああ!」


ミナも笑う。


「せっかくキラが帰ってきたんだから、一緒に冒険してみたい」


カイルも頷いた。


「……俺も」


俺はレティシアとエリスを見る。


二人とも笑っていた。


「いいんじゃない?」


「うん」


「セリーナも行く?」


「えっ!?」


セリーナが驚く。


「わ、私もですか?」


「目的地も同じなんだし」


「で、でも私、戦えませんよ?」


「大丈夫」


俺は笑った。


「俺たちが守る」


セリーナは少し考えて――。


「……はい」


こうして。


Aランクパーティである俺たちと、Eランクのトーマたちのパーティ。


六人――いや、セリーナを含めて七人でクエストへ行くことになった。



---




翌日。


依頼を受けて森へ入る。


「この辺りにいるんだよね?」


エリスが周囲を確認する。


「依頼書によればそうだ」


今回の討伐対象。


グランドボア。


B級に分類される大型魔物。


トーマたちにとっては、本来ならまだ危険な相手だ。


「俺たちも戦えるぞ!」


トーマが剣を構える。


ミナも杖を握る。


カイルは盾を構えた。


その時。


ドドドドドドッ!!


地面が揺れた。


「来た!」


森の奥から巨大な魔物が飛び出してくる。


巨大な牙。


分厚い身体。


大地を揺らしながら突進してくる。


「グランドボア!」


トーマたちが構える。


「俺たちも――」


「待って」


キラが前へ出た。


「……え?」


「俺がやってみる」


レティシアが笑う。


「キラなら大丈夫」


エリスも頷く。


「うん」


トーマたちは戸惑う。


「一人で?」


「ああ」


グランドボアが突進する。


ドォォォォン!!


凄まじい速度。


だが――。


キラは動かない。


直前。


一歩だけ横へ。


グランドボアの牙が空を切る。


「――遅い」


キラが剣を抜く。


魔力を纏わせる。


一閃。


ズバァァァン!!


グランドボアの身体に斬撃が走る。


「ブモォォォォッ!!」


巨体が大きく揺れる。


だが、まだ倒れない。


「なら――」


キラの周囲に魔力が集まる。


炎。


風。


雷。


そしてルミナ。


複数の属性が融合する。


「――これで終わりだ」


剣を振り抜く。


ズドォォォォン!!


グランドボアが吹き飛ぶ。


地面を何度も転がり――。


動かなくなった。


静寂。


トーマたちは呆然としていた。


「……一人で?」


ミナが呟く。


カイルも目を見開く。


「……B級を……」


トーマがキラを見る。


「昔のキラって、こんなに強かったっけ?」


キラは笑った。


「昔とは違うよ」


レティシアが二人の肩を叩く。


「十年分の旅と修行だからね!」


エリスも笑う。


「私たちも負けてないけどね」


「もちろん」


セリーナも驚きながら頷いている。


「す、すごい……」


キラは倒れたグランドボアを見る。


そして仲間たちを見る。


故郷に帰ってきた。


昔の仲間とも再会した。


新しい仲間もいる。


そして――。


昔の自分を知るトーマたちに、今の自分の力を見せることができた。


「……帰ってきたんだな」


キラは小さく呟いた。


その胸の奥には、懐かしさと新しい日々への期待があった。


まだ――。


地下の異変について、本格的に動き出す時ではない。


今はただ。


十年ぶりに戻ってきた故郷で、大切な人たちと過ごす時間を楽しみたかった。


第134話 終

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