小さなたね
小さないっぽとして踏み出した
ボーイの仕事はなんだかんだ2年近く経ってた
あの頃コミュ障お化けだった自分も
ちょっと控えめなボーイさんになった
当時の彼女に女にしか見れなくなったから
別れたいと告げられ
自分の生き方に自信も持って無いようなやつじゃ
当たり前か。と
少しは自分に自信を持つように心がけてた
日々目まぐるしく回る日常と
お店のママである母とのわだかまりが
自分を疲弊させていた
お手伝い程度の仕事から
うん?キャストか?と言うような仕事内容へと変化した
あそこの席について。と言われれば
着いてボーイの立場でありながら
「頂いてもいいですか!?」と
談笑をしながらお酒を飲んでいた
女の子も代わる代わるがわるで
なんとも絶妙な調和を取るのが難しいなと思っていた
そんな日々であの満面の笑みのおっぱいのおおきい
はるかちゃんは目の保養だった
「私だけこんなに飲んでお前たちは何してたんだ!」
酔って不平不満を漏らす母に苦笑いをし
いやぁ、こっちも浴びるほど飲んでんだけどなぁ
嫌な酔い方してんなぁと思いながら
「こっちも飲んどるわい。」
と呟くと
「まぁまぁ、ねっ?
はるかは見とるよーりなちゃんが頑張りよるとこ
大丈夫大丈夫」
とお姉さんみたいになだめてくれて
喧嘩にならないよう収めようとしてくれたり
あの頃の自分の唯一の癒しだった
お姉さんで可愛くて自分に寄り添ってくれる人
拠り所になった
はるかちゃんが入る日はちょっと気合いが入って
二人でじゃれ合いながら仕事をした
でもたまに何となく引っかかる自分を下げる発言
はるかなんかがおこがましい
そういったニュアンスの言葉をよく口にする人だと思った
人に好かれていつもワイワイしてても
どこか寂しげで自信がなくて
私なんか居なくても そんな風に思ってるような気がした
よく目で追って観察するようになった
屈託のない笑顔の裏で隠れてる何かがあって
健気で頑張り屋さんで 色んな人に気に入られてて
なのに ただの一人ぼっち。寂しがり屋の1人の女の子
身体の関係も安請け合いして
自分を大事にしてなくて
なんなら自分を嫌ってるようだった
求めても求めても満たされない何か
人に見せる顔は元気で裏も表も無さそうな顔
観察をして気づいた頃には惹かれてた。
可愛いはもちろんある それよりこの人を満たして
安心させてあげたいと思うようになった
身勝手な男の欲に寂しさや不安を消し去るように
体を任せるこの人を
自分だけは大事にしていたいと思うようになってた
恋心を持ってもどうしようもない
関係を崩しかけない。止まれ。止まれ。
お客さんに聞かれた一言
「お前はるかと付き合えるか??」
フリーズした何とも、タイムリーな話題すぎて
どうなのよ〜?とでも言いたげな顔で見てるあの人
気になるの?教えてあげるよ
「付き合えますよ?笑」
「えっ?!まじ?!え?!がち!?」
「うん。笑」
「まじ?!やったぁ!!!!まーーっじでうれしい!!
あ、やばい素で喜びよった笑」
「いやなんかはずww」
「もう付き合う??笑」
「え、うん。笑」
「どうせうそやん!笑
人の反応見てからかいよるやん!
あーも!腹立つ!」
勝手な思い込みで人をバシバシ叩いてくる
そんなあなたに逆に聞きたかった
付き合えますか?って
まぁ、そんな度胸もないけど。笑
恋心を許した瞬間だったんだと思う
許したとかじゃない、無邪気に喜んでる姿に
簡単に持っていかれたと思う
ちょろい自分。笑
止められなかったんなら進むしかなくて
少しでも距離を縮めたくて
ご飯のお誘いのお伺いを立てた
[今度飯でも行きませんか?]
[え!行きたい!!いく!!いつ行く?]
文でも変わらんなと思いながら
何とかこじつけた飯(居酒屋)
「初めてやね!2人でいくの!」
「ねー中々機会ないですもんね
飲み物生でいいですか?」
「うん!いいよありがと」
そうしてふたりで初めて飲んで
色んな談笑をしてた
「ねぇねぇ、名前はなんて呼んで欲しい?」
「名前ー?なんでもいいですよ笑
もう今更こだわってない笑」
「そっか!いきなり りくって呼んだりするの
キモイかなと思って一応希望があるなら聞こうかな、、と。笑」
「呼びたいように呼んで大丈夫ですよ
はるかちゃんがりながいいならりなで
りくがいいならりくで」
「なら、りなちゃんのままで居ようか、な?笑」
「ばっちこいばっちこい笑」
ほんと名前なんてなんて呼ばれようと
今更気に気しない 娘と呼ばれることもあれば
りくと呼ばれることもあって
その大半がりな。生まれ持った名前
気にかけてくれてることが嬉しくて
ささやかな思いやりが身に染みた
好奇の目に晒されることなんてなれたし
ちょっと気まずいだけで。
「こうやって飲めて嬉しいなぁ
いろいろ話せてまじ良かった」
「いや〜ほんとですね笑
ありがとうございます!」
「いいえ!こっちこそよ!
最近ちょっと店の雰囲気変わって
うーんって感じだったから
話せてスッキリした!これからも頑張れる!」
「かなぁ?とは思ってました 店の雰囲気良くは無いですもんね笑」
「正直。ね笑 りなちゃん居らんかったらまじ行ってないもん!」
「はいはい笑 うそつき!笑」
「は!うそやないて!まじやし!!まじやけん!」
「分かったて笑 でも自分も同じこと思ってますよ
はるかちゃん居らんかったら行く意味ないもん」
「はぁ?!よーそんなこと言えたね!笑
真顔で嘘ついてくんな!」
「うそやないし!!ガチやし!笑」
「絶ッ対嘘!嘘の顔しとるもん!」
「嘘とかつかんし笑 自分の癒しですよ」
「もーよかて!笑はるかの事バカにしとるやろー!笑」
お互い照れてうそつき呼ばわりした夜
かっこよくお会計を支払おうとしたら
「いいけん!はるかも話したかったから!払わんで!払ったらもう一緒に行かん!けど行きたいけん払わんで!!!また絶対一緒に飲みに行こうね!!!」
そんなこと言われて払えるはずもなく
「じゃあ今回はお願いします、ご馳走様でした」
と言ってご馳走してもらった
帰り際に「絶対飲み行こうね!!約束やけん!!わかった?!わかったって言うて!」
とやかましすぎる圧を頂いた笑
「わかりました笑絶対行きましょ」
ってまたねをした
好きな人とかじゃなく同じ店で働いてる者同士
話をできて良かったと思った
あなたが居なければ行ってない
存在価値も何も見いだせてない自分に
存在価値をくれた言葉だった
何か一つでもあの人の意味になれてることが嬉しかった。
お店の中であんな風に圧強く言ってる彼女を見たことがなくて
自分にだけみたいで嬉しかった
無邪気に笑ってくれる彼女を見てさらに惹かれていってた




