↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
116/277

115話 白翼の守護者



ズドォォン!!


巨大な翼が地面を叩きつけた。


「うわっ!」


キラたちは、それぞれ別方向へ飛び退く。


さっきまで立っていた場所が、大きくえぐれていた。


「これ……直撃したらまずいよ!」


エリスが叫ぶ。


「分かってる!」


キラは剣を構え直した。


目の前にいるのは、巨大な白い翼を持つ守護者。


身体は白銀の鱗に覆われ、頭部には一本の角。


だが、その身体には無数の傷が刻まれている。


「こいつ……傷だらけだ」


キラが呟く。


「長い間、ここを守っていたんだと思う」


ルナが答えた。


「でも……あの黒い魔力が守護者の身体に入り込んでる」


よく見ると、白銀の身体の一部に黒い線が走っていた。


まるで血管のように、黒い魔力が全身へ広がっている。


「つまり、あれを取り除けば……」


「助けられるかもしれません」


ルナが頷く。


その時。


「侵入者――排除」


守護者が再び翼を広げる。


「来る!」


レティシアが叫んだ。


バサァッ!!


翼から凄まじい風圧が放たれる。


「《ウィンドシールド》!」


キラが風の盾を展開する。


だが――


バキィッ!!


一瞬で砕けた。


「なっ……!」


キラの身体が吹き飛ばされる。


「キラ!」


「大丈夫!」


地面を転がりながら、キラは剣を突き立てて止まった。


「……風を使う守護者か」


守護者が翼を再び振り上げる。


「だったら!」


キラは走り出した。


正面からではない。


守護者の横へ回り込む。


「キラ、右!」


エリスの声。


ヒュンッ!


矢が飛ぶ。


守護者の翼へ突き刺さった。


「今!」


「分かってる!」


キラは跳んだ。


剣を振り上げる。


だが――


ガキィン!!


白銀の鱗に弾かれた。


「硬い!」


キラは空中で身体をひねり、着地する。


「なら、狙うのは鱗じゃない!」


キラの視線が黒い線へ向いた。


「黒い魔力の通り道だ!」


「それなら私が!」


レティシアが駆ける。


守護者の爪が振り下ろされる。


「はっ!」


レティシアは紙一重でかわした。


地面が砕ける。


そのまま腕を駆け上がるように踏み込み――


「そこ!」


剣が黒い線をかすめた。


ギィィン!!


守護者が大きく鳴いた。


「効いた!」


だが。


黒い魔力が一気に膨れ上がる。


「レティシア、離れて!」


キラが叫ぶ。


「分かってる!」


レティシアが飛び退く。


その瞬間。


ドォン!!


黒い衝撃波が地面を吹き飛ばした。


「危なかった……」


「まだ終わってない!」


キラは剣を握る。


守護者の黒い魔力が、先ほどより濃くなっている。


「攻撃すればするほど、黒い魔力が増えてる……?」


「違います!」


ルナが叫んだ。


「黒き紋章の男です!」


「何!?」


全員が振り返る。


石碑の後ろ。


黒き紋章の男が手をかざしていた。


「気づくのが遅かったな」


男の手から黒い糸のような魔力が伸び、守護者へ繋がっている。


「お前が操ってるのか!」


キラが叫ぶ。


「その通りだ」


「だったら……!」


キラが男へ走ろうとする。


だが守護者が立ちはだかった。


「侵入者――排除」


「くっ!」


キラは足を止める。


守護者を攻撃すれば、黒い魔力がさらに強くなる。


男はそれを分かっている。


「どうする?」


男が笑う。


「守護者を斬れば、封印が傷つく。斬らなければ、私には届かない」


キラは黙った。


レティシアが隣に並ぶ。


「……キラ」


「分かってる」


エリスも弓を構えた。


「じゃあ、どうする?」


キラは守護者を見る。


そして――


剣を下ろした。


「……攻撃しない」


「え?」


レティシアが目を見開く。


「守護者を倒す必要はない」


キラは男を睨む。


「操ってる糸を切る」


「そんなことが――」


「やってみる!」


キラは走り出した。


守護者が爪を振るう。


「はあっ!」


キラは剣で受け流す。


斬らない。


ただ、攻撃の軌道を逸らす。


「キラ!」


「レティシア!」


「任せて!」


レティシアが反対側から走り込む。


守護者の翼が迫る。


「――っ!」


レティシアは身体を低くしてかわし、そのまま男へ近づく。


「そこ!」


剣を振る。


ギィン!


黒い糸が一本、切れた。


「なに!?」


男の表情が初めて崩れた。


「エリス!」


「うん!」


エリスの矢が飛ぶ。


ヒュンッ!


黒い糸を正確に一本射抜く。


「あと少し!」


キラが守護者の懐へ飛び込む。


目の前に、最後の一本。


だが――


守護者の瞳がキラを捉えた。


「侵入者――排除」


巨大な爪が振り下ろされる。


「キラ!!」


ズドォォン!!


土煙が山頂を覆った。


「……キラ?」


レティシアの声が響く。


煙の中。


キラは――


剣を盾のように構え、巨大な爪を受け止めていた。


「……重っ……!」


足元の地面が沈んでいく。


それでもキラは倒れない。


「まだ……終わってない!」


剣に魔力を集める。


炎が小さく揺らめいた。


「今度は……斬る!」


狙うのは守護者ではない。


その身体に繋がった――


最後の黒い糸。


キラは剣を振り抜いた。


第115話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。