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『レベルリセットから始まる最強魔法剣士の英雄譚 ~五つの紋章と仲間たちと共に、滅びゆく世界を救います~』30000pv突破  作者: きらっち
少年期

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105話 次の封印



巨大な地下空間。


その中央に、一振りの剣が突き刺さっていた。


「……剣?」


キラは目を細める。


遠くから見ても分かる。


普通の剣ではない。


刀身には古代文字のような模様が刻まれ、淡い光を放っている。


「すごい……」


エリスが呟いた。


レティシアも剣を見つめる。


「でも、妙ね」


「何が?」


「こんな場所に、どうして一本だけ剣が置かれているの?」


キラは答えず、ゆっくりと近づいていく。


「待って」


ルナが声を上げた。


「その剣には……触らない方がいいです」


キラが足を止める。


「危険なのか?」


「分かりません」


ルナは剣を見つめる。


「でも、昔の私は……この剣を知っています」


「また記憶か?」


「はい」


ルナが目を閉じる。


「アシュレインが……この剣の前に立っていました」


キラの表情が変わる。


「剣聖アシュレインが?」


「はい」


ルナの記憶の中。


金色の髪をした男が、一本の剣を見つめていた。


その隣にはリリーとリゼッタ。


そして三人の前には、巨大な黒い魔力。


『この剣は、力を与えるためのものじゃない』


アシュレインが言っていた。


『封印を守るための剣だ』


――そこで記憶が途切れる。


「……封印を守る剣」


キラが呟いた。


「じゃあ、ここにも何かが封印されているのか?」


その瞬間。


――ズン。


地下空間が揺れた。


「っ!」


全員が身構える。


台座の周囲に、細かな亀裂が走った。


「何か来る!」


エリスが叫ぶ。


――ドン!!


壁の一部が吹き飛んだ。


そこから現れたのは――


黒い魔力をまとった三体の魔物。


「また黒い紋章……!」


レティシアが剣を抜く。


「キラ!」


「ああ!」


キラも剣を抜いた。


魔物の一体が突進してくる。


「レティシア!」


「任せて!」


レティシアが正面から迎え撃つ。


――ガキィン!!


爪と剣がぶつかる。


「重い……!」


押し込まれながらも、レティシアは一歩下がる。


そして魔物の攻撃を横へ流し――


「そこ!」


一閃。


魔物の前脚を斬り裂いた。


「今!」


エリスの矢が飛ぶ。


――ヒュン!


矢は傷口へ正確に突き刺さった。


魔物がよろめく。


「キラ!」


「分かってる!」


キラが走る。


剣を握り直し、魔力を集中させる。


「《ウィンドバレット》!」


風の弾丸が魔物の動きを止める。


その隙に――


「はぁっ!」


キラの剣が横薙ぎに振り抜かれた。


――ズバッ!


魔物が倒れる。


「残り二体!」


エリスが叫ぶ。


キラが振り返る。


一体がルナへ向かっていた。


「ルナ!」


キラが走る。


だが、距離がある。


「間に合わない!」


レティシアが叫んだ瞬間。


ルナの足元に、青白い魔法陣が浮かび上がった。


「えっ……?」


魔物が魔法陣へ踏み込む。


――バシュン!


強烈な光が魔物を弾き飛ばした。


「今の……ルナが?」


キラが驚く。


ルナ自身も困惑している。


「私……何もしていません」


そのとき。


中央の剣が、強く輝いた。


キラは剣を見る。


「……もしかして」


一歩。


また一歩。


キラが剣へ近づく。


すると――


刀身の光が強くなる。


「キラ……」


レティシアが不安そうに見る。


「大丈夫」


キラは剣を見つめる。


「俺、この剣に呼ばれてる気がする」


「でも、危険かもしれないわ」


「分かってる」


キラは自分の剣を見る。


そして古代の剣を見る。


「だけど……」


握っている剣をしっかりと握り直す。


「俺も剣を使う人間だから」


ゆっくりと手を伸ばす。


指先が、古代の剣に触れた。


――ドクン。


心臓が跳ねた。


次の瞬間。


キラの頭の中に、声が響いた。


『――力を求める者よ』


「……誰だ?」


『その剣は、力を与えるために存在するのではない』


キラの目の前に、一瞬だけ三人の姿が浮かぶ。


アシュレイン。


リリー。


リゼッタ。


そして――


『守るために、剣を振るえ』


キラは息を呑んだ。


次の瞬間、古代の剣から光が消える。


何事もなかったかのように、地下空間は静まり返った。


「……終わった?」


エリスが尋ねる。


キラは自分の手を見る。


「たぶん」


しかし。


古代の剣はまだ台座に刺さったままだった。


そしてその奥。


地下空間の壁に、一つの文字が浮かび上がる。


『次の封印、東へ』


ルナが呟いた。


「東……」


キラはその文字を見つめる。


「まだ、封印があるってことか」


レティシアが剣を収める。


「どうやら、ただの魔物討伐では終わらなそうね」


エリスが苦笑する。


「また大変なことに巻き込まれちゃったね」


キラも苦笑した。


「……まあ、いつものことだな」


その瞬間。


地下深くから、低い声が響いた。


『――封印は、すでに壊れ始めている』


四人の表情が凍りついた。


第105話 終

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