101話 巨大な魔物
翌朝。
俺たちは、いつものように冒険者ギルドへ向かった。
昨日の依頼を終えたばかりだが、王都では次々と新しい依頼が出ている。
「今日はどれにする?」
レティシアが掲示板を見る。
「これなんてどう?」
エリスが一枚の依頼書を指差した。
そこには――
『街道周辺の魔物調査』
と書かれていた。
「討伐じゃなくて調査か」
「最近、魔物の動きがおかしいらしいです」
エリスが依頼書を読む。
「森から出てくる魔物が増えているみたいです」
「黒き核の影響かもしれない」
俺は依頼書を見つめる。
「行ってみよう」
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王都から少し離れた街道。
普段なら商人や旅人が行き交っているはずなのに、今日は人影が少ない。
「静かすぎない?」
レティシアが辺りを見回す。
「うん」
俺も違和感を覚えていた。
魔物の気配はある。
でも――
姿が見えない。
「キラ」
ルナが突然立ち止まった。
「どうした?」
「地面を見てください」
地面には無数の足跡。
しかも、すべて同じ方向へ向かっている。
「……森の奥へ?」
「はい」
ルナの顔が曇る。
「何かに誘導されているみたい」
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森へ入る。
しばらく進むと、一匹の魔物が倒れていた。
「まだ生きてる!」
エリスが駆け寄る。
魔物の身体には、以前見たものと同じ黒い紋様。
「まただ……」
俺が手を伸ばそうとすると、
「触らないで!」
ルナが叫んだ。
俺は手を止める。
「危険なの?」
「分からない……でも、嫌な感じがします」
その直後。
魔物の身体から黒い霧が噴き出した。
「下がって!」
レティシアが剣を構える。
霧の中から――
別の魔物が現れた。
---
巨大なウルフ。
身体の一部が黒く変色している。
「普通のウルフじゃない」
エリスが弓を引く。
「気をつけて!」
ウルフが一瞬で距離を詰める。
「速い!」
レティシアが剣で受け止める。
――ガキィン!
「くっ……!」
押されている。
「レティシア!」
俺は杖を構える。
「《フレイムスパイラル》!」
炎の渦がウルフへ向かう。
――ゴォォッ!
直撃。
しかし、ウルフは倒れない。
「まだ動くの!?」
「エリス!」
「はい!」
エリスが矢を放つ。
――シュッ!
矢がウルフの脚へ突き刺さる。
動きが止まった。
「今!」
レティシアが踏み込む。
「はぁっ!」
――ザンッ!
ウルフが倒れた。
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「……危なかった」
レティシアが息を整える。
「でも、勝てた」
俺は倒れたウルフを見る。
以前なら、もっと苦戦していた。
フレイムスパイラルだけでは倒せなかった。
でも――
三人で補い合えば勝てる。
「俺たち、少しずつ強くなってるな」
「うん」
レティシアが笑う。
「もっと強くなろう」
エリスも頷く。
「はい」
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そのとき。
――ドン。
地面が揺れた。
「……何?」
レティシアが振り返る。
――ドン。
また揺れる。
森の奥から、巨大な足音。
俺たちは一斉に身構えた。
「これは……」
ルナが震える。
「知ってるの?」
「……分からない」
しかし、その顔は明らかに怯えている。
木々が倒れる。
そして――
巨大な影が姿を現した。
ウルフでも、オークでもない。
今まで見たことのない魔物。
その胸元には――
黒い紋様が刻まれていた。
「……また黒き核か」
俺は杖を握り直す。
魔物がこちらを睨む。
そして咆哮した。
――グォォォォォッ!!
森全体が震える。
レティシアが剣を構える。
エリスが弓を引く。
俺も魔力を集める。
「来るぞ!」
巨大な魔物が走り出した。
第101話 終




