↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
107/281

106話 崩れ行く封印



『――封印は、すでに壊れ始めている』


地下空間に響いた声。


キラたちは一瞬、動けなかった。


「……今の声、どこから?」


エリスが周囲を見回す。


しかし、誰の姿もない。


レティシアは剣を構えたまま、低い声で言った。


「気を抜かないで。まだ何かいるかもしれない」


「うん」


キラも剣を握り直す。


ルナだけは、じっと地下空間の奥を見つめていた。


「……あそこです」


「何か見えるのか?」


「いえ。でも……感じます」


ルナが指差した先。


そこには大きな壁があった。


壁には無数の古代文字が刻まれている。


その中央に――


一本の亀裂が入っていた。


「……あれが封印?」


キラが近づく。


「はい」


ルナが頷いた。


「でも、完全に壊れているわけではありません」


「じゃあ、まだ大丈夫なのか?」


「分かりません」


ルナは亀裂を見つめる。


「ただ……以前より弱くなっています」


キラは黙って壁を見る。


黒き核。


黒い紋章。


そして、この古代遺跡。


どうやらすべては繋がっている。


「この封印を壊そうとしているのは、黒い紋章の連中か?」


「おそらく」


レティシアが答える。


「でも、どうして?」


その問いに、ルナが静かに答えた。


「封印の向こうにあるものを……手に入れるためです」


「何があるんだ?」


「……分かりません」


ルナは苦しそうに目を閉じた。


「私の記憶では、そこまでは思い出せない」


「無理に思い出さなくていい」


キラが言った。


ルナが顔を上げる。


「え?」


「思い出そうとして苦しむくらいなら、今はいい」


キラは笑った。


「少しずつでいいだろ」


「……キラ」


ルナの表情が少し和らいだ。


そのとき――


――パキッ。


小さな音がした。


全員が壁を見る。


亀裂が、ほんの少し広がった。


「……!」


エリスが息を呑む。


「今、広がったよね?」


「ああ」


キラが答える。


「急いだ方がいい」


レティシアが言う。


「この場所を調べる?」


「いや」


キラは首を横に振った。


「ここに長くいるのは危険だ」


「同感」


エリスも頷く。


「それに、東へ行けって書いてあった」


キラが古代文字を見る。


『次の封印、東へ』


「次の封印を探すなら、まずギルドに報告した方がいい」


レティシアが言う。


「そうだな」


キラは剣を収める。


「それに……」


振り返る。


「俺たちだけで判断するには、少し大きすぎる問題だ」


頭に浮かんだのは、三人の英雄。


剣聖アシュレイン。


大賢者リリー。


弓王リゼッタ。


「リリーたちにも知らせよう」


ルナが頷く。


「きっと、知っていることがあります」


四人は出口へ向かって歩き始めた。


だが――


キラだけが足を止めた。


「……待って」


「どうしたの?」


レティシアが振り返る。


キラは中央にある古代の剣を見る。


「さっき、この剣に触れたとき……」


「何か見えた?」


エリスが尋ねる。


「三人の姿が見えた」


「アシュレインたち?」


「ああ」


キラは自分の手を見る。


「でも、それだけじゃない」


「何が?」


キラは少し考えてから答えた。


「誰かが……俺に剣を振る理由を聞いてきた」


レティシアが黙る。


「なんて答えたの?」


キラは少し笑った。


「まだ答えてない」


「え?」


「だから、いつか自分で答えを見つけたい」


レティシアはキラを見つめ――


「……そう」


それだけ言って、先に歩き始めた。


「行くわよ」


「おう!」


キラも続く。


その直後。


誰もいなくなった地下空間で――


古代の剣が、ほんの一瞬だけ光った。


そして。


壁の亀裂の奥から、黒い光が漏れ出した。


――パキッ。


また一つ。


封印が崩れた。


第106話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。